表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無職くんと薬剤師さん  作者: 町歩き
するまでが とても長すぎる決意
15/126

決して忘れる事が出来ない笑顔

レクレーションルームの コルクボードに所狭しと貼られた

写真に適切かつ健全な処理を施した 私は液晶テレビの方へと足を進める。


Uの字に並べられたソファーの横を通り テレビの前に立ってみると

離れた所で見た時は 我が家のテレビの二倍くらいかと思ったが

こうやって近くで見ると 下手すると三倍くらいはありそうに見える


ウチのテレビが30インチだから確か「1インチ=2.54cm」で・・と暗算し

76cmくらいかと考えながら その三倍近いサイズの このテレビは

90インチ(228cm)くらいはありそうである。

このサイズだと確かホームシアターとでも呼ぶのだろうか


「生意気な・・」


おっといけない!沸き起こる憎悪で うっかり暗黒面に落ちてしまいそうな

気持ちを何とか落ち着かせ ソファーに腰を降ろしテレビのモニターを眺める


春アニメでやっていた 毎週楽しみに見ていたフルCGアニメの

「シドニアの騎士 第九惑星戦役」を こんな大きさのモニターで

しっかりと鑑賞出来たら良かったろうなとしみじみ思う。


一期を見てその余りの格好良さに好きになり 原作全巻を購入し読んで思ったが

キャラは立ってるし 何よりも衛人と呼ばれるロボットの挙動やら何やらが

大変素晴らしく原作の良さをさらに引き立てる。良いアニメ化だったと思う


特に衛人の出撃シーンは 何十回も再生して見入ったくらいに最高であり

戦闘シーンがカッコイイけど少し地味みたいな ちょっと残念な所はあったが

三期も是非やって欲しいので 出来れば円盤を購入したかったのだが

そこは無職の身の上 原作全巻と衛人のプラモデルを買って我慢する事にした。


そして出てくる女の子も そういえばみんな可愛らしかったなと思う。


星白閑     主人公におしっこを飲ませる。

科戸瀬イザナ  むくれた顔が最高 最近巨乳化 ナチュラル暴行犯

緑川纈     職権乱用ジト目が最高「各機散開!」の声が痺れるほど素敵

仄焔      主人公を肘鉄や扉ごとキックで血だるまに 

科戸瀬ユレ   ロリ婆 主人公に頚椎爆破か強制労働かを強要

白羽衣つむぎ  人外 長い 伸びる SE音 でもかわいい


出てきた女の子達の特徴を それぞれ思い浮かべると 

多分可愛らしさが 上手く伝わらなそうなのが残念である


キャラクターデザインの好みもあったと思う。

宇宙がメインのお話なので みんなヘルメットを被る事を前提として

髪型が大体 私の好きなセミロングやショートボブなのである。


そういえば何で私はセミロングが好きになったんだろうと思い考える


思い出そうと目を閉じて記憶を探る。

人間は嫌な事の方が記憶に強く残るものなのか

ハローワークの職員の 人を小馬鹿にしたような態度や表情を

失職後 面接にいった企業の人事に 言われた嫌味などが最初に浮かんでくる


気分が悪くなる。 

また睡魔が襲って来るが我慢して 記憶をゆっくりと焦らず掘り起こす 

落ち着いて 大学 高校 中学と 順に 良かった事も 良く無かった事も 


記憶は普段は単体で思い出す事が多いと思う。

例えば試験の時に 公式や英単語を思い出そうとするように


今回はそれとは違って 少しずつ巻き戻す感じで一つ一つ思い出して見る 

そして幼い頃は あれになりたい これもやりたいばかりだったのに

何時の頃からか これは無理 それはやりたく無いになってたなと思う

現実を知り 限界に気付き 現状と妥協する

きっとみんなそうやって 大人になるんだろうとは思うけれど


記憶を少しずつ少しずつ巻き戻しながら 目に浮かぶ当時の友人達や

クラスメイトの顔は目元が影になっており どうしても思い出せない。

どんな感じの人柄で どんな風に遊び どんな事で笑いあったかは

こんなにも鮮明に思い出せるのにと もどかしさを感じる。


外から聞こえたセミの声に 記憶の一部が刺激される

セミの鳴く声 夏の暑さ 空に浮かぶ白い雲 

隣に置かれた氷が溶けて 薄くなったカルピス


そしてどんなに時間が経っても 決して忘れる事が出来ないあの笑顔

そうして思い出す


「あぁそうか・・志保子の髪型だったからだ・・」と







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ