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第14話

50万2500ドエル。一文無しのわたしにはとんでもない大金。しかし全部がわたしのものではない。3割の報酬をロロに分けるという約束は忘れていない。


「報酬の山分けは今しますか」

「そうしましょ〜」

「すみません、50万ドエルは7割と3割に分割していただけますか。2500ドエルは7割のほうへお願いします」

「かしこまりました」


分けられた袋が並べられた。わたしは35万2500ドエル、ロロは15万ドエルを受け取る。


「……失礼ですが、ロロ様は騙されてはいませんか」


突然悪行を疑われてしまう。そんなに怪しいだろうか。いや、たしかに怪しい。こんなにも破れた服を着ていてまともな装備ではないからだ。


「アギノフ様は服の損傷が激しいですが、よく見ると戦うための装備は最初からしていなかったのがわかります。それに銀魔猪をロロ様ひとりで運んでいましたね」

「む!それはただの分業なんです!アギノフさんは攻撃魔法がとても得意なんです!わすは肉体魔法!」


ロロが反論をしてくれる。


「わたくしもそう考えました。なので勝手ながらアギノフ様を鑑定をさせていただきました」


受付なだけはある。スキル特化の鑑定能力を持っていそうだ。よくない状況であるのに答えに良い意味での興味を持ってしまう。

ソレイユがわたしに向かって顔を向け、腕を伸ばす。


「あなたのスキルはひとつしかなく、レベルがありません。そして、なにより見たことも聞いたこともないスキルかつ説明が見られないものだったのです。ここから導き出される答えは、いい加減な偽装」

「ほ、ほぇ」


高度な鑑定をするとそう見えるのか。不思議なスキルだ。

しかしこれにはロロもさすがに反論ができないようだ。わたしは下手に喋るとさらに怪しいことになりそうである。最後まで聞いてそこから反論をしよう。


「アギノフ様のスキルは2つ。あまりレベルの高くない偽装スキルと、人を操ったり、感情を書き換えたりするものではないのですか?それでロロ様を操り、危険な魔物を倒させていた。どうです!観念しなさい!」


後ろから足音が聞こえてきた。見ると待合室にいた鑑定待ちだった人たちが戦闘態勢に入っている。


「話は聞いてたぜ!受付の姉さんが話してることにおかしいとこは無え」


斧を持った深緑の短髪をした男が言う。


「そう、つまりお前が悪いことしてるってことだな」

「受付の人!協力します!」


他のハンターや冒険者もわたしに敵対するようだ。研究所の警備員もこちらに向かってきている。なんということだ!誤解を解かなければならない。


「えっ!?ええ!?」


ロロがついに焦り始めた。わたしのせいですみません……ここからは自分で解決しなくては。


悪いとされている事象はわたしがロロを洗脳して彼女に本心でないことをさせているということ。つまり洗脳する必要がないほどの強さを見せればよいのではないか。


「片方だけの主張を聞いて判断するのは、よくありません!わたしの主張も聞いてください!」

「たしかに、そうかもしれませんね。ただし納得できなければ白き獅子団に引き渡します。あそこなら正確に、公正に見てくれるでしょう」

「……!」


ソレイユは本気で白き獅子団を信頼しているのだろう。セオドアとわたしの関係が歪んでいるだけで組織としてはかなりまともに治安維持をしてくれる場所ではある。


セオドアの件のせいで、わたしにだけ厳しい治安維持組織となってしまっている。

ここで失敗すれば逃走のために枢壊撃(すうかいげき)を使うことになるだろう。そうなったら、今度こそ本物の悪人だ。

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