真夏のキミと花火を見たかった+ 澤崎由奈編
あの夏からまもなく1年。
僕たちは付き合ってもうすぐ1年になる。
あれから僕たちはまた一緒のクラスになり
また一緒の文化祭委員になれた。
「お疲れ様、彩くん。」
「お疲れ澤崎さん。」
「ねぇ、この後暇?」
「暇だけど、どうしたの?」
「実は少し買い物に付き合ってほしくて。」
「買い物?わかった。いいよ!」
「ありがとう!じゃあ行こうか!」
「うん!」
…。
「暑くなってきたね、彩くん。」
「そうだね、夏が近づいてきてるからね。」
「それで買い物って何?」
「あぁ実は弟が7月23日誕生日なんだ。」
「えっ?澤崎さん弟いるの?」
「うん、小学2年生の弟がいるわ。」
「初耳だな!」
「言ってなかったからね。それで弟の誕生日プレゼントを買いに付き合ってもらったの。」
「そうなんだ。全然いいけど。」
「ありがとね彩くん。」
「とりあえずこのおもちゃ屋入ってみようか。」
「そうね」
ウィーン
「いらっしゃいませ」
「どれにする?澤崎さん」
「そうね、今(少年戦隊コウシンジャー)にハマってるのよね、弟。」
「コウシンジャー?あの朝早くからやってる?」
「そう、それを見るために弟、早く起きたりしてるのよね。」
「そうなんだ。でも早起きはいいことだね。」
「まぁそうなんだけどね。」
「あっ!澤崎さん!これなんかどう?」
「コウシンジャーの変身ベルト…か。」
「最新型らしいよ!これにすれば、きっと弟も喜ぶんじゃない?」
「そうね、ちょっと高いけど、これにするわ。」
…。
「無事に買えたね。」
「うん!付き合ってくれてありがとう!」
「いいよ全然!しかし、コウシンジャーって懐かしいな!」
「彩くんも知ってるの?」
「もちろん!僕が小さい頃からあるからね。」
「そうなんだ。」
「ちょっと変身ポーズやってみない?澤崎さん」
「えっ…今?」
「そう!僕も久々にやってみたくなったんだ!」
「え…でも…」
「ちょうど今人いないから!」
「わ、わかったわ…」
「いくよ!両手をあげて!」
「こ、こう?」
「そう!それで肘を曲げて!」
「はい!」
「いくよ!変身!」
「へっ…変身!」
「そう!カッコいいよ!澤崎さん!」
「あははは、ありがとう!」
「あはははは!久々にやったら楽しかったね!」
「そう?だね」
「じゃあそろそろ帰ろうか。」
「そうだね。」
こうして2人は買い物をした。
…。
「今日の仕事はここまでだね彩くん。」
「そうだね澤崎さん。」
「今日一緒に帰れる?彩くん?」
「あぁ、ごめん!今日も図書室でこれから勉強しないと!」
「また勉強?最近頑張るね。」
「うん、行きたい大学があるから、それに向けてね。」
「そう、わかった!じゃあ勉強頑張ってね。」
「ありがとう澤崎さん。」
…。
「急に話って何?彩くん。」
「本当にごめんなんだけど、夏祭りの日、夏期講習で行けなくなっちゃった!」
「えっ!?」
「本当にごめん!その代わりお盆休みとか!どこか行こう!本当にごめん!」
「そう…わかったわ…」
そして夏祭り当日。
「彩くん…本当に来ないわね…。」
ポツン
「あら、涙が…うぅ…去年は楽しかったな。今年は…」
ポツン
「あら…嫌だ…私ったら…弱くなったわね…」
「澤崎さん!!!」
「え…?」
「はぁはぁ、澤崎さん!」
「彩…くん?」
「はぁはぁ、夏期講習、抜け出して来た…!」
「え?大丈夫なの?」
「大丈夫…だと思うよ!」
「彩くん…」
「澤崎さんとまた、花火を見たくてね!」
「彩くん…あら、また涙が…」
「そんなことより花火がもうすぐ上がるよ!ほら!」
ヒューーーーーッ、パァァァァン!
ヒュー、パァン!ドーン!ドーン!
「綺麗ね…彩くん。」
「そうだね澤崎さん…」
…。
「ねぇ、澤崎さん…」
「何?」
「いい…よね?」
「うん…来て。」
チュッ。
ヒューーーッ、パァァァァン!
「またこうして1年後に2人で花火見れて幸せよ私!」
「僕も幸せだよ!」
「そう…」
「澤崎さん、覚えてる?」
「何が?」
「去年、たまたま見た雑誌に書いてあったの!キスは幸運を呼ぶって。」
「うん…覚えてるわ!」
「またこうして花火を見れて、僕たちすごく幸運だね!」
「そうだね!あはははは!」
「あはははは!」
「私たち、一生青春しようね!」
「あぁ、もちろん!」
去年祭りの射的で取った、2人お揃いのキーホルダーが揺れていた。
-END-




