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キラメキDaughters(ドーターズ)  作者: 千賢光太郎
6話 由良と愛良がシミ病にかかり、アスレチックで二人を治す
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第二関門:動く橋の板を飛べ

語り手は明日谷大和君です。変身をする前の一人称は「俺」です。大和君が変身すると「キラナデシコ」に化けます。そのときの一人称は「私」に代わります。ではきらめく世界をお楽しみください。本日もお読みいただき、ありがとうございます。あなたに良きできごとが起こりますよう、心からお祈りします。

「カナセ、エンタメンゼンをとったら、お家でたっぷりお仕置きね」


マナテが姉の頬をつねった。


「悪かったって。人間、誰だって油断くらいするだろ」


「言い訳はいいわ毛」


士鶴姫がカナセの肩をお叩きになる。

ガコンゴコン、シャカニュチャと音が聞こえる。縦横斜め高低を行き来する橋を乗り越えなければいけない。このくらいなら飛べば一発と考え、飛んでみた。


「あれ、大きく飛べない」


「どうやら、走って飛んで、仕掛けを切り抜けるしかないようですね」


山に力を封じられたのかしら。


「また一人ずついきましょう。まずは私」


動く木の板に飛びなさった。ロープはない。落ちれば激しい川に流される。


「きゃ」


いきなり足を踏み外し、落ちなさる。私もすぐに落ちる。


「マナカナ、先に行って、私たちは後で追いつく」


冷たい。姫の柔らかい手をつかみ、私たちはどこかへ流される。と思ったら、誰かがつばを吐くように、陸地へ投げ出される。


「落ちたらまたやり直しなのですね」


「大丈夫ですか、ナデシコ、姫様」


マナテとカナセが走り、私たちの手をつかむ。


「ごめんなさい、みなさん、迷惑をおかけして」


「いえいえ、今後は失敗しないようにきちんと観ましょう」


私が飛ぶ。右、右、上、上、下、斜め下でなく上、そんな動き方ありぼっしゃーん。うはあ、また陸地に投げ出される。背中が痛く、体も少し冷えてきた。


「じゃあ次は僕が」


「私も、カナセ一人だとおっちょこちょいだから」


「へ、大丈夫だよおおおおおおお」


いわんこっちゃない。


「マナテの挑発に乗らなければよかった」


「ちゃんと見なさいよ」


私が彼女の手を握る。


「わ、わかってるよ。今後は間違えないから」


マナテはリズムに乗って、軽々と橋を渡ってしまった。カナセも軽々と乗り越える。二人は板が動くタイミングをきっちりつかんでいるなあ。私もよく見てから動かなければいけない。


「きゃあああ」


姫様はまた落ちた。これで10回目だ。陸地へお上がりになると、水とは違うきらめく光を両目からこぼしなさった。


「私は才能がないのでしょうか。皆さまの足を引っ張っているだけですし」


「そんなことはありません。私も姫様と同じくらい落ちていますから。才能がないのは私も同じです。よく見ると、板の動きが規則正しく動いているのです。運に頼るのが最後の渡り板で、そこ以外はすべて、計算で動いています」


目と口をまんまるく開け、私が着る白衣をぎゅっと握りなさる。


「さすがナデシコ、あなたはよく見ています」


「が、合宿で観る訓練を養ったからですよ」


気持ちいいなあ。私の観る力がこんな形で役に立つなんて。私は姫様を抱いて飛ぶ。


「ナデシコ、私は」


「大丈夫です、私と一緒に行きましょう」


マナテとカナセは手を振って踊っている。


「がんばってください、ナデシコ。ふれえ、ふれー」


「落ちるなよ、このカナセが応援してあげているんだからな」


最後になった。右にくるか。左にくるか。私は左に移った。左に板が現れる。さっき、これで間違って落ちたのだ。


「さすがナデシコ」


姫様はぎゅうっと私に抱き着いた。微笑む御姿(おすがた)がなんとも愛くるしい。


「ほら、次行くぞ」


カナセが私の手を引っ張った。

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