あと少しもう少し それが僕の原動力
悪い田口くんのお話です
「おじゃま・・します・・」
彼女の言葉に僕は むしろお邪魔しているのは僕なんだけどと思いつつも
顔を真っ赤かにしながら俯いてる 彼女の美しい顔をしげしげと眺め
下手に「何してるの?」と聞いて 辞められても困るのでお口にチャックをする
そしてこれは一体どういう事なのか考える
確かに僕達はお付き合いをしており デートイベントも途中で邪魔が入ったが
きちんとこなしてはいるものの ドラクエでいえば「てつのつるぎ」を装備する
LV10くらいになった段階である
こんなに早く「ロトのつるぎ」を入手するレベルのイベントが起こって良いのか
彼氏レベル12になったばかりの僕には判断がつかないのである
すると彼女は裾を摘んでいる白く華奢な右手を 裾を摘んでそのまま
身体をもう少し屈めて自分の右足の膝小僧の後ろに回すと
右足を持ち上げてソファーに足を置こうとしているのが見て取れる
それを見て僕は 彼女の右足を引き摺るようにして歩く姿や
学校の椅子やソファーに座る時に 危なかしく感じていた事を思い出しながら
もしかして?と自分の思いついた事を聞いてみることにした
「志保子さん もしかして・・抱っこ・・して欲しいの?」
見当違いだったら恥ずかしいので少し小声で尋ねると
彼女は僕に視線を合わせて 膝小僧の後ろに入れていた手を外し姿勢を戻して
気恥ずかしげに頷くので「やっぱり・・」と思い微笑んで自分も立ち上がる
裾をあげてたのは足をソファー上げる時と僕の太ももに座るときに
旅館浴衣の裾が邪魔にならないようにする為だったようだ
そして自分がこれから彼女に伝える言葉に照れくささを感じつつ
「志保子さん 僕の首に両手回して掴んでくれる?」とお願いしてみる
彼女は俯いたまま 赤く染まった頬を更に赤く染めつつも 小さく頷いて
浴衣の裾を摘んでいた指先を外して 僕の首筋に腕を回してくるので
小柄な彼女が手を回しやすいように 僕は少し彼女の方に姿勢を屈める
彼女の細い腕が僕の首筋に回り その柔らかい頬が僕の頬に当たるので
更に照れくさくなったが なるべく声が上擦らないように気をつけて
「今から志保子さんの事を持ち上げるから 腕を離しちゃダメだよ」
と伝えると 僕の頬の横で志保子さんが頷いたのが分かったので
彼女の背中に左手を両足の膝小僧の後ろに右手を入れると
お姫様だっこのようにして彼女の身体を持ち上げる
小さく悲鳴をあげる彼女を もっと鳴かせたくて意地悪したい気持ちを
何とか我慢しつつ しっかりと抱え上げる
鳥の羽のように重さを感じないという事は もちろん無く
それなりの重さは感じるが それでも充分に軽い身体をしっかり抱えて
ゆっくりとソファーに腰を降ろす
僕の太ももの上で横向きに座っている彼女を
前向きに座り直させるために 膝の下に入れていた手を抜きながら
「志保子さん 浴衣の裾を少し広げるね」と
彼女に声を掛けると 僕に回してる腕に少しだけ力を入れてから頷くので
旅館浴衣の膝のあたりに手を入れると その下の湯着も一緒に摘んで
少しずつ捲っていくと 先程も見えた白い柔らかそうな太ももがまた顕になる
そして本当はもう充分に捲れてはいたのだが
「あと少しもう少し それが僕の原動力」のノリで
先程彼女が捲って見えてた白く柔らかそうな太ももの 更にもう少し上の
パンツの色を確認しようと バレないように少しずつ裾を捲っていくと
多分きっとついうっかり太ももの付け根辺りまで広げてしまい
慌てて戻そうとして ふと不思議な事に気がついて彼女に尋ねてみる
「志保子さん・・あの・・下に着けてないの?」と耳元で呟くと
僕の声に彼女はとても慌てた様子で 右手を伸ばして隠そうとするので
「動いちゃダメ!」と囁くと その動きを止めて僕の耳元で
殆ど泣きそうな声音で小さく
「湯着を代わりに・・」と消え入りそうな声で呟く
そういえば湯着は今のパンツなどの西洋下着が入る前は
湯文字や褌等の着物下着のように使われていた事を思い出す
そして僕の耳元で「あ・・あの・・」と泣き声で呟く彼女に
「喋ってもダメ!」と囁くと 彼女は口篭って大人しくなる
そして僕は時代劇で悪代官と悪巧みをする越後屋の表情よろしく
口元に悪い笑みを浮かべながら 彼女のあらわになった太ももに
自分の手をふれさせるのだった
でわ次回で