マスター・ポチ
悪魔と契約してチートなリアルを満喫しようとした少年に悲劇が訪れる!
1.呼び出し
俺「てかヤギとか動物園からとってこれねーし、高級スーパーで買ったラム肉(羊肉)でもいいよな。よし、この魔方陣に肉置いて・・・。つーかマジ緊張してきた。あ、ポチ、それおめーの餌じゃねーよ!まったくしょうがねぇなぁ。(ポチを捕まえてガクガクブルブルしながら)えっと、ラブタカラブアラブタカラブア!いでよ!悪魔ー!」
悪魔「んーあんたが契約者ぁ?ヒックっ」
俺「(すげーナイスバディな悪魔だけど超酒臭い・・・。)」
2.契約
悪魔「はっ!私ったらいけない!酔っ払って変なところにきちゃった!」
俺「いや・・・呼んだの俺だがら。」
悪魔「そうですか。ではこれらか契約の儀式をとり行います。」
俺「(ゴクッ)」
悪魔「契約におけるプライバシポリシーについて。1.個人情報保護宣言。私、悪魔は、契約者様へ安心・安全・信頼のサービスを提供するに当り、契約者様の全ての個人に関する情報(以下「個人情報」といいます。)の取り扱いについて規定を定め、個人情報の適切な保護に努めてまいります。2.個人情報保護方針。(1)私は、個人情報保護法及び契約の秘密に係る悪魔事業法の規定その他の関係法令を遵守し」
俺「長げーよ。」
3.本契約
悪魔「ではこちらの書類をご確認ください。」
俺「書類があるなら最初から言えっての、ってめっちゃ分厚っ!なんだよこれ!」
悪魔「魔界でも最近はこういった契約に慎重になっているもので・・・。」
俺「悪魔のくせに律儀なんだな。どっかの会社かと思ったよ。はいはい読み終わりました(全然読んでない)。」
悪魔「それではご契約なさいますか?」
ポチ「ワン!」
悪魔「それではポチ様とのご契約はこれで完了しました。」
俺「え?」
4.クーリングオフ
俺「ちょっと待てよ、この魔方陣とか高い肉とか俺が用意したんだぜ?!」
悪魔「ですが、最終的な確認でポチ様が契約すると先におっしゃいましたので・・・。」
俺「え!じゃあクーリングオフだクーリングオフ!一週間以内なら返品できるだろ?!」
悪魔「申し訳ありません、契約者のポチ様の同意が無ければクーリングオフはできません。」
俺「マジかよもぅ、って、ポチ、お前肉食ってんじゃねーよ!」
5.悪魔とポチ
こうして少年はナイスバディの女悪魔との契約に失敗し、飼い犬で雑種のポチが契約者になる。
悪魔「ポチ様が飯はまだかと尋ねておられます。」
俺「まだ飯の時間じゃねぇよ。おやつの骨ガムあるからそれ渡しといて。それから、ほら、とりあえず犬の飼い方の本があるからこれ読んどいて。」
悪魔「素晴らしい!こんな説明書があるのですね!人間の飼い方の本もありますか?」
俺「え?あんた、素で何怖いこと言ってんの?」
6.マスターポチ
悪魔「ポチ様が散歩に行きたいそうです。」
俺「お前が連れてけよ。」
悪魔「申し訳ありませんが私はあなたとポチ様にしか見えませんので、私がポチ様をお連れしたら保健所に連れていかれてしまいます。」
俺「あー、悪魔ってなんでもできる?」
悪魔「ポチ様が同意なさればなんでも致します。」
俺「じゃあ、テレビとか雑誌で今から『犬の散歩ダイエット』って流行らせてみてよ。」
悪魔「ポチ様、いがかなさいますか?」
ポチ「ワン!」
悪魔「それではポチ様のご命令で『犬の散歩ダイエット』を流行らせます。」
数日後
俺「カーチャンと妹がポチの散歩で喧嘩してる・・・。」
母「あんたさっきポチの散歩行ったばっかりでしょ?」
妹「お母さんだって朝散歩に連れてったじゃん!」
ポチ「ワンワン♪」
悪魔「ポチ様は散歩に沢山行けてとても嬉しいそうです。」
7.ハーレム
悪魔「俺さん、ポチ様がムラムラするので近所のメス犬を集めて来いとおっしゃってます。」
俺「カーチャン、そろそろポチ、去勢する時期じゃね?」
母「あらそうね。予防接種のついでにしてもらってくるわ。」
数日後
悪魔「ポチ様が病院から戻って以来、フリルのついたピンク系の服が欲しいわ、などと女性のようなことをおっしゃっているのですが、どうしてでしょうか?」
俺「さぁ、知らね。」
ポチ「クゥーン」
おしまい
悪魔と犬が間違って契約したらどうなるんだろうというのがふと思いついたので、息抜きに書いてみました。