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wars world 自衛隊戦記  作者: ほわいと
14/24

故郷 中編

アメリカ合衆国 ワシントンD.C ホワイトハウス


「どうだね、中国とロシアの動きは?」


大統領は調べるように言っていたことを聞く。


「はい、どちらも不穏な動きをしています」


国防長官は深刻な顔で報告した。


「すぐにでもターゲットに危害を加える可能性も捨てきれません」


しばらく、考え込んでいた大統領は何かを思いついたように顔をあげた。


「ターゲットを警護してはどうかね」


その提案はこの場に集まっていた面々の口をあんぐりと開けさせた。


「わ、我々にどんなメリットが?」


震える声で国防長官が言う。


「もし、警護が成功すれば、今よりも多くの情報がもらえるやもしれん、しかもあっち側の人間がどんな奴らなのかを確かめることもできるだろう」


その説明を聞き、ようやく納得した様子でみんな頷く。


「では、日本政府に伝えてくれ」

「我々はSEALsをそちらに派遣したいとな」


大統領は椅子に腰かけ深々とため息をつき、こう言った。


「なにも起こらなければいいが.....」



岡山県 岡山空港


「久しぶり....親父」


シェリーとパティが、え、この人が、といった表情をする。


「よう、元気にしてたか?」


と笑顔で言ってくる。

まったく、十年前と変わんないな。


「見慣れない子を連れているけど、どうしたんだ?」

「あはは、ちょっとお隣の外国人から世話頼まれたんだよ...あははは...」


苦しい説明だが、ふーん、と少し疑った後、納得したのか二人から目を離した。


「まあ、なんだ寒いし早く車に戻ろう」


車に乗り込むとエンジンはかかっており、とても暖かかった。


S市に向けて走り出すと、二人ともはしゃぎ過ぎて疲れたのかすぐに寝てしまった。


「お前が東部方面隊に行きたいって言った時はびっくりしたよ」


シェリーは実年齢25歳とは思えない可愛らしい寝息をたて始めた時に、懐かしい思い出をいうかのように言い始めた。


「なぜかって聞いたら、俺は東京に行って広い世界ってものを見てみたいと言ってそれで喧嘩になったな」

「あの時は....すまなかった.....」


あの時はすっかり頭に血が上って殴り合いになって、それで真志は家を飛び出したのだった。


「龍雅はどうしてるんだ?」

「ああ、あいつは結構出世して今は.....」


そこで、真志は口をつぐんだ。

『みかづき』の存在は機密扱いなので親だとしても言うわけにはいかなかった。


「ごめんどの艦にいるかは教えられない、けど艦長やってるよ」


ここで、豪快に親父は笑った。


「そうかそうか、あいつが艦長をか...はははは」


笑いがおさまるまでしばらく、親父はしばらく笑い続けた。


そんなこんなで、2時間くらい車を走らせ、S市に着いた。

最近リフォームしたらしく、家は真新しかった。


「ニホン人はこんな良い家に住んでるの?」


シェリーは驚きに目を見開いた。

パティは驚きながらもやはり、人見知りなのかシェリーの背後に隠れていた。

その時、玄関のドアが開き、中から人が出てきた。


「おかえり真志、寒いから早くお入り」

「や、やあ母さん」


若干戸惑いながらも家の中に入る。

新しくなっていたが、やはり我が家だった。


「あらあら、この可愛い子たちはあんたの娘?」

「ちげーよ、あっちのじゅ.....い、いやお隣さんの娘さんだよ」

「あらそう、アメリカ人かドイツ人か知らないけどゆっくりしていってね」


アメリカ人とドイツ人かが聞いたら激怒しそうな事を平然と言い放ち、お茶を置いて置くに引っ込んだ。


「ねぇ、マサシ何みんな準備してるの?」


奥では母が慌ただしく年を越すための準備をしているのだ。


「ああ、新年を迎えるためだよ」

「シンネン?」

「ああ、新しい年が来るんだよ」


あっちではそういう概念がないのかなと思っていると今まで黙っていたパティが喋った。


「私たちの....国はぁ....そういう祝い事がありますよぉ....」


緊張しているのか語尾が少しおかしかった。


「へぇーシーミストにはそんなのないわ」


話に夢中になっているとピンポンと鳴った。

突然鳴った、音にシェリーが身構え、パティは逃げるようにその背中に隠れた。

真志は、だいじょうぶ、と落ち着かせた。


「マサシー出てー」


片付けに忙しいのか、出てと頼んでくる。

パティとシェリーを待たせ、玄関に出る。

玄関のドアを開ける。

そこには、懐かしい仲間が居た。


「よお、真志元気だったか」


実に十年ぶりに会う小学校の頃の仲間たちであった。


「や、やあ・・・・」


久しぶり過ぎてなんて答えればいいのか分からなかった。


「で、どうしたの?」

「いや、小学校のみんなで集まって同窓会やろうってことになったから、ちょうどお前が帰って来てるってご近所さんから聞いたから伝えにきたんだ」

「へぇー」


内心真志は焦りを感じていた。

なぜなら、シェリーたちをあんな場所に連れて行くことはできないのだ。

そして、断ろうと口開きかけた時、後ろから声がした。


「へぇー面白そうね。マサシいいでしょう?」


いきなり来た、シェリーに伝えにきた者は驚いていた。


「へ、へぇー・・・真志、結婚してたんだ・・・・」


全員、ドン引きしていた。

真志は慌てて訂正する。


「ち、ちがうぞこれは俺がいますんでるところのお隣さんの娘であって・・・」

「うん、だいじょうぶ全部分かったから」

「ぜってぇわかってねぇええええええ」


真志の絶叫が新年をもうすぐ迎える空へと響き渡った。




目標の総合ポイント60を越えることが出来ました。これからもwars world自衛隊戦記をよろしくお願いします!!

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