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「満月の夜、僕は学校で一番の美少女に拳銃を突き付けられた。~クラスで隣の席に座るアノ子は、超絶凄腕エージェント~」  作者: GOM
最終部 ボーイ・メイク・ガンガール・ハピネス!

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第22話(累計 第121話) 最終決戦その12:ミハイルくんの裏切り! 『あの方』の悪意。

「今のところ妨害は少ないですけれど、『あの方』はどんな思惑で僕らだけを誘ったのでしょうか、隊長?」


「それ、俺に聞くんじゃなくてアリサに聞けよ!俺はな、色々と忙しいんだ」


 隊長、隙があればイチャつこうとするリナさんを適当にあしらいながら周囲を警戒している。

 建物内に入って以降、外部からの通信が途絶している。

 悪魔城ならぬ敵のアジトなら、電磁波を完全遮蔽でも何の不思議も無い。

 今は、ユウマくんからのレーザー通信による情報支援のみで僕らは動いている。


 僕ら五人は『あの方』に誘われて『悪魔城』、『あの方』が潜む研究所の奥へ進んでいた。

 パワードスーツでも入れる機材搬入路、そこのシャッターが開き僕らは建物内に招き入れられた。

 しかし、僕らが全員入った途端シャッターが降り、更に防爆扉すら稼働した。


 ……お約束ではあるんだけどね。一応扉を攻撃しては見たけれども、びくともしないんだ。


 扉を無理やりにでも破壊して逃げる選択肢もあったのだが、僕らは先に進む事を選択した。

 何故なら、そうしなければ事態が解決しないから。


「多分だけど……。カーシャちゃんは、わたしとミーシャに直接会いたいんじゃないかしら? だから、さっきから進む先を誘導するような感じで雑魚が出ているんだと思うの」


「ボクも同意見。だって、態々雑魚で通路を塞いだ道と何もない道を作っているからね」


「設計図面から把握できるマップでも、おそらく『あの方』がいるであろうメインフロアーに進む道と一致してるでござるよ」


 屋内なので、戦車はもちろん出てこない。

 精々が無人パワードスーツ程度で、大体が四足歩行小型ドローンばかり。

 今の僕らにとっては大した敵でもないが、それでも面倒な事には違いない。

 研究所の通路、最初から大型機材搬入を考えられていたのか、身長四メートル弱のパワードスーツも二体並んで楽々通る事が出来る。


「次の遮蔽扉を開けば、そこが大きなフロアーでござる。電源ケーブルと情報ライン配管の数から、間違いなく……」


「さあ、お前ら。気合入れていくぞ!」


 僕らはCQCの基本、曲がり角を警戒しながら進む。

 そして最終扉の前で待機し、一気にドアブリーチングをしてフロアー内に入った。


「いらっしゃいませ、アーシャちゃん」


  ◆ ◇ ◆ ◇


 僕らは、その光景に言葉が出なかった。


 眩しいばかりのLED照明に照らされた「電子の要塞」。

 概ね直径五十メートルくらいの円形な部屋の中央、目の前にあるのは銀色の液体が詰まった巨大な透明の塔と周囲に配置された沢山のモノリス、いやスパコン達。


 銀色の液体の入った塔は、目視で直径三メートルを優に超えている。

 そして床を数階分はぶち抜いた「吹き抜け」の天井の高さ、約十数メートルまで伸びる。

 塔の中にある水銀みたいな液体は、ポコポコと泡を経てまるで沸騰しているように表面が沸き立っていた。


「いらっしゃいませ。アーシャちゃん」


 何処からか、幼い女の子の声が聞こえる。

 今までの電子音声とは違うし、スピーカー越しでも無い肉声だ。


 銀色の液体が沸き立ち、表面から何かが飛びあがる。

 それは人の型、いや十歳くらいな裸な少女の姿を取った。


カーシャ(エカチェリーナ)ちゃん! 貴方、そこにいたの!?」


「そうよ、アーシャちゃん。もう一度会えてよかったわ。さて、ミーシャ。いい加減、お芝居は辞めてくれないかしら?」


 銀色裸体の少女、いやエカチェリーナは突然妙な事を言った。


「カーシャちゃん、ネタバレのタイミング最悪だと思うよ? もっと引き付けてからの方が劇的なんだけど?」


 ミハイルくん、銀色の液体が詰まった塔の方へ数歩歩み寄ったかと思うと、振り返りパワードスーツの機械腕に持たせた機関銃の砲口を僕に向かって突き付けた。


「ミーシャ! 貴方、もしかして最初からわたし達を裏切る気だったの!?」

「あれ、アーシャちゃん。ボクを信じてくれていたんだ。ボクが簡単に世界への復讐をやめるなんて思ってたの?」


(それがし)の善意も全部無駄でござったのか」

「ユウマには色々と感謝はしているよ。色んなエンタメを教えてくれたからね。おかげで君たちを上手く騙す事に成功したんだから」


 今までと変わらぬ楽しそうな口調で、僕らの敵になったと宣言するミハイルくん。

 まるで劇場で男優が悲劇を語るかのような過剰なボディランゲージで、僕らに裏切りを宣言する。


「ミハイル!!」


 隊長が怒りのあまりミハイルくんに銃口を向け、大型機関砲を撃つ。

 しかし、感情が安定しない状態で撃った弾丸はミハイルくんを逸れ、銀色の液体が詰まった塔を直撃した。

 かに見えたが、弾は塔の手前でカンと弾かれた。


「電磁フィールド?」


「ご名答、マモルくんだったっけ? わたし、いや我々が無防備で貴方達の前に現れる筈無いじゃないの」


 ドヤ顔で己の防御の硬さを誇る銀色の少女。

 彼女の背後にも幾つもの銀色の水柱が生まれ、それらが人の形を成していった。


「ははは! お前らのような偽善者が世界を破壊するのだ。本当に善であるのなら、俺達みたいな犠牲者が生まれる筈は無かったのだ!」


 先程まで戦車の中から話していたであろう男性、壮年で立派な体躯の男が銀色の姿で叫ぶ。

 彼の横には幼児や女性、老人、他多数の人達が銀色の裸体で現れた。


「その銀色の液体が超AIを構成する流体マイクロマシ―ンでござるな。なるほど、これで『あの方』の全貌が見えたでござる。さては電源も原発とは別に準備していたのでござるな」


「ユウマくんだったっけ? 今更わたし達の正体を知ってどうするの? 貴方達は孤立無援。更に仲間達の中から裏切者が出て大ピンチ。そうそう、貴方達の火力は既に全部把握済みなの。どんな火力を使っても、我々を守る電磁フィールドは破れないわ」


 なおも自慢げにドヤ顔のままの少女。

 彼女はミハイルくんに命令を告げた。


「ミハイル。そろそろ邪魔者を退治して。出来れば綺麗に殺してあげてね。全員、わたし達の仲間にしてあげたいから」


「了解、カーシャちゃん。じゃあ、最初にマモル。キミとは『真剣勝負』で『正々堂々』と戦いたいんだ。お願いできるかな?」

 いよいよ物語は大詰め。

 ミハイルの裏切り、迫る『あの方』

 ラストまでこのままの勢いで進みます!


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 では、今後ともよろしくお願い致します!


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