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無職くんと薬剤師さん  作者: 町歩き
するまでが とても長すぎる決意
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カンガルーのロジャーくん

とりあえずだが侵入され難くなった玄関扉を見て少しだけ安心する。


これで良くある扉を頑張って抑えていたが結局押し切られてしまい

仰向けの体勢で侵入してきたゾンビとかを見て「あわわわ・・」と

恐怖に顔を歪ませて震える声を出しながら 言わずに済むというものだ


あれは美少女だから絵になるのであって 私では需要が無いのである


「スカートでも履いてみるか・・」と思い

いや違うな と思いなおす。論点はそこではない


気を取り直し地図を見直して工務店などの場所を確認しておく事にする。

このアパートと同じ壁の外壁素材があれば 工務店から運んできて

それを薄く加工して扉の外側に張り付ければ カモフラージュにはなると思う

それが壁っぽく見えれば良く似てれば良いのである 


相手の知能レベルによるが 良くあるゾンビクラスなら充分に平気そうである

茶虎クラスなら余裕でさえある あと色々と使えそうな物があるかもと思う


他にも自宅のそばに何かの工場らしきものがあり そこの敷地に一杯ドラム缶が

積んであったのを思い出し 土嚢ならぬ水嚢を作ることも考える。

運んでくるのも転がしてくれば良い 音がちょっと心配だが


土嚢袋もあれば作っても良いのだが 中に詰めるものを何処かから

運んでくるのも面倒であり 積むのだって一苦労である

出来るだけ楽に最効率の効果を求めるのが一番と考える


勇者のパワーも魔法の力も持たない無職の私である。

出来る範囲で出来る事を考えるべきなのだ


完璧さも求めてはならない 何故ならどんなに知恵を絞って頑丈にしても

それを超える力が加えられれば意味がないからである。

私個人で出来る範囲の行動で 大げさだが弾道ミサイルとか飛んできたら

付近一帯火の海で対処のしようが無いのである。


このくらいで の精神が大事である 

ただ「こんなもんで大丈夫!」の考えは 大体「死亡フラグ」なので 

絶対の大丈夫ではない事を 念頭においておくべきだと考える


同じように場所への拘りや執着も捨てるべきである。

「ここしかない!」という考えは「ここまでか!」に繋がるのだ


明日このアパート以外の場所に 良い拠点が築ければ良いのだけど

そんな事を考えながら さらにもし侵入されたらどうするか?を考える。


茶虎クラスの敵ならば わたしのメガトンパンチで木っ端微塵にしてやるのだが

あの程度の輩に敗北するほど 人類はお人好しではないと思う。


そして私は以前まとめサイトでみた「カンガルーのロジャーくん」の

「次はお前の番だ!」と言わんばかりの立ち姿を思い出す。


オーストラリアにあるカンガルー保護区で飼育されており 飼育員が手渡した

金属製のバケツを素手でぺしゃんこに潰したり ロジャーくんが保護区に訪れた

お客さんから貰ったウサギのぬいぐるみを 飼育員が悪戯心で触ろうとしたら

その飼育員をボコボコにしたりと 保護する必要性があるのか悩むほどの

傍若無人ぷりを発揮している雄のカンガルーの事である。


見た目も恐ろしく筋骨隆々で威厳に満ちた風貌をしており 

かつその瞳は悲しみを知る者の目であり ボスの座を狙って挑戦してくる

ほかのカンガルーをボコボコにして元気に暮らす その生き様は


「カンガルー界のラオウ」と 呼ばれても可笑しくないレベルである。


「ロジャー君」と呼んだが 実際に出会ったら「ロジャーさん」と

尊称と敬語を使うことを余儀なくさせるほどの威圧感があるのだ


あんなのが入ってきたら文字通り「勝てる気がしない」というやつである。

「出現した時点で終了です」まである。

そう考えるといささか不安になってきた私は 更なる思案に耽るのであった。




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