出来れば人目につかない方へ
第一章だけで120話前後にまで話数が膨れ上がり
少し修正に手間取っています
下書きという名の粗書きの時点では20話前後だったのですが・・
「文は志保子を仲間に加えた」
そんなドラクエ風なセリフを思い浮かべながら
これからゲームで女性キャラに名前をつけるときは
「志保子」に決めた!などと勝手なことを考えつつ
さて何処に行くかと考える。
僕一人なら何処でもいいのだが 今は右足が不自由な志保子さんが
一緒であり なるべく近場が良いのである。
校外より校内の方が良いかと思いながら周囲を見渡す。
出来れば人目につかない方が良い
何故なら誰かに見つかって冷やかされても 困るどころか嬉しいのだが
これが先生だと早く帰れと促されて
楽しい時間を強制リセットされてしまうからである。
出来れば志保子さんが嫌がる一歩手前まで粘りたい
そんな邪な思いを嘲笑うように 小学校はどこもかしこも見通しが良いのである
何も起きないように よく見渡せるように
何かあっても すぐ見つけれるように
そんな設計思想で作られているのだから当然といえば当然である。
しかしそこは色んな漫画やアニメをみている僕である。
その常人には計り知れない英知でこんな風に考える。
「見えないとこは無理でも見えにくい所ならある」
たしかコナンくんだったか金田一さんだったかで
「密室がなければ密室を作りあげる」と
言うお話を思い出して それを参考にしてみたのだ。
「ちょうど通り沿いに自動販売機もあるしな・・」と思い
志保子さんを校舎の横に付いてる 鉄筋コンクリートの非常階段へと誘う。
校舎の横へ なるべくゆっくりとした歩調で歩きながら
「志村さん 階段とか平気?」と聞くと 彼女はちょっと俯いて
「急じゃなければ・・後 ゆっくりなら」と
少し申し訳ない感じで返してくる。
「大丈夫だよ 急じゃないしゆっくり登るから」と伝えると
ほんの少し緊張気味の顔を綻ばせてくれて ありがとうと小声でいってくれる
僕は頷きつつ 通りががりの自動販売機で 午後茶のミルクティーを買うと
志保子さんに「志村さんは 何が飲みたい?」と尋ねる
慌てて彼女はお財布を取り出そうとするので 軽く手をあげてそれを止めて
「今度またこうやって二人で話すときにお願い」と伝えると
彼女は俯いていた顔を驚いたような表情であげると一つ頷き
「ご馳走になります 次 お返しします」と
ぎこちない感じではあったけど はにかんだ笑顔で答えてくれた。
百円ちょっとでこの笑顔見れるなら 安いもんである
「よし次の約束もうまくいけば取り付けられるかも!」と考えつつ
「良かった少しずつだけど五時間目までの関係に戻ってる」と思い
僕は少し・・・いやかなりほっとする
そうして僕と志保子さんは 校舎横の一階と二階の間の
非常階段の踊り場に腰を掛けたのだった。
でわ次回で