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首都 名古屋爆誕  作者: 雨宮 徹


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2/3

首都色に染まって

 私は今、首都名古屋にいる。高校三年生の私は、名大めいだいを受験すべく猛勉強中だ。実際に名古屋に来た方が入学後のイメージが沸くのでは? と友人に誘われて、名古屋に来たわけだが……。東京とは勝手が違い戸惑うばかりだ。



「ちょっと、咲、聞いてる?」



 おっと、いけない。ぼーっとしていたから、坂本さんの言葉を聞いていなかった。



「せっかく名古屋に来たんだから、観光もしようよ」と坂本さん。



「それもいいな。熱田さん、なんかどうだ?」



 明石くんが提案するが、ピンとこない。



「ねえ、熱田さんって? そんな珍しい名前の友達がいるの?」



 その瞬間、場が凍りついた。え、わたし何か爆弾発言しちゃったの!?



「そうか。熱田神宮って言えば分かるだろ?」



 さすがに私もそこまでバカじゃない。「知ってるに決まっているじゃない」と言い返す。



「こっちじゃあ、愛称として『さん』で呼ぶんだよ。『お伊勢さん』とかな。関西でも『飴ちゃん』とか言うだろ? あれと似た感じじゃないかな。関西のことには詳しくないけど」



「へぇ、そんなんだ」私は一つ賢くなった気がした。



「電車を待つ間、少し時間があるから『名城線ゲーム』しようぜ!」



 名城線ゲーム!? 東京で言う「山手線ゲーム」のことだろうか。



「じゃあ、名城線の駅名で勝負よ!」坂本さんはやる気まんまんだ。



 大丈夫。私は名古屋に来るにあたって、色々下調べをしてきた。駅名もバッチリだ。



「俺から行くぞ。新瑞橋あらたまばし!」



金山かなやま!」



上前津かみまえづ!」



 そうして、ゲームが進んでいくうちに駅名が尽きてくる。結局、明石くんの負けで決着がついた。「御器所ごきそ」は鶴舞線の駅名だから。



「もうすぐ、電車が来るな」と明石くん。



「いよいよ、『熱田さん』に行くのね」私は早速、覚えた言葉を使ってみる。



「そうね。でも、咲。無理にこっちに合わせなくてもいいのよ」



 いや、来年には名古屋に来るのだから、慣れなくてはならない。もしかしたら、こうして都会の色に染まっていくのかもしれない。

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