自衛隊のお兄さんの笑顔
「誰かと相談とか出来れば良いのだけれど・・」
普段なら一人でアレコレ考えて悩んでいる事は、面倒でも嫌いでは無く
自分でボケてはツッコンで頭を捻って、何とか答えを見つけ出す事が多い私だ。
まあそれが社会的に正解か?は、ともかくとして。
むしろ誰かと話をすると「いや・・ハロワ行けよ・・」等と、言われるので
気が楽で良いのだが、今回の様な場合は流石に誰かと話し合いたいと思う。
出来ればというより絶対に自分より頭が良いやつがいい。
せめて同等がくらいが良い。私クラスなら三人も集まれば地球がやばいレベル。
そして避けたいのが馬鹿である。何故なら余りに馬鹿だと
何故そこを考えるのか?から、説明しなくてはならず逆に面倒臭いからだ。
しかも納得するかは別問題で、さらに面倒臭い。
アニメやゲームや漫画なら冒険者の酒場とかで、自分に必要な能力を持った者達
とパーティが組めるのだが、ここは現実で、しかも今のところ生きてる人に一人
も会えていない状態である。
そう考えると先ずは生きてる人が居そうな所に、向かう必要性があると思う。
そこで仲間を集めるか?は また別問題だが、少なくとも寝ていて
現状一体何が起こったのかすら分かってない私よりは、情報を知ってそうである
もしかして私もバ・・と思ったが気が付かなかった事にする。
そして「何でそんな事も知らないの?」と聞かれたらどうしよう・・と考える。
まさか熟睡して居てとも言いづらいしな・・
まあ上手くはぐらかせば良いかと思う。
避難場所ならある程度見当がつく。震災の時に自分も一日だけお世話になった
のだ。指定避難所である学校の体育館や公民館などがそれに当たる。
そういえば阪神淡路大震災の時は、避難所として指定されていない。
警察署や市区役所、病院などに避難した人達がいて、事実上、初期防災や救助
活動等の障害となる事もあったらしいが、被災者であるため、指定避難所への
移動を頼む事が難しかったらしい。
溺れる者は藁をも掴むという事だが、知っておくべき事を知らなかったが為に
起こった事でもある。
それに指定避難所なら防災倉庫もあるので物資の補給も出来そうである。
防災倉庫とは自然災害が発生しても、被害を受けにくい場所と被害を受けない
構造をしており、色々な物資が保管されている倉庫である。
私も震災時に、自宅のそばの久慈中学校の体育館に避難はしたのだが、
人が一杯の場所で眠れずに、仕方なくタバコを吸いに外に出た時に、
不寝番をしていた自衛隊の方とお話をする機会があり
その方に聞いた話では色んな物が保管されているらしい。
地域によって多少の違いはあるらしいが、主にこんな物が保管されている。
非常用食やテントや簡易トイレ、毛布や医療品、コンロ等の調理器具は勿論
土木用品のシャベル、ツルハシ、ハンマー、バール、リヤカーなど
他にも発電機や浄水器、給水タンク等もあり それ用の燃料も保管されおり、
「市民の皆さんが、なるべくですが不便にならないようにしてあります!」と
教えてくれた隊員さんの精悍な笑顔は「兄貴・・・」と言いたくなるくらい
格好良く素敵なものであった
なので余り政治的な話はしたくないのだが、そんな風に私達被災者を仕事とは
いえ一生懸命に助けてくれた、自衛隊の方達を、やれ憲法違反だとか戦闘集団
だと大騒ぎして嫌がらせする人達を、私はどうしても彼らの考えに同意も、
彼ら自身も好きにもなれないのである。
「で・・誰にいくら貰ってやってんの?」と聞きたくなるくらいである。
そして殆どの人が共有する価値観であるお金に釣られてならまだしも
これが戦いは良くないな思想や好き嫌いなら、馬鹿すぎて話にならないと思う。
嫌いな嫌な戦いをしなくて済んでるのは、彼らが守ってくれてるからなのだから
それすら想像出来ないのはさすがに不味いと思う。
そんな事を考えながら地図に引かれたルートに、避難所がありそうな久慈小学校
を加えると、次に仲間や同行者にはどんな人が良いのか考えるため
私は地図を見ながら考え込むのだった。