扱いきれない感情
少し書き直しです。エロ小説に毒されてしまい作風と合わなかったので
少し軽い感じにしました。恐るべしエロ小説
私はお見舞いに来てくれた田口くんにお出しするお茶を台所で淹れながら
彼にどうおねだりするか考えますが良い言葉が探せずに困ってしまいます
このままでは彼は お茶を飲んで少しすれば帰ってしまいそうで
このままおねだり出来ずにいたら そう考えると気が焦るばかりなのです。
優しい彼の事です。私の体調を気遣ってお邪魔にならない様にと
早く帰ろうとしてくれているのは分かるのですが・・・
でもせっかく来てくれたのに 充分なおもてなしもまだですし
今日学校で一緒に居られなかった分は 傍に居て欲しいと感じるのです。
そして昨日の途中で終わってしまった恋人気分の続きを
もう少しだけでも味わいたいと思うのです。
初めて彼に出会ってから まだ数日しか経っていませんが
私は自分でも驚くくらい彼に惹かれており 彼との「今まで」が無い私は
彼との関係を少しだけ焦る気持ちがあるのは否めません。
でも仕方がないのです・・何故なら・・
「これって くまのパディントンだよね?沙智の家で読んだよ」
私の部屋でクマぬいぐるみを見た彼が 私に笑顔で伝える言葉を聞いたとき
昨日水族館に行く前に通り道で出会った 彼と仲良くはしゃいでお話をする
彼の元クラスメイトの女の子に対して感じた焼き餅とは 比べられないくらい
私の胸の奥は強い嫉妬で埋め尽くされたのです。
その感情はとても苦しくて 心が締め付けられるような感じになり
あまりの息苦しさで胸が詰まるような気持ちになりました。
そしてそれは水族館で出会った沙智さんと友美さん達に 彼がフードコートで
みんなの分の注文を受け取りに行っている時に聞いた話が原因だと思うのです。
「志村さんも パディントン好きなんだ?」と
笑顔で聞いてきた友美さんに私もぎこちなくでしたが笑顔で頷くと
それを聞いた沙智さんが とても楽しい思い出を語る口調で
去年の夏休みのある日 彼が沙智さんのお家に遊びに来て
一緒にカーペットの上に寝そべって二人で並んで絵本を読んだ事を
とても嬉しそうに語りだしたのです
彼と私の関係を二人に きちんと伝えていなかった事もあり
私もどういった態度をすれば良いのか分からずに 曖昧な表情をするしか無く
それ以外にも 彼が色んな女の子と二人きりで遊んでる話を聞いた時には
勝手に自分が彼の初めてのデートの相手だと思っていた事もあり
胸の奥がどうしようもなくモヤモヤして苦しくなったのでした。
彼が余り男女を意識していないタイプなのはわかるのですが
それでも胸のモヤモヤは どうしても抑える事が出来ないのです。
そして彼が私にしてくれる優しさの ほんの一部でも
他の女の子にも向けられていると思うと 私の心は酷く掻き乱されてしまい
自分でもどうする事も出来ないのです。
後になって振り返って考えれば 多分ですが慣れていなかったのだと思います。
全部初めてだったから 恋も 嫉妬も 欲望も
そんな自分でも扱いきれない感情を持て余していた私はこの時
彼に抱きしめられているという安心感を求めていたようにも思います。
ただその気持ちを彼に言葉で伝える事が気恥ずかしく
水族館で腕を組んだ時のように この時も強引にいく事にしてしまったのでした
抱っこして欲しい為にソファーに座る彼の その前に立つと 自分の浴衣の裾に
足を取られて転ばないようにと捲っていると そんな私の前で座っていた彼から
「志保子さん もしかして・・抱っこして欲しいの?」と言うその声で
自分がとても恥ずかしい格好をしている事に気づいたのです。
彼の言葉に我に返り気恥ずかしさで頷く事しか出来ない私を
彼は立ち上がって腕を回し 優しくお姫様抱っこのように抱え上げると
その膝の上に私を横座りで座らせた格好でソファーに腰を降ろしたのでした
そうして「志保子さん 浴衣の裾を少し広げるね」との
彼の言葉に頷いたのですが・・・
「もうその辺で大丈夫なんですけど・・」と思いながらも
その彼の手を止める間もなく どんどん浴衣の裾を捲られて
私の下半身は下着代わりの湯着すらも捲られてしまったのです。
胸一杯に広がる羞恥心と緊張と不安とで心が溢れそうになってしまい
私は恥ずかしさで 多分ぐちゃぐちゃの表情の顔を隠すために
目元を自分の腕で隠し 彼の大きな手に自分の身体を触れられながら
その温かい感触にぼんやりとした感じになってしまいます。
このままその温かい感触に流されてしまいたい気持ちもあったのですが
自分の知らない「先」に進んでしまいそうな不安に怯えを感じ
「文くん・・抱っこ」と 初めて彼の名前を呼びつつ
ぎこちなく両の腕を伸ばすと 彼は私を抱きしめるような感じで引き寄せてくれ
きちんと向かい合う形で その膝の上に座らせてくれたのでした
でわ次回で