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wars world 自衛隊戦記  作者: ほわいと
12/24

オペレーションPORT TOWN 後編

戦闘開始9分前 『ひゅうが』 甲板 


「みんなよく聞け!」


ヘリが離陸準備に入り始めており、大声で叫ばなければならなかった。


「もう一度確認するぞ、我々はヘリが着陸後、真っ直ぐ砦を目指す。砦に着くまでは新たに編成された戦車部隊の第2戦闘団が援護してくれるそうだ」


ここで玲奈から質問が入る。


「隊長、なぜ懸垂降下ではないんですか?」

「もう、忘れたの玲奈ちゃんシェリーがいるじゃないか」


玲奈の顔には冷や汗が滴り始めていた。

なぜなら、シェリーの顔は笑っているのに剣に手がかかっているし、膨大な量の殺気が放たれていたからだ。


「まあまあ落ち着いて」


咳払いをし、話を戻す。


「で、話が逸れたが、敵のほうに地の利がある。どんな攻撃を仕掛けてくるか分からない各自十分に警戒するように」


話しているうちに時間が来たようだった。


「おっと時間だな。全員ヘリに搭乗しろ」


隊員たちがいそいそと乗り込んでいく。

だが、その中で一人が立ち止まっていた。

シェリーである。


「ん?どうしたのシェリー」


気になったので真志は聞いていた。


「あ、いや、これどうやってのるの....」


当然と言えば当然だがここはヘリはもちろん車すらない異世界だ。知らないのも無理はなかった。


「ここに乗って」


真志はヘリのサイドドアを開け、シェリーを乗り込ませる。

おそるおそるといった様子で乗り込んでいく。


トュレン王国近海 イージス艦『みかづき』 CIC 戦闘開始1分前


「艦長、システムオールグリーンいつでも撃てます」

「分かった特戦からの誘導信号が来たら撃つんだ」


確か前の偵察はかなり激戦だったはずだが、もう立ち直ったらしい。


「トマホークスタンバイ!」


砲雷長が言う。


「トマホーク発射準備完了」

「誘導信号来ました!」


電測員が叫ぶ。


「発射を許可する」


龍雅は静かにそう言った。


「了解、トマホーク発射します」


砲雷長がそう言うと、数秒後に甲板のVLSが開きトマホークが3発空へと舞う。


「トマホークの発射を確認、目標到達まで二百十秒!」


どんどん着弾までの時間が近づいていく。

CICの隊員達は報告を絶え間なくしている。


「着弾まで30秒」


もう、そんなに経ったのか、と龍雅は思った。


「着弾まで残り10秒」


遂に残り十秒となった。


「五....四....三....二...スタンバイ...」


射撃管制員がぐっと緊張する。

そして、叫んだ。


「ターゲット・スプラッシュ!」


遠くで爆音がした。


戦闘開始4分後 UHー60JA


「間もなく、LZに到着」


機長が告げる。

ドン、という音とともに隊員がサイドドアを勢いよく開ける。


「行け、行け!」


隊員たちはヘリから出て、周辺を警戒する。

ちょうど、LCACが3隻到着し、中から90式戦車、軽装甲機動車や96式装輪装甲車が出てくる。

90式戦車から人が出てくる。


「真志2尉、援護します!」


その時、小隊の前に軽装甲機動車が走りこんでくる。


「2尉どうぞこれ使ってください」

「ありがとう」


礼をいい、車両に乗り込む。


「永井!機銃につくんだ」

「了解」


すべての車両の準備が整い、出発を命じる。

そこからは、どこかの映画に出てくるかのような戦闘であった。


「撃て、撃て、撃て!」


銃身が焼け付くかのではと心配になるほど撃つ。

建物の上からは魔導師たちが魔法を演唱し、車列に攻撃を加えている。

その都度、90式戦車が火を吹く。


「こちら、第二戦闘団。援護はここまでだ、後は自力で頼む」


そう言い残し、戦車は別のところへと向かっていった。


「なんか、さびしいですね」


急に攻撃が止み、あたりは静寂に包まれていた。


「見えました」


機銃についている永井陸曹長が報告する。

まだ、来ることはないと思っているのか、まだ、準備の最中であった。


「こちら、タカ、もうすぐ到着。状況を送れ」


やっと来たか。


「こちら、サバイバー、お久しぶりです。川原2佐」

「おお、真志か」


懐かしそうな声が返ってくる。


「で、さっそく状況を」

「はい、現在敵は警戒していません。奇襲をかけるなら今です。」


待ち望んでいた状況であった。


「分かった、これより降下する、目印を頼むぞ」


真志は部下に目配せし、発煙筒を投げさせる。

突然、投げられた発煙筒に驚き、敵の目は空から引き離された。

逆に我々が攻撃を受けるはめになったが。


「反撃しろ!もうすぐ来てくれる」


軽装甲機動車を盾にし、応戦する。

敵が、必死に攻撃している隙に第一空挺団は砦の裏に降下し、城壁の敵を背後から狙い撃つ。


「敵に隙が出来た。突っ込め!」


軽装甲機動車に乗り込むとそのまま城門に向かってアクセルを全開にする。

とんでもない破砕音とともに車両は滑り込むように砦の中に侵入する。


「クリアー!」


隊員の一人が報告の声を上げる。


「残るは内部の敵だ、十分に注意して進むんだ」


深部に至るまで敵の抵抗は皆無であった。


「そうだな、これじぁあまるでものけの.....」


最後まで言うことはできなかった。

なぜなら、目の前に無数の矢が飛んできたからだ。

前方を走っていた味方が間一髪で避けるが、足などに矢が刺さり負傷してしまう。

そっと真志は奥をのぞきこんだ。


「くそ、奴ら廊下に陣取ってやがる」


弓兵が弓を引き絞りこちらに向けていた。


「けど、無駄だ」


真志はポーチから閃光手榴弾を取り出す。


「ピン抜きよーし、投げ!」


そう言って廊下の奥に投げ込む。

次の瞬間、目が眩むほどの光と鼓膜を破かんばかりの音が廊下を包み込んだ。

即座に発砲し、全員を無力化する。


「クリアー」


そして、第一空挺団と真志小隊は最深部に到達した。

そこには、どかどかと高価すうな椅子に座った、少年がいた。


「おやおや、もう来てしまったのですか?」


真志は本能的に危険な男だと思った。


「ご同行願います」

「今更抵抗しても無駄でしょう。おとなしく捕まりますよ」


そういい、隊員に連れられていった。


こうして、オペレーションPORT TOWNは幕を閉じたのであった。



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