説明会
掲示板は結構大きく、冒険者ギルドのにぎわいを映し出しているようだった。掲示板の前の人だかりは、来た時より少し空いていた。
とりあえず、仕事はどんな感じかなと、ざっと見てみると、郵便や商品の配達手伝いから街の外の魔獣の間引き依頼まで、まさにピンキリであった。
思ったより、危険な仕事はなさそうだなぁと思いながら眺めていると、アベルのおなかがぐうと鳴った。同時に町の昼の鐘がゴーンと鳴り始めた。
アベルはお昼は何にしようかと思いながら、掲示板の前を離れた。彼は最後まで彼を見つめている人がいたのに気づかなかった。
お金の都合上、結局宿の安い昼食を食べた後、アベルはのんびり冒険者ギルドに戻ってきた。
そろそろ説明会の時間だなと思い、どうすればいいか窓口で聞いてみることにした。
「すみません、そろそろ説明会だと思うのですが。」
木札を出しながらアベルはそう受付に聞いてみた。
「はい。第一会議室で行います。場所は、階段を上がり、正面のドアとなります。木札と同じ文字の場所に座ってお待ちください。」
教えられたとおり、アベルは会議室に向かった。会議室は十人ぐらい座れる広さで、壁には黒板もあった。席に木札は二つしかなく、また誰もいなかった。
アベルはとりあえず席に着いた。それとほぼ同時に会議室の扉が開いて、猫人族の女の子が顔を出した。彼女はアベルに気が付くと一瞬固まったが、すぐ何もなかったように入ってきて、隣の木札の席に座った。アベルがちらりと目だけで横を見ると、彼女はちょっと上目遣いで睨んでいた。アベルは彼女に見覚えや、何かしたかと考えてみたが、特に思い当たることはなかった。
そうこうしているうちにまた扉が開き、兎人族の女性が入ってきた。
「少し早いですが、今日の説明会を受ける人は集まっているので、開始させていただきます。」
その女性は、黒板の前に着くとそう切り出した。どうやら今日の説明会の担当の人らしかった。
説明はアベルが思っていたより簡潔だった。
まず、冒険者ギルドに登録すると、各種サービスを受けるとともに、二つの義務を課せられることが説明された。第一にギルドの緊急招集には応じなければならないこと、第二にギルドがある街に行った場合、ギルドに到着報告をすることであった。また、ギルドに不利益な行いを行った場合は、担当支部長の権限で各種処分、場合によっては登録抹消や永久追放などの処分もあると説明された。
次に、登録者にはランク制度があり、星の数であらわされることが説明された。星は初心者のなしから初級の一から二、中級の三から四、上級の五以上となっていた。このランクは基本的に同等の依頼ランクを十件成功させることで上がるが、一つ下のランクなら五分の一、一つ上のランクなら二倍で換算されることも説明された。
依頼はランクごとに並べられて掲示板に掲載されることが説明された。また、依頼によっては失敗時に違約金などの罰則が付随する場合があるので、注意することも説明された。
また、冒険者ギルドには大抵資料室があり、貸し出しはしていないが閲覧は自由にできることが説明された。
最後に一応ランク判定も兼ねた適性試験を簡単に行うことが告げられた。
「ここまでで何か質問はありますか?」
「はい! 剣士とか魔術士とかはどうなっているんですか?」
隣の猫人の子が勢いよく手を挙げて質問した。
「基本的に自己申告です。誰が何をどの程度できるかは、人それぞれですので。」
それを聞いた猫人の子は、目をキラキラさせていた。
他に質問はなかったので、裏手の広場に移動して適性試験を行うこととなった。




