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キラメキDaughters(ドーターズ)  作者: 千賢光太郎
3話:夢からいきなり現実に戻されたら、運気が落ちてひどい目にあった
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大和のいないキラメキDaughters(語り:愛良)

語りは愛良で、一人称は「私」です。

ではごゆるりとお楽しみください。


「愛良」


由良が私の瞳を見る。


「どうしたの、由良」


「あ、あの」

「うああああああん」


泣いている女の子がいた。


「由良、変身よ、あの子よ、師匠がおっしゃった『心が凍えた子』は」

「うん、愛良、行くよ」


私と由良は声を上げ、変身をする。私とアスナは衣装の色が違うだけで、形は同じ。チアガールを連想する服装だ。


「暗き心に明るい光を、キラアスナ」

「乾いた心に愛と潤いをもたらす、キラココア」

「「我ら、キラメキDaughters」」


女の子はどんどん顔が青ざめ、マナテとカナセが気を送って温めている。双子が使う「気」は私やアスナが使う「キラメキの力」とは違う。


「助けて、寒い、寒い、寒い」


「大丈夫です、今、アルムの世界からやってきた私たち、そしてキラメキDaughtersが冷えたものを取り除きますから」


マナテが笑顔をつくり、女の子の手を握る。カナセは険しい表情でうなずいた。


「しっかり気を持つんだ。大丈夫、僕らもついている」

「アスナ、明るい歌を」

「う、うん」


ハートの木の葉が一枚、私たちを引き裂くように落ちる。


「ハッピーラッキーなるりんロード、イエイ」


アスナの声が震えていた。私は「イエイ」を言うタイミングを逃す。


「うあああああああああ」


女の子はますます凍え、空は灰色と黒に染まり、雪が降ってきた。マナテとカナセは女の子を抱きかかえ、三人で体を温めている。


「さ、寒い、寒い。うおおおおおおお」


カナセが体を女の子にこすりつけると、マナテが顔を赤く染めて尋ねた。


「カナセ、どうして立っているの?」

「立つのが悪いのか。僕が立たなければ、彼女を温められないだろ」

「違う、×××(私には聞こえなかった)よ、この子がいる前で言わせないで。後でお仕置き」


マナテが白い息を吐きながら、カナセをにらむ。


「ぼ、僕に言われたって、体が勝手に反応をするんだ」


ジワリ、彼は涙を流した。アスナは吹雪に紛れ「私、私」つぶやいている。このままではアスナが曇ってしまう。今、私ができること。彼女の手を握り、励ます。


「アスナ、私は明るくて能天気なアスナも好き。大和様もそう。あなたの突拍子もない行為にたじろいでも、あなたは元気を与えているの。大和様もあなたと出会い、話をし、変身をして活動をして、元気をもらっている。自分を追い詰めないで。いえ、ごめんなさい。私がアスナを追い詰めていたんだよね」


「違うよ、ココア。私がルールをきちんと読まなかったばかりに、私があまりにも浮かれていたから、こんな事態になっちゃった。私のせいで」


私は彼女にキスをする。アスナをかけがえのない仲間として愛しているからであり、元気を分け与えるためでもある。


「アスナだけのせいではない。私のせいでもある。しょい込まないで。ほら、暗い気持ちを吹き飛ばして、寒い空気を吹っ飛ばしましょ。この寒さは私たちが招いた冷たさ。歌って踊って温かくさせましょ。そうすれば、自分の中にある沈んだ気持も吹っ飛んで、明るくなるから、ね」


私が諭すと、アスナは涙を流し、うなずいた。


「さあさあ、歌って踊りましょう。ハッピーラッキーナルリンリン歌って踊って陽気な気分」


私が笑顔を作り、声を大きく出すと、アスナも続けていった。体を回す、2秒止まる、カチャンと鳴子が勢いよく手を叩く。叩いた先から陽気が女の子たちに伝わる。青白い顔は少しずつ赤みを染め、雪は解け、空は晴れる。アスナは笑った。太陽も彼女を照らしている。


「ココア、私、すごく今、温かいの」


アスナが私に抱き着き、キスをする。お、女の子同士のキスは恋愛と違います。手をつなぐようなもの。特別な意味はない。しかし、私にもとても気分の良い何かを感じた。


「これがキラメキの力ですね」


マナテとカナセがお互いの手を握る。キラメキの力があれば、大和様の未来にも少し、良い方向に影響が出るらしい。確信を持って言えない。でも、ゆったりと温かいこの力は私たちの心配を消してくれるだろう。いや。心配など初めから存在しない。


「大和様にもキラメキの力を」

お読みいただきありがとうございます。

おや、現実で何か動きがあったそうです。

新しい人物が出てきます、いるだけで熱い男です。


次の話>> をタップし、お読みください。

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