表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/4

始まり

あの日、私は半年前に産んだ赤ちゃんをシッターに預け、一人で街中の小さなカウンセリングオフィスに向かった。始め産後鬱と診断されたが、通常の産後鬱とは 違うらしい。このオフィスに来たのは市の心理士さんに紹介されたためだ。


 そのオフィスの中は可愛らしい置き物や綺麗な模様の絨毯、木目が美しい椅子や机で装飾されている。大きな窓の外には植木鉢が幾つかあり、太陽の光を浴びた草花たちがそよ風を受けて静かに揺れていた。


 カウンセリングオフィスは大通りに面しており、道路は車がひっきりなしに行き交っている。さらにオフィスの向かいに大きな総合病院があり、時折サイレンを鳴らした救急車が走って行く。騒がしい街の騒音と静かで居心地の良いオフィスの対比は、私を異世界に迷い込んだような気持ちにさせた。


 異世界の隠れ家にいるような、ふわふわした感覚を味わっていると急に声が聞こえた。

「村木さん、部屋の前でご準備ください。」


 私の人生が変わり始めたのはこの時からだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ