大和が語らない話:愛良「大和君とデート……だよね?」
おはようございます、語りは須田愛良ちゃんです。大和君が語る予定だったのですが、恥ずかしすぎて言えないようですね。だから愛良ちゃんに語ってもらいました。
彼女の一人称はすべて「私」です。
このお話は:8話 空飛ぶ赤ちゃんと聖娘愛良ちゃん:の続きです。
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読んでいなくても、愛良ちゃんは大和君という青年に好意を抱いている。
だけ抑えていればよいです。彼らは恋人同士ではありません。
ではお読みください。
夢が丘公園に明日谷大和君はいた。私は大和君の名前を呼ぶ。
「あ、愛良ちゃん」
大和君は目を大きく開け、驚いている。勇気を振り絞って声をかけて、本当に良かった。
「大和君、お、おはよう」
同じ「おはよう」でも、英子たちに言うのとは違う。
「お、おはよう、愛良ちゃん」
大和君の顔が赤い。同じ男の子でも、広君はニコニコする。
「ど、どうしたの、よ、予定はあるの?」
大和君がたどたどしく言った。ぬるい風が私と大和君の間に入り込む。
「あ、あの、も、もしよかったら一緒に歩かない?」
「うん」
大和君ははっきりうなずいた。私は大和君の歩調に合わせて歩く。大和君が大股で歩くためか、足が少し痛い。
「あ、愛良ちゃん、ゆっくり歩くよ」
大和君が歩幅を狭め、私は普通に歩いた。
「大和君、私ね、今日、おかしな夢を、見たの」
「もしかして、赤ちゃんを抱いていなかった? あ、あ、変な意味じゃなく」
私は首を横に振る。
「僕も変な夢を見たよ。ウェイトレスが青い人のようなものをぱくって食べて、請求書を出された、愛良ちゃんが払ってくれた。あれがなければ僕たちは今頃、あそこから抜け出せられなかったと思う」
にゃあぉん。私と大和君が振り返ると、一匹の猫がいた。銀に染まり、しっぽに青いリボンがついている。猫はその場にとどまった。
「愛良ちゃん、どこに行く?」
大和君が張り切った声で尋ねる。
「じゃ、じゃあ、遊園地へ行かない?」
「ゆ、遊園地?」
「う、うん」
私はうなずいた。今日は暇なので、二人で遊ぶ良いチャンス。私は大和君と足を合わせ、バスに乗り、晴れ渡る虹の橋、天然記念物がいる夢路湿原、お茶の葉サバンナ、丸いお椀山、どくどく流れる三曽川を過ぎて、遊園地にたどり着いた。
「大和君、汗をかいているの?」
今日は少し暖かい。
「う、うん、6月に差し掛かるし、そ、それに、あ、愛良ちゃんがいるから緊張して」
大和君は私を気遣っている。子供たちが親の手を握り、あちこちで騒ぐ。
「ま、まずは入場券を払って、何かに乗ろう」
「じゃあ、ジェットコースターで」
大和君は震えていた。
「あ、愛良ちゃんは怖い乗り物は好き?」
「うん、大和君は嫌いなの?」
「い……いや」
本当は怖いのかもしれないが、大和君の気持ちを拒んではいけない気がする。私は笑みをこぼし、ジェットコースターに乗る。ガタガタガタと坂をゆっくりと登る乗り物。
「うひいぃ」
大和君が青ざめた顔を浮かべ、逆さUの字型安全バーにしがみついている。私は反対にワクワクする。ああ、頂上にたどり着き、ゆるりと乗り物が下ったあ、スラスラスラっと下がり、上がり、すぐ下がり、ゆるりと上がり、周り、もう終わる。
「ああ、気持ちよかった」
私が両腕を伸ばすと、大和君の口から白い何かが浮き出ていた。私が慌てて何かを大和君の口に入れる。
「は、僕はいったい」
「大和君、無理をしなくてよかったのよ」
彼は首を横に振る。
「じゃあ、次は大和君が好きなところでいいよ」
「いいの? じゃ、じゃあお化け屋敷」
「嫌」
私は首を横に振る。お化けは嫌い。ただでさえ、先日お化けを見たのに、幽霊屋敷だとたくさん見えてしまう。
「愛良ちゃんはお化けが平気だと思っていた」
「私は平気じゃないよ。怖いよ。夢にまで出て来るもん。他ならいいよ、バイキングブランコとか、高速バンジージャンプとか」
大和君は青ざめた表情を浮かべ、首を横に振る。
「ごめん、大和君、やっぱりジェットコースターに乗りたくなかったでしょ」
「自分でスピードを調整できないのが怖いんだ。高所恐怖症ではないんだ。あ、そうだ、あれなら」
大和君は射的場へ向かった。私の片腕と同じ長さのライフルを大和君は構え、的を見つけた。大和君は一呼吸をおき、わずかに震えながら打つ。中心から右斜めに大きくずれていた。
「愛良ちゃんも」
大和君はへへと笑い、私は軽く頭を下げ、ターゲットに目を向ける。手がぶれる。ちょっと、動かないで。どうしてぶるぶる震えるの、重たい。
「愛良ちゃん、辛そうだね。抑えるよ」
大和君の手を握るチャンス!
「お願い」
Do、ドキドキが止まらない、さらに手が震える。大和君の震えも加わり、汗の匂い、あたりが濡れる息。
ワンワン。黄金色に輝く犬がしっぽを振って吠える。首輪に赤いリボンがまいてある。
――ズキュウウウン。
「愛良ちゃん、すごい」
的の中心からわずか左方向に当たった。
「大和君のおかげだよ」
「いやいや、愛良ちゃんの実力だよ」
「じゃあ私たちの実力だね」
私が大和君の手を握って言うと、幼稚園児が褒められるように、彼は大きくうなずいた。
「あれ、愛良に大和じゃん」
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
二人が出会った女の人は誰でしょう。
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