第18話 海辺でのイチャコラ。夏のハプニング。
「うーん」
「あ、起きたの? マモルくん」
アーシャちゃんの綺麗な水着姿に見惚れてダウンしていた僕。
眼を覚ますと、周囲は薄暗い。
そして、柔らかいものを枕にして、額から目元を冷たいタオルで冷やしてくれていたのに気が付く。
「ぼ、僕?」
「まだ動いちゃだめよ? まったくウブなんだから。うふふ」
眼を覆っていたタオルを取り除くと、心配そうな顔で僕を見下ろすアーシャちゃんがいた。
「え? ここは?」
「先生が作ってくれたビーチ用のテントの中よ?」
僕は、今の状態が良く理解できず頭を動かしてみる。
……あれ? え、ま、まさか?
「マモルくん。こっちに顔向けちゃ、いやん!」
「ご、ごめん」
僕は急いで反対側に顔を向けた。
そこからは浜辺が見えるが、僕らの方を見ている人は誰もいない。
皆、海で遊ぶのに熱心だ。
……アーシャちゃんのパンツ。いや水着だけど、すぐそばで見ちゃったよぉ。
なんと僕はアーシャちゃんに膝枕をしてもらっていて、先程顔を向けた側にはアーシャちゃんの水着の下側、可愛いお尻を包むボトムが間近に見えた。
……ぼ、僕。な、なんて事を……。
「マモルくんってはウブなのに、時々エッチなんだもん。まあ、男の子だから、しょうがないかな? もー」
アーシャちゃん。
怒った風にいうけれども、その声はとっても柔らかくて優しい。
また優しく僕の頭を撫でてくれている。
僕は、その声に釣られて顔を上にあげた。
「寝坊助さんね、マモルくんは。寝顔、とっても可愛かったわよ? わたしの足に顔をこすりつけた時は、ちょっとびっくりしたけど」
「ちょ、ご、ごめんなさい」
「別にいいわ。他の人がやったんなら生かして帰さないけど、マモルくんだったら許してあげる。わたしもマモルくんの事、結構触っちゃったし……」
怒ったかと思ったら、今度は赤面しながら恥ずかしがるアーシャちゃん。
その百人相が、とても可愛い。
気が付くと僕の視線上には、ささやかながら男性では持ちえない柔らかい頂きが二つ、水着越しに見える。
また、僕はとても柔らかくていい匂いに包まれている事に気が付いた。
「さ、触ったって。僕のどこを触ったの?」
「ぱ、パンツの中には間違っても触っても居ないし、見てもいないわ。む、胸とかお腹とか、く、唇や頬を触ったの」
なんと僕が気絶している間に、アーシャちゃんは僕をお触りしてた様だ。
「……アーシャちゃんもエッチじゃないの?」
「だ、だって。目の前に触っても良い男の子が寝ているのよ? お義母様も先生も、触ってあげてって言ってくれたし……」
……あの、オトナ共は僕の純情と貞操をどう思っているんだろうか? 後で、問い詰めなきゃ!
「で、僕の身体をじっくり触ったんだ。人のこと言えないと思うんだけど?」
「じゃ、じゃあ、わたしのお腹触ってみる? マモルくんなら、お腹触っても良いよ?」
僕が冗談半分に怒ってみると、なんとお腹を触っても良いとあらぬ事を言い出すアーシャちゃん。
今でもアーシャちゃんに膝枕してもらってて、僕は柔らかい太ももの感触を堪能している。
なので、少々胸とかを触られたくらい、逆にご褒美。
美少女に肌を触ってもらえたというだけで、特別な意味がある。
更に、お腹に触っても良い。
僕だから許してあげるという発言を、顔真っ赤にしてしてくれるなんて、また気絶してしまいそうなくらいの衝撃だ。
「ほ、本当に良いの?」
「さ、触らないのなら別に良いのよ? 無理やり触らせてもよくないもん」
「いいえ! 触らせて下さい。もちろん、そっと触ります」
僕は、ぴょんと膝枕状態から起きだす。
良く見れば、アーシャちゃんの真っ白な膝の上にバスタオルが敷かれてあり、僕はその上で寝ていたようだ。
「じゃ、じゃあどうぞ?」
「うん」
僕は、そっと指先でアーシャちゃんの真っ白なお腹に触れた。
指先に、とてもすべすべとした気持ちの良い感触が伝わる。
自分には持ちえない女の子の柔らかい肌。
また、そっと指を押し込むと「ふにゅっ」とした皮膚の感触と皮膚下にある鍛えられているだろう「しなやか」な筋肉の感触が感じられた。
「あん! く、くすぐったいよ」
「あ、ごめん」
僕がゆっくりとお腹の上で指を動かすと、アーシャちゃんは身体をよじり、色っぽい声で僕に笑いかける。
僕は、アーシャちゃんの普段聞かない声にドキリとした。
「辞めちゃうのぉ?」
「え、もっと触ってても良いの?」
僕はアーシャちゃんの嬌声に驚き動きを止めるも、僕はまだアーシャちゃんを触ってても良いらしい。
「ゆ、指先だけでなくて、掌でも良いのよ? わたし、マモルくんの胸とかお腹を随分と撫でちゃったから」
「じゃ、じゃあ。お言葉に甘えて……」
僕は両方の掌でアーシャちゃんのお腹に触る。
そして、ゆっくりと揉んでみた。
「んくぅ。あ、ん! うぅん。はぁん」
「はぁ。はぁ」
真っ白だったアーシャちゃんの肌が上気してきて、真紅の薔薇色になっていく。
そして、汗が彼女の胸やお腹を滑り落ちていく。
僕を包み込む甘い匂いが、ますます強くなっていく。
「もっと、もっと先まででも良いよ、マモルくん」
「アーシャちゃんも、僕のお腹に触って良いよ」
「うん」
僕はアーシャちゃんの声に誘われて、掌をお腹から上と下に動かそうとした。
アーシャちゃんも、僕の裸の胸やお腹を優しく撫でてくれる。
……ここまで来ちゃったら、もっと色んなところを触っちゃおう!
「はい! そこまでよ? まったく、油断も隙もないんだから。アリサちゃんも自分から誘ったらダメよ。マモル、良く辛抱したとは思うけど、これ以上は高校卒業までお預けね」
しかし、僕らの行為は母さんによって中断させられて、いや中断してもらえた。
……あ、危なかったぁ。このままじゃ「最後」までやってたかもぉ!
「おにーちゃん達。てっきりキスシーンにいくかと思ったら、二人でお腹を撫で合うなんてマニアックぅ」
「アリサちゃん、植杉くんだから貴方を傷つける事はしないのだけど、自分から迫ったらダメよ? はぁ。貞操教育もわたし担当なのね」
「マモル殿、うらやまけしからんでござる。柊殿も、周囲を考えて行動すべきでござるよ」
この後、僕たちはみっちりと絞られた。
考えてみれば、公衆の面前でお腹の触り合い。
実に恥ずかしい事をしてしまった事に、二人赤面しあったのだった。




