表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

12/43

第12話

「暇ですね〜」

「そうですね……なんだかどんな結果が帰ってくるのか気になって、落ち着きません」

「きっといい結果がでますよお!」

「ふふ、そう願ってます」


他愛のない会話をする。友人の少ない、人間との意思疎通があまり楽しめない気質のわたしであったが、今は会話を楽しんでいる。

なぜロロが行商人の里で優秀だったのかがわかる。


「今日はこの街の宿屋に泊まりです〜、いいとこでありますように」

「この街で泊まったことはあるのですか?」

「いや、初めてで〜す。前は通っただけでしたあ」

「わたしはきたこともありませんでした」


周りを見てみると、この建物は外部の人間が入れるところは木製でできている。そしてあまり綺麗とは言えない。小規模な研究機関だ。


10分ほど待ったとき、名前が呼ばれる。


「ロロ様!アギノフ様!結果が出ました!」


女性は少し興奮している声色だった。急いで受付へと向かう。


「は〜〜〜い!ロロです!」

「お待たせいたしました。今回特殊な事例ということでわたくしでは説明がしきれません。所長室のほうでの説明をします。着いてきてください」


興奮気味の女性の言葉に相槌を打ち、言われるがまま着いていく。

何がなんだかわからない。なにか問題がおきたわけではないといいが……不安になってしまった。


「こちらです」


明らかに地位が高いであろう人の部屋の扉が目の前にある。さらに緊張をしてしまう。

女性が扉を叩いて返事を待つ。すぐにどうぞという返ってきた。


「失礼いたします。お二人とも中へ」


促されて中に入る。

「失礼しま〜す……」

「失礼します」

「あとは所長が対応したいます。それでは失礼いたします。」


扉の閉じる音がして、女性の歩く音が扉の向こうで遠ざかっていく。


所長室の中には、白衣を着た背の高い、歳を取った男性がいた。彼はわたしたちをみると微笑んで言った。


「わしは、大陸西部魔物研究会ラヤ支部のコモリエ所長、といいます。はじめまして」

「ロロです、はじめまして」

「アギノフです、はじめまして」

「ほほほ、そんなにも緊張しないでもらいたい。今回わしはあなた方にとても感謝している。さあさ、座ってお話しをば」


コモリエ所長とテーブルを挟んで、ロロといっしょにソファーに座る。


「それでは今回あなた方が持ってきた魔物について話します。あれは、変異種です。」

「「変異種」」


同時に返事をしてしまう。


「ほほ、変異種とは何らかの理由で魔力を多く取り込み、強力になった魔物のことです。ありあまる力から凶暴になるものも多い」

「そんなにも危険な魔物だったんですね〜」


ロロが隣で身震いする。


「はい、よく仕留めたと思いますよ」


コモリエは姿勢を正し、真剣な顔になる。


「変異種はレアものです。さらにあれはもともと銀魔猪という数が少ない魔物。ぜひとも研究がしたい。つきましては」


彼は大きく息を吸う。


「50万ドエルで、お譲りしていただきたい」


受付の女性と同じように所長も興奮を抑えきれない様子だ。

ドエルという単位だが、これはお金の単位で1ドエル=1円で考えていい。つまり、50万円!普通のゴブリンは1匹で100ドエル。つまりゴブリン5000匹分の値段。


「わあ〜……行商人やってきてこんなの初めて関わりました……変異種」

「わたしも初めてです」


コモリエはそれには答えず、黙って返事を待っている。


「あ、すみません。わたしはそれでいいです。」


隣を見て意見を促す。ロロはうなずいてコモリエに答える。


「わすはアギノフさんに合わせますよ」

「おお!それでは交渉成立ですな!」


コモリエはわたしに右手を出して握手を求める。握り返した。ロロとも握手をしていた。


「受付まで行って伝えにいきましょう。待合室で椅子に座っていていただけますかな」


3人全員で所長室から出て受付に向かう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ