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ミッション5 紅華壊滅作戦開始

ガドゥン・・ガドゥン・・


午前一時五十六分、まだ朝日もでないこの時刻にただWAの足音だけが聞こえる。


ガドゥン・・ガドゥン・・ガドゥン・・グゥンン・・・


しばらくすると足音が止んでそこから二人の人影が現れた。


「・・・あれがアジトか・・・」

「間違いないわ。ポイントも合ってる。」


二人はほんの数キロ先で明るく光っている都市を見て言葉を交わす。その二人の人影・・・諒と七美は建物の位置を確認すると自分の機体に乗り込んだ。後ろには十数機の諒や七美と同じ機体が並ぶ。


諒や七美のいるデルタ第七小隊は紅華壊滅作戦の先発としてアジト正面からの突入隊に組み込まれていた。

諒はコックピットの左脇からおもむろに通信機を取り出す。


「突入隊。配置準備完了。これより紅華・アジトに突入する。」

「了解。諒、無理は禁物よ。」


理奈との通信が終わり、諒の機体は一度周りを見ると手を上げる。そしてその場にいるCTIFの機体全部が都市に向かって突入を敢行した。紅華壊滅作戦の開始である。


諒の機体はアジトに突入すると周りをガトリングで一掃する。


しかしテロリスト達もアジト攻撃をあらかじめ予期していた様で、対WAバズーカで反撃してきた。その後ろからドルガが何機も出てくる。


「七美!先にドルガを仕留めるぞ!!」

「了解!!」


諒のガトリングと七美のバズーカが一瞬で一機のドルガを潰した。


「クソッ!数が多い!?」

「諒危ない!?」

「うわあぁぁぁ――!?」


後ろで対WAバズーカを持っていたテロリストが七美のバズーカで吹き飛ぶ。


「悪い七美!!」

「どういたしまして!それよりマズイよ!?」


すでに歩兵を中心とした制圧部隊が武器を持ったテロリストと衝突し、辺りは乱戦状態になっていた。


作戦では突然の奇襲に混乱した状態に乗じて一気に制圧するという計画だったのにこれでは消耗戦になってしまう。


「ほかの突入部隊はどうしたんだ!?」

「そんなの分かるわけないでしょ!」

「通信は!?」

「ダメ!電波妨害で使えない!?」

「チッ!しょうがない。早く紅華のリーダーを捕まえるぞ!!」

「分かった!!」


オレと七美は周りのドルガやテロリスト達を倒しながらさらに奥へと進んでいく。

そこで急に通信機が作動した。


「ジジッ・・・ガガガッ・・こち・・ら・ピガッ・CT・本・部ガッ・・第・小隊・・危・・・険・・・こちらCTIF本部!デルタ第八小隊!!誰か応答を!?」


やっと連絡が繋がった通信機からは理奈の必死な呼びかけが聞こえた。


「理奈どうした!?」

「諒!?第八小隊からの通信がいきなり途絶えたの!お願い!!明を助けに行って!?」

「明が!?分かった!場所はどこだ!?」

「都市の中心部よ。お願い、早く!?」


その後、電波障害により理奈からの連絡が途絶える。


「七美。聞いてたな!中心部に急ぐぞ!!」

「任せて!!」


二機は背中のブースターを使って、中心部に急いだ。一方、音信不通になっていた明のいる第八小隊は中心部の敵と必死の攻防戦を繰り広げていた。


「こちらデルタ第十三小隊コード3。上野隊長!?撤退を・・・うわあぁぁぁぁ!?!?!?」


悲鳴と爆発音を最後にその隊員との通信がノイズする。


「コード3!?チクショウ何てヤロウだ!!」


明の部隊はほぼ壊滅をしていた。いや・・・全滅と言った方が正しいかもしれない。すでに味方で生き残っているのは明の機体だけでほかは完全に機能を停止していた。


ここに来た時は明の周りには明の小隊だけではなく、ほかに一つの小隊が一緒だった。

なのに結果はこのザマである。


明の前には最初、五機のドルガが武器を持って立っていた。

この程度なら軍のエースが集められている明達には何にも問題は無かった。本来ならば・・・


「まさか敵さんがあんな秘密兵器を隠し持っていたなんてな・・・」


明達の部隊を全滅させた元凶はその奥にいた。

それは両肩に戦艦でも楽に破壊できそうな巨大なミサイルランチャーを装備し、両手にはこれもまた巨大なガトリングを持っていた。脚部はキャタピラで機体のそこらじゅうに機関銃が取り付けられている。


「よりによってダイダロスかよ・・・」


ダイダロス


正式名称はRS632型と呼び、ロシアが少ない兵器で都市を守れる様にという事を目的に作られた都市防衛用の最新WAである。その兵装と耐久力は軍の一個中隊に匹敵すると言われている。ただし作るのに相当のコストが掛かり、安易に作ることができないのが難点だ。


ドルガを全滅させた後、突然出てきたコイツに明以外の味方は全てやられたのだ。


「今日、取引していたのはコイツか・・・」


グガッ・・グガガッ・・・


ダイダロスはいやな機械音を鳴らしながら肩に背負っているミサイルランチャーを明に向けてくる。


「危ねぇ!?」


明はブースターを使って前に行くとそこに大量のミサイルが撃ち込まれる。


「仲間のカタキをとってやる!!」


明は背中のレーザーブレードを抜いてダイダロスに切り掛かる。しかしダイダロスは体に付いている機関銃で明を牽制する。


「クソッ!近づけねぇ!?」


ガキッ!?


「しまった!?」


機関銃の弾が足に当たった。その瞬間に隙を突いてダイダロスはミサイルランチャーを連続で撃ち込んでくる。


「オレはまだ死ねないんだよぉ!!」


明は手にあるマシンガンでミサイルを撃ち落とすが何個かは撃ち落とせずに機体の足に当たる。


「ぐぅっ!?」


強烈な衝撃が明を襲った。そして残りのミサイルが明の機体に迫る。


「理奈・・・」


だが残りのミサイルが明に当たることは無かった。突然ミサイルが明の目の前で爆発したのだ。明はわけが分からずただ呆然とした。


「明!大丈夫か!!」

「明!生きてるわよね!!」


後ろから諒と七美の声。二人はギリギリで間に合ったのだ!


「神はオレを見捨てて無かったか・・・」


そして頭の中で理奈の言葉を思い出す。

「死んだら100発殴るからね!!」


まだ・・・殴られるのは早えぇ!!そして明は操縦かんを握りしめた。





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