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無職くんと薬剤師さん  作者: 町歩き
するまでが とても長すぎる決意
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罵られ邪魔者扱いで必要なかったとしても

第一章は此処までとなります。

決意するのにどんだけ時間が掛かるんだと思う方もいらしゃると思いますが

英雄でも勇者でも無い ただの人が危険な場所に立ち向かう決意するには 

それなりの時間や動機が必要だと私は思い 多分ですが「なろう」の

読者層には合わないのを承知しつつ書き始めました

アンチ異世界ハーレムチートでは決して無く(オーバーロード好きです)

でも一つくらいこんな話もあっても良いような気もするので

もし宜しかったら第二章の方もよろしくお願いいたします





何が起きたか分からないけど、何か起きてる世界から帰還し

取り合えずは安全を確保出来た私は、熱いシャワーを浴びながら、

無職になってから久しぶりの長い外出で汗をかいた身体を流しつつ、

止めどなく溢れる志保子との追憶からやっと目が覚める。


私は身体をボディーソープで洗い、シャワーのお湯で洗い流されるソープの

泡を眺めながら、胸の奥から湧いてくる忘れよう忘れるんだとずっと思ってた

志保子との記憶が、全く流す事も忘れる事も出来なかった事に気が付く。


浴室を出て濡れた身体をタオルで拭きながら

着替えを済ませるとテーブルの前に腰を下ろす。


雨が降ってきたようだ。少しだけ雨音が聞こえる

彼女の教えてくれた和歌で好きになった雨。


思い出していた、その記憶の中の二人で楽しく話した会話や

この手で触れたあの白く華奢な肢体を思い出す。


あれほど愛おしんだ彼女と別れてから、もう彼女と過ごした五年間は

とっくに過ぎてしまい、七年も経っている事が不思議なくらい鮮明に浮かぶ

彼女の柔らかな声音と口調に胸が締め付けられるのを感じる。


そして彼女に、ずっと何時までも一緒に居るよと伝え 

貴方を大切に守ると誓ったのに、結局は手放してしまった事を思い出す。


今、彼女がどうなっているのかは分からない。

何かがあって避難して無事なのか、それとも・・もう・・とも考える。


もし無事に避難して、そして私の手助けなど必要ない

誰かしっかりした人が彼女の傍に居るのかも知れない。

彼女の美しい姿や、年齢的にも結婚し子供が生まれているかも知れない。


私の姿を見て・・そんな風に思いたくはないが

今更、何しに来たんだと思われるかも知れない。

もしかしたら自分の事を気がついてももらえないかも知れない。


そう思っていたから、東京からここに戻ってきた時も。その後も。

彼女に会いにいく事に、私はどうしても躊躇してしまい

足を踏み出せなかったのだ。


自分だけが、彼女の思い出に縛られて前にも後ろにも進めずにいて

彼女がそんな自分とは違い何も思っていなかったらと思うと

胸が苦しくなり一晩中寝られなかったくらいだ。


それでも・・と思う。


罵られても邪魔者扱いでも必要なかったとしても、彼女がもしも困っていると

仮定するなら、当時の果たせなかった約束を守るためにも、彼女が今どうなっているのか、私は確かめなければいけないと考える。


もし・・もしも私だけが、

この誰も居なくなった世界で生きている、たった一人なのだとしても。




一応は第四章まで書いてあるのですが、どんどん書き足しては消しての

繰り返しになるので 二章の方は読み直してから投稿の方させていただこうと

考えております。多分ですが今日から数日後に投稿し始めたいと思います


では二章で


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