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キラメキDaughters(ドーターズ)  作者: 千賢光太郎
7話 「あなたが好き」言われて断る人は最低だ
27/55

今度こそ愛良ちゃんに告白するんだ、今度こそ、こんどこそ…

語り手は明日谷大和君です。変身をする前の一人称は「俺」です。大和君が変身すると「キラナデシコ」に化けます。そのときの一人称は「私」に代わります。ではきらめく世界をお楽しみください。本日もお読みいただき、ありがとうございます。あなたに良きできごとが起こりますよう、心からお祈りします。

現実世界に戻り、時計を見ると朝の6時になろうとしていた。1時間ほど寝ようと思ったけれど、だるくなりそうだからやめた。あんたはどうだい? 早寝早起きしているかい?


「じゃあ、行くか」


父さんと母さんは朝が早い。俺は窓を開け、父さんたちが出ていくのを見送った。


「大和、起きていたのか。学校に遅刻するなよ」


朝日が木々や屋根を照らす。1時間ほど何で暇をつぶそうか。スマホをいじり、ゲームをする気はない。広に電話をしても、迷惑だなと感じるだろう。


「やまにぃ、起きていたんだ」


桃色のパジャマに身を包む美鈴が声をかける。


「あ、ああ、たっぷり寝たからね」


「やまにぃが座禅をくんで、お坊さんに見える」


気が付けば、俺は胡坐をかいて座っていた。


「学校、遅刻しないでね」


彼女は下へ降りて行った。今日は何をしよう、いや、告白をするんだ。どうやって告白をしようか。まずは愛良ちゃんと二人きりになる。みんなの前で告白なんて、できるわけがない。俺の友達に高山博人(たかやまひろと)がいるんだ。彼は俺らがいる前で、1学年下の女の子に告白をし、付き合っているんだ。人がいる前で付き合えるって、すごいなあ。俺は怖くてできない。

――そりゃ降られたらどうしようって、思うもの。恥ずかしいし。あんたはどうなんだ?




■ 愛良ちゃんに今日は告白できるか


俺はできる、告白もできない『弱い男』じゃない。告白できなかったら、カナセに嫌味を言われるだろう。太陽がかあっと俺を照らす。応援してくれてありがとう。学校へ行くぞ。自転車に乗って、


ポコチーーーン。い、痛い。姉は大声を出して笑う。


「大和、あんた、勢いよく乗って、サドルにちんちんぶつけたの。ば~かじゃないの」


やめてくれ、家ならともかく、外でうるさい声を出さないでくれ。カラスが泣き叫んで、あっちこっちへ飛んで行ったではないか。ちんちんを抑えながら、ヘルメットを着用し、学校に向かう。


「おはよう、大和」


「広、おはよう」


教室にたどり着くと、広が声をかけた。ちんちんの痛みも少しずつ治まる。


「今日は早いな」


「うん、早起きしたからさ」


愛良ちゃんはまだ来ない。小野田英子がやってきた。彼女は友達と話をしている。


「大和、お前が作ったステージ、やっとクリアしたよ。なんであんな鬼みたいなステージを作ったんだ」


「うちの妹が作ったんだよ、あれ」


「すごいな、お前の妹。将来は諸葛孔明になるんじゃないか」


広と俺はゲーム『アクショメーカー』について、話をしている。ステージを自分で作り、自分や相手にインターネットを通して、世界中の人々にやってもらう。みんな面白い舞台を作るから、パズルを解く感覚で楽しめる。


「大和、広、おはよう、あのステージは何だよ、鬼じゃねえか」


俺らの友人、高山博人が声をかける。眼鏡をかけ、背は俺や広よりも高く、やせ形で、バスケ部に所属している。さっきいったように、彼女がいるんだ。


「愛良、いつもならこの時間にくるのに、今日は休みかしら」


英子が時計を見てから5分後にチャイムが鳴った。その後、先生がおっしゃった。愛良ちゃんは高熱にうなされて、2日ほど休むと。ショックだ。と言うものの、ほっとしている。今日の授業はほとんど記憶に残らなかった。後5日後にテストがあるというのに、大丈夫かな。


――(あなたが一言、大和君に言いました)




■ 元気な由良と異世界ランドへ


授業を終え、家に帰り、夕食をとって、宿題を終え。パジャマに着替える。


「2日後、告白するぞ」


「大和君、大和君」


机の引き出しから由良が現れ、俺に抱き着く。顔をすりすり、胸がふわふわ、あそこはむくむく、ぞくっと来る。


「由良、シミ病は治ったんだね」


「うん、大和君が草をとってくれたから、とてもうれしくて」


満月よりもまぶしい光。おや、月から虹が現れているじゃないか。


「久しぶりに月から虹が現れている」


「え、私が来るとき、いつも出ているよ」


由良は俺の手を握る。アルムの世界だと、あまりドキッとしないのに、こっちだと心からキラキラ喜んでいる。


「大和君、少し顔が暗いね。何かあったの?」


「そ、そう?」


「私にはわかるんだ。今から由良が大和君の暗さを吹き飛ばしてあげる」


そういって、由良は俺をアルムの世界へ連れて行った。空はシアンに染まり、星が輝き、木造と石で作られた建物、ガラスは水が張り付いており、どの扉も入り口が光っていた。


「大和君、VDLで遊ぼうよ」


「VDL?」


「ヴァーチャルディファレントランド、略してVDL<Virtual Different Land>。アルムとは違う世界を楽しめるんだよ。大和君たちでいう、ゲームの世界かな」


へえ~と言葉が漏れた。仮想で味わう異世界かな。


「いらっしゃいませ」


サングラスをかけた金髪のお姉さんが頭を下げる。このお姉さん、乙女惑星スピカ<3話参照>で働く人にそっくりだ。


「私たち二人で今から遊びます。はい、キラキラ星」


由良がお星さまの形をした金貨をお姉さんに渡す。


「どのコースで遊びますか?」


「ファンタジーランドで、私が魔法使いで、大和君は戦士」


「そして私は賢者でお願いします」


「愛良、どうしてここに」


由良が驚き、彼女に牙を向ける。愛良はただ微笑んでいる。


「マナテから聞きましたよ。大和様。須田愛良はあなたを大切に思っています。今日は須田愛良として、私ともデートをしてください」


「須田愛良ちゃんはいいけれど、愛良はだめぇ」


由良が両手でバツ印を作った。


「私は大和様に助けてもらいましたの。由良こそひっこんでもらえるかしら」


「嫌だ」


二人は殴り合いを始めようとする。慌てて俺が二人の間に割って入ると、大きな胸がクッションとなり、ぼよんと挟まった。


「二人とも、喧嘩しないで、3人で遊ぼうよ」


「お客様、よろしいでしょうか」


むっとした表情を浮かべ、金髪のお姉さんが声をかける。


「ではこれからファンタジーランドへいってらっしゃい」


うわ、お姉さんが消えた。俺と由良、愛良の服が変わった。な、なんだこりゃ。


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ここまでお読みいただき、ありがとうございます。次回は度どうなっていくのでしょう。

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