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キラメキDaughters(ドーターズ)  作者: 千賢光太郎
3話:夢からいきなり現実に戻されたら、運気が落ちてひどい目にあった
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ダンス教室のDJラム先生(語り:大和へ)

語りは愛良から大和へ戻りますl

一人称は俺、人前だと僕になります。

ではお楽しみください。

午後4時になった。俺は自転車に乗って、海沿い近くのダンス教室に向かう。ペダルが重たい。小学校4年生から週2回のダンス講習を受けている。元から踊るのが大好きで、母が勧めた。何度かダンス大会やイベントにも出場し、いろんな人と知り合いになった。2週間後、大きなショッピングモールでダンスイベントがある。入会者およびダンスイベントの集客を兼ねているんだ。


「YO,ヤマトゥ」

「Hey、Djラム」


ダンスの先生DJ(Dance Joyの略)ラムが声をかける。本名、向井楽太郎(むかいらくたろう)。赤い髪の毛を炎のようにツンツンたて、ゴツい肉体に焼けた肌。いつもサングラスをかけており、目玉から赤い炎が見える。火の中で踊り、炎を出して聴衆者を魅了させる。DJラムの熱意だ。なので、手を握るだけで、俺も一気に汗ばんでしまう。ラム先生から熱意をもらい、気分が高まる。


「先生」

「お前、煩悩たまっているな。そういう時は適当に踊るんだな、1234(イチニサンシ)ーング、燃えろ、バーニング」


先生が腰をキレッキレに動かし、「ヒョオオオ」声を出して、回る。彼が動くと、俺も体を動かしてしまう。理由は今でもわからない。


「DJラムが踊っている。早く参加しようぜ」

「先生、私たちも混ぜて」

「オーケーカッケー風呂オーケー、コイヤ ソイヤ セイントセイヤァ」


先生に合わせ、俺を含む生徒たちが自由に踊る。俺は激しく回る。忘れたい。自分が不幸だという事実から忘れたい。ぽえぽえ7のチケットが取れなかった現実。愛良ちゃんが他の男子と仲よく話をしていたような、自分の嫉妬。醜く燃える炎を熱で溶かし、天井を突き抜けて、炎龍を呼び出しそうだ。ああ、高く舞い上がりたい、太陽を食らいつくしてやりたい。


「みんな、燃え上がったな、さあ、レッスタート」


先生の指導にそって、俺たちはダンスを学び、イベントまでの微調整を行った。


「ダンスは魂だ。心を燃やせば体も自然とついていく。ダンスは生きざまだ。全身全霊を込めて命を懸ければ、音楽はお前を支援する。ダンスは明日への希望だ。命を懸けて表現しろ。そうすれば、きらめく力も発し、人々に愛されるダンサーとなる。いっけええええええ」


巻き舌でラム先生は激しく回った。俺たちもその後に従う。


「ヤマツゥ、忘れちまえ、未来への不安、恨み、嫉妬、すべてダンスに昇華しろくろ首。高く回って天まで届け」


……すっきりした。レッスンが終わり、帰ろうとすると、ラム先生が俺の肩を叩いた。


「ヤマトゥ、お前、今日は消し炭になっていたから、燃やしてやったジェイ。何があったか知らないが、くすんだ気持ちは踊って大声を出セイヤング。俺がお前にアツキ魂をやったからよぅ、後はお前の情熱だけだ。燃えろ。燃えてお前の好きな女の子に告白をしち前田のあっちゃん。されば望む未来をゲッツ星人。俺の知り合いのおばさんが言ってたヨースケサンタマリナ」


ラム先生の言葉、あんたには笑い話、頭のおかしい人としか感じないだろう。でも俺は昔からこういう形で熱き魂を受け取っている。だから心が今、感動して泣いている。


「ヤマトゥ、家に帰ったらお前がどんなことをしたいのか。どうなりたいのか、誰も聞いていなくていいから言葉に出しナン。自分が思っている言葉を声に出すかどうかで、現実は変わるのサブサップ。待ってるぜ、待ってるジェイ、お前の天使が泣きながら待っているシェイ、8時だJ(昔、あったんだよ、そういうタイトルのテレビ番組が)」


俺は返事をした。さっきより声が高くなった気がする。


「いいねえ、いいねえ、その笑顔、さあもう一度ダンシーング」


ラム先生と二人で踊って30分後。ダンス教室から外に出る。お月様がきれいだ。虹が現れないが、気にしていない。ラム先生に気合を入れてもらったせいか、俺はもう一度、今度こそ、絶対、行く。当日、ぽえぽえ7のチケットを取って愛良ちゃんと、愛良ちゃんと出会えたら、いいな。その前に、告白、で、できる。た。たぶん。できなかったらごめん。

お読みいただきありがとうございます。

運気が下がるとき、どんなことがあっても「斜め」に構えてみてしまいます。

そういう時、ラム先生のように踊りながら、何も考えないことで、

余計な思考が省かれ、楽しいことに気づくでしょう。

あなたに良き運があらんことを。


気分がよくなった後、次の話>> では由良が飛んできます。

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