休息
日本時間 9月4日 8時32分 シーミスト王国 自衛隊医療テント
シェリーは寝返りをうった。
そして、いつも寝ている兵舎のベットでないことを自覚する。
「は!、ここは..どこなの?」
確か、昨日の戦いで緑の変な奴に逃げろって言われて城に逃げたら思いのほか受けていた傷が深く気を失ったはずだ。
だが、どう見てもシ-ミストの医室ではない、ここはどこだろう?。
「ああ、起きたのね、どう具合は?」
突然かけられた声にシェリーは驚き、ベットから飛び出してしまう。
その時、腹のあたりに激痛が走り意識が遠のきそうになる。
「ごめんね、びっくりさせちゃったかな?」
さっき、声をかけた緑の格好をした変な奴が慌てて駆け寄ってくる。
なぜか、迷惑をかけた気がしてしまい、口から出そうになった罵りの言葉を必死に飲み込む。
その時、場に似合わない眠たげな声が響く。
「どうしたの~、なんかあった~?」
と言いながら、近寄ってくる。
よく見ると昨日、逃げろ、と自分に言った奴であった。
「あ、自己紹介まだだったね、俺は宮本真志だよろしく」
と名乗れと言ってもないのに勝手に名乗り始める。
「ほら、玲奈ちゃんも自己紹介しないと」
「2尉ちゃん付けで呼ぶのやめてください..私は荒川玲奈よろしく」
とシェリーは気になったことを聞いてみる。
「私以外のものはどうなった...?」
玲奈と名乗ったものは、笑顔を浮かべて言った。
「だいじょうぶ、みんな助かってるわ」
そして、もう一つ気になったことを聞いてみた。
「あなたたちは、何者?」
真志はさも当然といった様子でこう告げた。
「自衛隊さ」
龍雅は異世界の国の大地を踏みしめている事をいまだに信じられていなかった。
「はぁー、なんか面白いことないかなー」
学生のような発言であったが、今は聞くものがいないので良しとしよう。
その時、陸自の医療テントからなにやら会話が聞こえてくる。
おもしろそうなので、とりあえず行ってみる事にした。
「なにやってんだ?」
突然の幹部自衛官の登場で、真志以外のものは一瞬固まった。
いち早く復帰した玲奈が敬礼する。
「おー龍雅上陸してたのか」
と軽口を真志が言う。
すると玲奈が真志を窘めるかのがとく言う。
「ちょと2尉!、兄弟だからといってそんな軽口は...」
その言葉は、途中で遮られた。
「いいよ別に、特にきにしてないから」
「そうですか...」
そして、龍雅は真志に伝えるように言われたことを思い出す。
「あーそうだった真志、偵察任務に出ていたものは全員休暇だそうだ。喜べ1週間だぞ、1週間、日本で過ごすもよし、こっちで過ごすもよしだそうだ思う存分楽しめ」
「もしかして、お前も?」
「だから言ったろ、偵察任務に出ていたものは休暇だと、もちろん俺たちもだ、だが艦を野放しにはできないからこっちで過ごすことにながな」
やることは真志も決めていた。
別国にきてやることといえば....。
「じゃあ、のんびり観光すっか」
「じゃあガイドが必要だな」
全員の視線がシェリーに注がれた。
「君、名前は?」
おずおずと答えた。
「シェリー、シェリーレクティス」
「シェリーちゃんか、突然で悪いけどガイドを頼めるかな?」
真志が玲奈に尋ねた。
「何日くらいで歩けそうになる?」
「1週間では無理ですね...」
絶望的な報告が上がる。
慌てて玲奈が言う。
「けど、車椅子ならいけますよ!」
その言葉を聞いた、真志が目を輝かせる。
そして、さっそく打ち合わせに入った。
「明日の9時からでどうシェリーちゃん?」
「まあ、いいですけど...」
「ウッシャー、決定だね」
こうして、異世界観光が始まったのである。