裏返しの愛してる
このお話はBL要素を含みます。BLの意味がわからない方、ご理解のない方は読むのをおやめ下さい。
先輩から、初めてメールが来た日の事を不意に思い出した。
電報みたいなメールで。
「シキュウ レンラクコウ」
僕はそれをすぐに保存した。
あまりに電報みたいなメールで爆笑してしまった僕。
それ以来先輩は二度とメールをくれなかったから。
だから先輩に急に聞かれた時に凄く焦った。
「お前、携帯機種変更しないのか。」
先輩の部屋で寛ぎながら友達にメールの返信をしていた時だった。
「あぁ…消したくないメールとかあるんで、なかなか…。」
「お前、メールも頻繁にしてるから電池すぐ駄目になるよな。」
「これでも控えてますよ、ずいぶん。」
とは言え、バッテリーはずいぶん弱くなっていた。
毎日充電はするけど時々電池切れになるから
仕事に支障が出ないように緊急充電用のバッテリーを常備しているぐらいだ。
「なぁ…消したくないメールってどんなだ?」
「ああ…誕生日おめでとうとか、そういうのですよ。」
「男の友達でそういうメール保存すんのか?」
「母親とか、大事に保存しときたいんですよ。」
さらっと言ってみたが先輩が目を細めた。
疑うときによく見せる表情だ。
「あの…別に浮気してないですよ。」
「わかってる。してたら…即別れる。」
「うわぁ…先輩って短気っスね。」
そういいながら携帯を充電器に戻す。
先輩の自宅にも僕の充電器が常備してあるのだ。
「携帯…見せろって言ったら嫌か?」
先輩が僕の携帯を凝視したまま聞いてくる。
よっぽど保存してあるメールが気になるらしい。
「いやって言うか…ほらプライベートですよ。」
「…まぁそうだけどよ…。」
「はいはい、見たいならどうぞ。」
ちょっと元気がなくなった先輩に負けて僕は携帯を先輩に渡す。
「いいのか?」
目をキラキラさせて携帯を受け取る先輩を見てしまったらやっぱり駄目なんていえない。
「いいですよ。」
そっと画面を開いてメールを見る。
「…交通課の女から合コンのお誘い来てる…今日じゃねぇか。」
「断りましたよ。恋人がいるから駄目だって。」
「ふぅん。」
明らかに嬉しそうですよ、先輩と心で呟いて先輩を見つめる。
「保存したメールなんて、ないぞ。」
「簡単なセキュリティ掛けてるんですよ。」
「ふぅん…。」
何だよと言いたげな顔で僕を見る先輩は本当に素直で可愛い。
わかりやすすぎる。
「こうするとロックが外れますよ。」
パパッと僕がセキュリティを外すと表示されて画面に先輩が目を見張った。
「あ…れ?これ…俺がお前に送って爆笑されたやつじゃねぇか。」
「それ以来メールくれないじゃないですか。だから大事に保護してるんです。」
誰にも見られたくないからセキュリティかけてます。と、付け足すと
先輩は俯いてしまって耳まで真っ赤だ。
「先輩のメール消したくないから機種変更できないんですよ。」
「…またメールしてやるから、機種変更しろ。電池切ればっかじゃ現場で困る。」
「ね、先輩。お揃いの携帯にしましょうか?」
「馬鹿。」
まんざらでもないな、なんて思いながら頬にキスをした。
真っ赤なホッペは暖かい。僕の体温が低いのかと勘違いするほどだ。
「みんなに突っ込まれたら言い訳でもする気か?」
「付き合ってるからって言ってもいいですよ。」
「ばっ…ばぁぁぁぁぁぁかっ!!!!」
僕は知ってる。先輩の馬鹿は『愛している』の裏返しな事も。
次の休み。僕と先輩の携帯がおそろいになった事は言うまでもない。
どうも、紺青です。
今回も短編です。前に書いたものを修正して
入力してます。先輩と僕は甘いので私も大好きです。
また次回作でお付き合いいただければ嬉しいです。
ではでは。




