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変幻G在! ~ゴーレム頼りで異世界サヴァイヴ~  作者: いけだけい


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ep74 理不尽には理不尽を

バヂィッ!


ギルド長ロザリンドの指輪が輝き、俺へ紫の雷光が疾走る。


その瞬間、俺は氷の壁を出現させてそれを防いだ。



フッ、バシュンッ!


「氷の壁か。(いかずち)には相性が悪いわね」



どんな攻撃をされるかに関わらず、水の魔法を使えるという設定なので氷の壁を出すしかなかっただけなのだが……あの指輪はフランの物と同じだったのか。


水は電気を通してしまうが、それは水中の不純物が導電性を持つからである。


つまりはまぁ、不純物のない純水であれば電気を通さないので、それで防いでも良かったわけだ。


ただ、それだとゴーレムとしての核である魔石を隠す必要があるし、質量が一定以上の物体を飛ばしてくるような攻撃だと防げなかっただろうからな。


彼女の言う「雷と氷の相性が悪い」というのは経験則の話だろうか。


一般的に、氷は凍る過程で不純物を外へ排出する。


それによって純水に近い状態となり、導電性が失われるからな。


俺が氷を作るとなれば一気に氷へ変化させるので、不純物が混じった導電性を持つものになる。


だが、いま使った氷壁はスレッタさん達に氷の小屋を作った際に、万が一落雷があった場合のことに思い当たって自分用にも作っておいたものだった。


こんな展開になるとは思っていなかったが……早速役に立ったな。


そうして、不意打ちに近い初撃を防がれたロザリンドは次の手を打とうとする。



「フッ」


バッ!


「えっ」



彼女は机を飛び越え、こちらへ一直線に向かってきた。


薄手で露出の多いドレス姿なので特に胸元が気になるが、そんなことはお構い無しにロザリンドが氷の壁を殴りつけた。



「ハァァッ!」


ドガシャアァァンッ!


「うわっ」



なんと、彼女の拳は厚さ30cmの氷壁を粉砕し、その破片を周囲に撒き散らす。


魔石の魔力があれば、ダメージを肩代わりして形を維持してくれるはずだが……魔力は残っている。


となれば、問題は出力のほうか。


魔力の出力は、時間当たりでどれだけの量の魔力を使えるかというものだ。


大きければ一気に大量の魔力を使え、小さければ少しずつしか魔力を使えない。


水を汲み上げることに例えれば、スプーンとバケツのように結果で大きな差が生まれてしまうわけだ。


今回の氷壁の場合、形を維持しようとする出力が足りずに破壊されてしまったということだな。



「フフン♪どう?」



氷壁を破壊したロザリンドは、得意げに拳を掲げて見せる。


肌に張り付く深紅のドレスがそのスタイルを強調し、拳と同じく得意気に張られた胸が突き出されていた。


ここで畳み掛けてこないのは、それだけ自分の実力に自身があるからか、それとも俺を侮っているからか。


どちらにしろ、こちらとしては次の手を考える時間があるだけ良い事なのだが……そこで彼女の足元で目が止まった。



コロコロ……



あ、まずい。


魔力がなくなってしまえば魔石は消滅するが、そうでなければ残ったままだ。


ゴーレムとしての氷壁が破壊されたとしても、それで魔石まで破壊されるわけではないからな。


その結果魔石が残ることとなってしまい、ロザリンドの足元に転がっているというわけだ。


もちろん俺はすぐに"格納庫(ハンガー)"へ回収する。



フッ


「……ん?」



彼女は自分の足元に視線を向け、氷の破片しかないことを確認すると俺に尋ねてきた。



「何かした?」


「いえ、えーっと……派手に壊されたなぁ、と」



魔石に気づかれたわけではないのだろうが、疑いを持たれることも避けたほうがいい。


なので氷壁の残骸を見ていたかのように取り繕ってみるも、ロザリンドはハッとした顔で俺から距離を取った。



バッ!


「そういえば、お前は女に目がないんだったわね。さっきは胸も見ていたようだし、今も私の足を見ていたんでしょう!」



そう言いながら、彼女は身を守るように身体を捩る。


それによって身体のラインをさらに強調する形となっているが、魔石のことに気づかれるよりはマシなのでその話に乗っておく。



「え……ええ。まぁ、魅力的だとは思いますので……」



すると彼女は激昂する。



「くっ、フランチェスカだけでなく私まで!?でも、私は自分より弱い相手に身体を許す気はないわ!」


ザッ



ロザリンドは再び拳を構え、俺への攻撃態勢を取った。


いや、別に彼女をどうにかしようというつもりはないのだが……どうしたものか。


あの怪力を防ぐとなれば氷壁をもっと厚くし、中の魔石も大きくして出力を上げるしかない。


しかし、それで防ぎ切れるという確証はなく、再び破壊されれば今度はその大きさ故に魔石を見られてしまう可能性が高くなる。


となると……



「ハァッ!」


バッ!



再びロザリンドは床を蹴り、俺に拳を突き出そうとしてきた。



「っ!」


フッ



俺は先ほどと同じような氷壁を出現させ、それを迎え撃つ。



「フン!」


ビュッ!



それが先ほどと同じものだと悟った彼女は、ニヤリとして拳を繰り出したのだが……



バシュゥゥッ!


「なっ!?」



拳が氷壁に触れようとしたそのとき、辺りが白く染められた。


これは俺が発生させた霧である。


もちろんただの目眩ましではないのだが……そのままロザリンドの拳が氷壁を打ち破った。



ドガシャァァッ!


「くっ!?」



それだけで彼女は気を抜かなかったようで、見えないながらもすぐに周囲を警戒し始めたようだ。


しかし……それは俺にとって十分な時間だった。



ガシガシガシガシッ!



霧の中、"氷の手"がロザリンドの手足を掴んで空中に持ち上げる。


俺も自分の目で彼女が見えているわけではないが霧の形状はを把握できるので、その霧がない部分にどんな体勢でいるのかはわかるのだ。


それでロザリンドを捕らえることが出来たわけだな。



「なっ!何っ!?……ハッ、氷の手かっ!」



フランから聞いていたであろう彼女は、見えないながらも自分を拘束するものの正体に気づいたようだ。



「くっ、この程度……」


グググッ……グシャッ!



おお……ロザリンドは拘束された両手足同士を合わせ、圧力で押し潰すようにして"氷の手"を破壊した。


しかし、俺は即座に次の"手"を作り出して彼女を拘束し続ける。



ガシガシガシガシッ


「っ!?こんなもの、何度でも……」


グググッ……グシャッ!


ガシガシガシガシッ


「あっ、またぁっ!?いい加減に……」


グシャッ


ガシガシガシガシッ


「ああもうっ!」





ガシガシガシガシッ!


「っ!?今までのものとは違うっ?」



霧の中、何度か拘束と破壊を繰り返すとロザリンドの声に驚きの色が混じる。


今、彼女を拘束している"氷の手"は先ほどまでのものより大きく、内包する魔石も大きなものにしてあった。


腕なら前腕を全て覆うほど、足なら膝下の殆どを覆っている。


それに伴い魔石の出力が上がっており、拘束する力も先ほどより格段に増していた。



グググ……


「くっ……何だこの力は……?」



ロザリンドは拘束された手足を動かそうとし、それによって"氷の手"にある魔石の魔力が急激に消費されていく。


だが、それは決まった体勢に矯正するかのように元の位置へ戻ろうとし、これまでのように"氷の手"同士をぶつけて破壊しようとするもそこまでには至らなかった。



「……ハァッ!ハァ、ハァ……」



これまでの分も含めて体力を消耗したからか……彼女の抵抗が弱まり、その手足は大きく開かれたままになる。



「まだ続けます?こちらはそれでも構いませんが」


「ぐっ……霧の中では私もただでは済まない……だけどっ!」


バヂィッ!



ロザリンドは躊躇しつつも右手の指輪を使って雷撃を放ち、その声と共に再び雷光が疾走った。


周りは霧で見えないままだが、俺の声で位置を特定したか。


普通の霧なら雷撃は拡散してしまい彼女も巻き込まれるため、それで躊躇したのだろうが……



バチバチバチバチィッ!


「アアアアアアアアッ!?」



雷撃の音とロザリンドの絶叫が重なる。


雷撃は狙った方向へ放たれず、彼女本人に誘導された。


それ自体は覚悟していたようだが……この声からすると、その威力が全て自分に返ってくるとは思わなかったらしい。



「ど、どうして……」



雷撃を止め、それでも声がか細くなるほど弱ったロザリンドに答える。



「この霧は純水って水で出来てまして、雷を通さないんですよ。なので遠くには放たれず、近くにある雷を通すもの……つまり貴女に誘導されてしまったんです」


「くっ、そんなものが……」



悔しそうに呟くその声は、先ほどより元気が戻っているように感じられる。


あの怪力が身体能力を向上させるものだとすれば、その回復力も早くなっているのかもしれない。


そう判断した俺は、即座に彼女の背後へ回ると……後ろから前へ手を回し、その豊満な胸を鷲掴みにした。



ワシッ、モミモミ……



ふむ……薄手なだけあって、肌の弾力がほぼそのまま伝わってくるな。


胸の裏地には少しだけ厚手の布が当ててあり、それで服の上から()()が浮かび上がらないようになっているのか。



「あっ、ちょっ、何してるのよ!?」



焦ったロザリンドは俺の手から逃れようと藻掻いているが、まだ残る雷撃のダメージと"氷の手"の拘束によりまともな抵抗は出来ていない。


そんな彼女に俺は答える。



「まだ終わってないんでしょう?だから攻撃を続けてるんですが」


「ハァ!?いや、これのどこが攻撃なのよっ!?」


「相手に危害を加えれば攻撃でしょう。例えば、勝手に女性のこういった部分を触れば罪になりますよね?それは危害を加えたと見做されるからじゃないですか?」


スリッ


「それはっ、そうだけど……ンンッ♡いや、これを攻撃と言うのは……アッ♡」



先端を掠めながら答えた俺に、ロザリンドは艶っぽい声を上げつつ抗議した。


しかし、俺は手を動かしながら問い詰める。



「これを攻撃と言わないのであれば、一体何だと言うんでしょうか?」


キュッ


「ンンッ♡わ、わかった!わかったから止めなさい!」



今度は先端を摘みながら答えた俺に、彼女は降参するかのようにそう言った。


だが……俺はまだその両手を止めない。



モミモミモミモミ……


「いや、まだ勝負が終わったとは言われてませんので……あと、自滅覚悟でさっきの雷撃を放てば俺を巻き込むことができるかもしれませんよ?」


「……そう言ってる時点で対策があるんでしょう?」


「雷を通す霧を作って、貴女の指輪から別の方向へ誘導できますね」


「くっ、じゃあ無理じゃない」


「まぁそうですね」



強い風でも起こせば、霧はその形を維持するのに魔力を大きく消費してしまう。


なので、例えばいまロザリンドを拘束している大きな"氷の手"でも思い切りぶん回せば、散らすことができて霧の無効化はできるのだが……


今の彼女は拘束され、まともに動けないほど怪力が使えないようだしな。


時間や回数に制限でもあるのかもしれない。


まぁ、何にしろ……俺は揉み続ける。



モミモミモミモミ……



「で、どうします?負けを認めますか?」


「それは……」


「だったら止められませんね」


「っ!?」



いきなり始まった勝負だが、その勝敗を決めるのは仕掛けてきたロザリンドだろう。


俺が逃げてもそれはそれで勝敗が着くのだろうが、この状況で逃げてあげる理由もないからな。


そんな俺の言葉に……フランのことを慮って負けを認めたくなかったロザリンドも、渋々ではあるが負けを認めないわけにはいかなかったようだ。



「わ、わかった!私の負けでいい。お前の力は認めよう」


「そうですか、では……」


ススッ、ムニムニ……



その言葉に俺は手を動かし、今度は彼女の服の中へ手を入れて肌に直接触れる。


当然ながらロザリンドは抗議の声を上げた。



「あっ、ちょっ、なんで中にっ!?勝負は終わったでしょう!?」


「ええ、勝負は終わりましたね。なのでこれは報酬ということで」


「ハァァッ!?」


「いや、勝手に勝負を決められたんですから、報酬はこっちが勝手に決めてもいいでしょう?」


「いや、だからといって……じ、じゃあ、お金とかで……」


「俺がお金を欲しがらないってのはさっき言いましたよね?だからこそフランも身体を使ったわけで」


「そんな……」


「理不尽だと言いたげですけど、先に理不尽な言い掛かりを付けてきたのはそちらですからね?」


「う……」



俺のその言葉にロザリンドの抵抗はさらに弱まり、"氷の手"の魔力消費量がほとんどなくなる。


フランのためとは言え、自分でも理不尽だとはわかっていたからだろう。


そして彼女は小さく囁いた。



「その、これも勝手な話だけど……で、できれば優しくお願い」


「了解、でもこれは覚えておいてください」


「な、何……?」


「理不尽には理不尽で返すのが俺の流儀です」



俺はそう返し、本格的にロザリンドを()()()ことにした。





「……アッ♡」

お読みいただきありがとうございます。

誤字・脱字・誤用などがあれば報告をいただけると助かります。

よろしければ評価も付けていただけますと幸いです。

カクヨムで先行公開しておりますので、先が気になる方はそちらをどうぞ。

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