第36話 龍について聞くの。
レイニィ達は、昨日、大熊を倒した後その場で野営し、今日は朝から順調に馬車で移動中である。
レイニィは試練が書かれた紙の束を取り出し、確認していた。
「大熊討伐の評価がAになってるの」
「本当ですね。おめでとうございます。お嬢様」
スノウィがレイニィにお祝いを述べる。
「でも、倒したのは、あたしではなく先生なの」
「いや、あれはレイニィが足止めしたからこそ倒せたんだ。私一人では無理だった。評価Aは妥当な評価だな」
エルダは評価が正しいと太鼓判を押す。
「そうかな。役に立ったならよかったの」
評価されてレイニィは嬉しそうだ。
「魔力を感知する。も評価Bに上がってるの」
「昨日から大分上達しているからな。今も訓練を続けているか」
「受動探索、続けてるの」
「そうか。偉いぞ。メテオインパクトも探索能力が高くないと使えないからな」
「あんなの使いたくないの」
「何故だ。凄かっただろうに」
「凄すぎるの。後始末が大変なの」
「おまえが言うなよ。裏山の惨事と大差ないだろう。ダウンバースト、だったか?」
「あれは、ちょっと、調子に乗ってたの___」
旗色が悪いので、レイニィは話題を変えることにした。
「ところで、この試練にある龍って本当にいるの?」
試練には、龍と仲良くなる。というものがあった。
「龍ならいるぞ。火山には爆炎龍、空には暴風龍、海には海龍、地底には地龍がいる」
「へー。会えるかな?会ってみたいの」
「暴風龍は毎年夏から秋にかけて、二、三回は暴風雨を伴ってやって来るから、見る機会はあるだろうが、近付くのは難しいだろうな」
(暴風雨って、台風のことよね?そうなると、天災の事を龍に例えているのかしら?)
「もしかして、爆炎龍が暴れると火山が噴火するの?」
「そうだな。海龍が暴れれば津波が起こり、地龍が暴れれば地震が起こるな」
(やっぱりそうか、だとすると、龍は想像の産物で、本当はいないのかな?)
「先生は本物を見たことあるの。どんな形なの?」
「勿論あるぞ。私が見たことあるのは、暴風龍と爆炎龍だが、どちらも、細長くて、口がでかい。角も生えてるぞ。手足は小さいな」
(恐竜みたいではなく、想像の生き物の龍みたいだな。先生は見たことあると言うし、実際にいるんだね。そういえば、女神様も龍や妖精がいるって言ったな。
しかし、天災の原因が龍なんて、どうやって予報したらいいのよ?
本当、ファンタジーだわ。
予報のためには龍と仲良くなるしかないのね)
「やっぱり、会いたいの。会って仲良くなるの」
「そうだな。試練の達成のためにも頑張れ。頑張って強くなれ。龍は自分より強い相手でないと話を聞いてくれないそうだぞ」
「えーーー!お約束なの?!」
のんびりと行く馬車の中から、レイニィの叫びが草原に響いたのだった。




