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変幻G在! ~ゴーレム頼りで異世界サヴァイヴ~  作者: いけだけい


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ep91 アイリス亭の事情

カレンさんと浴場へ入ってしばらく。


魔石で出来た黒い浴槽には、仰向けで大の字に浮かぶ彼女の姿があった。



「ハァァ……♡」



恍惚の表情をも浮かべ、湯面より突き出る胸を隠すことなく余韻と浮遊感を楽しんでいる。


その身体に目立つ傷などはなく、冒険者を止めた?らしいのは怪我がきっかけというわけではないようだ。


背中を流すと言って俺に入浴を勧めたカレンさんだったが、もちろん背中以外も自身の身体を使って()()()くれた。


それによってこちらも彼女を汚してしまったので、お返しに洗ってあげるという流れから結構な時間を楽しませてもらったところである。


俺自身をゴーレム化し、体力の維持や身体の一部を振動させての長時間にわたる責めでカレンさんは大きな嬌声を上げていた。


その対策で水の防音壁を張り、外に声が漏れないようにしたことで遠慮なく楽しめたようだ。


結果、非常に満足したらしい彼女は……



「次も閉店後にヤろう♡」



などと言ってきた。



「もう次の話ですか、気が早いですね」


「しばらくはスレッタ様達の護衛でしょ?そこまで深くは潜らないだろうし、毎晩浴場は開店できるじゃない」



ヤることをヤッたからか、少し口調に可愛げが出てきたカレンさんに言葉を返す。



「じゃあ、明日もってことですか?」


「嫌?」


「嫌ってことはないですけど……」


「じゃあ、次だけじゃなく閉店後は毎晩ね♡」


「えっ?流石に多すぎませんか?」


「ジオが良すぎるからよ。指や()()を振るわせて気持ち良くしてくれるし、アタシより体力もあるから満足するまで続けてくれるからね」


「そうは言っても、翌日の仕事に支障が出るかもしれないでしょう?」


「う。まぁ、今夜は大暴れしたからねぇ……」



彼女は自身の痴態を思い出し、それによって尽きた体力が戻りきらずに仕事を始める状況と問題点を想像できたようだ。


それは良くないと判断できたらしく、若干の妥協を考え始めた。



「じゃあ、休もうって日の前日ってことでどう?」


「休日は何日ごとって決まってるんですか?」


「いいや、決まってないねぇ。決まってたらその日を狙って店で悪さしようとするのが出てくるかもしれないし」


「あぁ、そういう事情もあるか……なら頻繁に休むわけでもないでしょうし、浴場を開いてない日でもいいですよ」



カレンさんが眠っている間にでも彼女をゴーレム化し、こっそり体力を回復させることも不可能ではないが……それで毎晩要求されても困るからな。


すると彼女は俺の提案に喜んだ。



「やったぁ!まともな男は怖がって誘いに乗ってこないし、アタシのこと知ってて言い寄ってくるのは利用したいか屈服させたいっていうロクでもない奴ばっかりなんだよ。どちらでもなく、その上で気兼ねなく楽しませてくれる男が見つかったのはありがたいよ」



そういう事情もあったか。


彼女の力を怖がるというのは自分に向けられたらと考えれば理解できるし、それだけの力を利用したいと考える奴がいてもおかしくはない。


俺はその力の正体を知らないが、そこを特に気にしていないところも気に入られたのかな。


カレンさんの状況は宿や従業員のために尽力した結果だろうし、いくらかの"ご褒美"があってもいいだろう。


というわけで、休日前に俺が町にいればお相手することになったのだが……彼女はこんなことを付け足した。



「あぁ、そうだ。ジオは体力あるし、他の娘に誘われたら相手してやってもいいからね」


「いや、他の女性はカレンさんみたいな事情もないでしょう?」


「それでもウチの関係者だってことで、内部情報を探るために近づいてくるやつもいるから……だからあの娘達も下手に男を作れないって言ってるんだよね」



聞けば……従業員を手懐け、その人を情報源に他の人の外出タイミングなどを狙われたことがあるそうだ。


その手懐ける方法が男女関係を利用したものだったらしく、それで男を作りづらい風潮になったようである。



「従業員の男性はどうしてるんですか?」


「え?ウチは女しかいないよ?出入りの業者で男が来ることもあるけどね」


「あぁ、そうでしたか」



なるほど、それで警戒するのは男だけでいいということか。



「だからまぁ、どうしても男を作りたいって娘がいたら辞めてもらうことになるんだけど……それで出来た男と結婚まで行くとは限らないし、結婚しても別れることだってあるからねぇ。ウチで働きたいって女は多いし、また働きたいってときにはもう新しく雇ってるだろうから雇ってやれないんだよ」


「それを考えると辞めにくいから男も作りづらいまま、と」


「そういうこと。小賢しいことを考える悪人のせいで面倒だよ」


「まぁ、カレンさんがそこまで高く評価されてるってことですかね」


「アタシってよりオーナーを言いなりにしたいんだと思うよ。アタシより強いし」



そのオーナーがどんな人物なのか気になるが……そこを積極的に聞き出そうとすれば、俺も内部情報を探ろうとしているのではないかと疑われかねないか。


なので、尋ねるのを"アイリス亭"を探ろうとしている側のことにする。



「カレンさんやオーナーさんを言いなりにしたいって、どういう連中がそんなことを考えてるんですか?」


「色々いるんだろうけど、はっきりとわかってるのは"嵐牙(らんが)"って連中だね。この町では2番目に大きい冒険者グループだよ」



結構なところに目を付けられてるな。



「"金戦華"の方に荒っぽいグループだと聞いてますけど、大丈夫なんですか?」


「今のところはね。最大手の"総撃(そうげき)"ってグループが数で抑えられるから、連中も表立っては仕掛けてこれないんだ」


「なるほど。それで裏から手を回そうとするってことですか」


「ああ」



俺の言葉に彼女は頷いた。


それで従業員の女達が男を作れないというのは気の毒だな……と思っていることが顔に出ていたのか、カレンさんが軽い口調で空気を変えつつ俺に言う。



「そういうことでまぁ……恋仲になる気がなくてもそれを事前に言っておいた上で、それでもいいって言う娘なら気軽に相手してやってよ」


ザパッ……スッ



そう言うと彼女は浴槽の中で身を起こし、その縁に腰掛けると片足もそこに乗せる。


当然、股間は俺に公開される形となり……カレンさんは指で()()を指した。



()()に出した分も回収できるんだし、間違って()()()こともないんだしさ♪」



ゴーレムは召喚するものだとし、それを構成するものと同じものしか操れないことにしている。


となれば俺が出したものは操れないことになるが、お湯を操って()を洗浄した。


正確に言うと……お湯のゴーレムに混ぜて小さな魔石を送り込み、そいつに俺が出したものを回収させたのだが。


それもあって、同意の上であれば遠慮なく楽しめということらしい。


今のところは誰かと本気で付き合うつもりはないし、事前にそれを了承するのならいいか。



「まぁ、あくまでも誘われたらですが……そのときに都合が悪くなければの話ということで。それで良ければ」


「良かった。これからよろしくね♪」



これを知った人の中には倫理的にどうかと思う人も出てくるかもしれないが……まぁ、この世界に来てから今までのことを思い返せば今更だ。


そもそも誘われるとは限らないし、お誘いが多すぎて面倒になったら断ればいいだろう。


とにかく、こんな流れでこの話はまとまった。


と思ったら……彼女は再び目に熱を込め、指していた()()を開く。



「じゃあ、続きね♡」



終わりじゃなかったんかい。


まぁ、今日はネモフィラ商会で少し挑発されたのもあるし……


今夜の入浴はもう少し長くなるようだ。







明け方。


気を失うように眠ったカレンさんから水気を取り、服を着せると小屋を片付けて宿へ戻る。


常駐している夜勤の従業員がいたので、彼女を部屋にと頼んだ。


彼女達は俺に背負われたカレンさんを見て驚いていたが、入浴前に遅くなることは伝えてあったらしく、2人の従業員が両脇を抱えて運んでいった。


従業員用の宿舎があり、それは中庭を四角に囲んだうちの1棟であると聞いている。


カレンさんはそこの一室に住んでおり、俺が運んでも良かったが……どうやら女性専用で、男は入らないほうが良さそうなのでお任せしたのだ。


そうして俺は自分の部屋に戻ると、ララはよだれを垂らして眠っていた。


"ゴーレム通信"で遅くなるのは伝えてあり、食事なども自由に済ませておくよう言ってあったからな。


なので遠慮なく寝ていた彼女の隣のベッドで横になり、今日は朝早くから動くわけではないので一眠りすることにした。





ユサユサ……


「ジオ、起きて」


「んう?」



起こされた俺が最初に見たのは、武装して顔を隠しているララだった。


顔を隠しているということは……誰かが来ているのか?



「どうした?」


「スレッタさん達が装備の発注に行くって」


「ああ、もうそんな時間か」


「朝にしては遅いけど、まぁ今日は休みみたいなものだしね。彼女達も少し前に起きたみたいよ」



スレッタさん達も夜更かししたのか。


まぁ、遅くなりすぎなければどうでもいいが。


俺は身支度を済ませ、ララと一緒に部屋を出る。



「おはようございます。お待たせしました」


「「お、おはようございます」」



2人の顔が赤い、昨夜の俺とカレンさんを思い出したのだろうか?


確認する必要はないので話を進める。



「それで、装備の発注に行くんですよね?」


「はい。ビーナさんが案内してくれるそうでして、下でお待ちいただいております」



ベレーナさんがそう答えた。


あぁ、あいつが案内するのか。


"遺跡"の中だけでなく、町のガイドも任されてるのかな。


しかし、待たせすぎてもまずいが朝食抜きもきつい。


なので朝食をと食堂へ降りると、武装していたビーナに声を掛ける。


今日も武装しているのは、"金戦華"の一員であることをアピールしてトラブルを回避しやすくするためだろう。



「おはよう。朝食がまだだからちょっと待ってくれ」


「仕方ないわねぇ」



そう言った彼女は俺達がテーブル席に着いた後、空いている席に座って待つことにした。





「お、お待たせしました」


「どうも」


「……」



注文した料理が届き、それを受け取ると何故か顔の赤かった店員は離れていく。


その様子に何かが気になったのか、ビーナは俺に尋ねてくる。



「アンタ、何かしたの?店の娘がアンタをチラチラと見てるみたいだけど」


「ん?」



言われてみれば、今日はよく視線を感じる気がするな。


カレンさんがすでに起きていればだが……彼女に浴場のことを聞いて、浴槽で入浴できることを期待しているのかもしれない。


そもそも、昨夜だって入浴中に井戸の利用者が中庭へ来ていただろうし、あの小屋について宿の従業員に尋ねた人もいるだろう。


となると……俺はスレッタさん達に視線を向ける。



「「……」」


コクリ



なるほど、彼女達が事情の説明をしていたのか。


もちろん、2人がずっとその場にいたわけではないだろうから……宿の人に伝えておき、その人から客へ説明されたのだろう。


となれば宿の人が俺とカレンさんの混浴を知っていて、その最中のことも察しがついていたからあの態度だったのか。


気まずいが仕方ないな。


まぁ、逆に距離を取る人もいるだろうからそれはそれでいい。


それなら……浴場を開いていればどうせ知られるだろうし、ビーナにも教えておくか。



「中庭で浴場を開くことになってな。それに期待してるんじゃないか?」


「中庭で浴場?どういうことよ?」


「あぁ、実は……」



カレンさんの要請により、ゴーレムを使った施設で入浴サービスを行うことを説明した。


すると、黒いオークの件でお湯に浸かる入浴を経験しているからか、ビーナは身を乗り出して聞いてくる。



「っ!?それって宿の人だけなの?」


「頼まれたのは宿の人のためだな。町にいる日だけだし、対応できる数にも限りがあるから……」


「そんなぁ。一緒に入ってもいいから私も使わせてよぉ」


「そうなると他の人も使いたいって言ってくるかもしれないだろう?」


「一緒に入るのが条件だって言えば?」


「それでいいって言われたらどうするんだよ」


「一緒に入ればいいんじゃない?」


「一緒に入りたいと思えない相手だったら?」


「断れば?」


「いや、それだと俺が好みの女だけを集めて一緒に入ってると思われないか?」



女好きではあるのが事実としても、立場を利用して女に手を出していると思われるのは心外だ。


あくまでも、手を出す出さないの判断をするのは誘われた場合のみだからな。


だが、彼女は俺の問いに堂々と言い放つ。



「いいじゃない、思わせておけば。アンタの力でアンタの施設なんだから、お互いの同意の上でやってることに他人がどうこう言う資格はないわよ」


「いやいや。俺が女好きだと思われると、その気もない相手を無駄に警戒させることになるかもしれないだろう?」


「そんなの相手の勝手でしょうよ。アンタが気にすることじゃないわ」


「だとしてもだなぁ……それはそれでいいとしても、相手が偉い人だったら断ると問題にならないか?」


「あー……」



それは想定していなかったのか、ビーナは腕を組んで考える。


そうして、少し考えるとこう返してきた。



「その場合はお金でいいんじゃない?貴族でわざわざここに来るような方は少ないでしょ」


「そんな方なら他人と一緒にってのは嫌がらないか?貸し切りにでもされたら、そのぶん入れなくなる人が出てくるだろ。金のためにやるわけじゃないんだしそれは困るぞ?」


「それはそうかもしれないけど……なら貸し切りにしないことを条件にすれば?」


「条件を出すこと自体が失礼だって責められないか?」


「う、それはあるわね……」



"金戦華"が護衛を受けた貴族の中にもそういう手合いがいたらしい。


それを思い出して彼女は小声で頼んできた。



「仕方ないわね。じゃあ浴場でなくても良いから、またお湯に浸からせてよ」



小声なのは、この頼みを同僚などに聞かれると嫉妬されるかもしれないからかな。


なら我慢すれば……いや、それは日常的にあの入浴方法を楽しんでいる俺だから思えることか。


ビーナは知らない仲でもないのだし、それぐらいは聞いてあげてもいいだろう。



「わかったよ。でも他の人に気づかれないように誤魔化せる場合だけだぞ?」


「やたっ!わかってるわ♪」



というわけで、俺は嬉しそうに言う彼女を待たせて朝食を進めた。

お読みいただきありがとうございます。

誤字・脱字・誤用などがあれば報告をいただけると助かります。

よろしければ評価も付けていただけますと幸いです。

カクヨムで先行公開しておりますので、先が気になる方はそちらをどうぞ。

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