四つ目の友情
これは、僕が出会った不思議なお姉さんのお話
〈登場人物紹介〉
○天野 友陽
小学四年生の少年
後悔ちゃんが見える
○後悔ちゃん
友陽が出会った幽霊のお姉さん
青春をしているやつが好き
〈前回のあらすじ〉
後悔ちゃんが公園にいる理由が分かった!
「というか少年、さっきから年齢めちゃくちゃ気にしてるけど、そんなに大事?」そう言って僕を見上げてくる後悔ちゃん。彼女は座っていて僕は立っているので、今なら彼女の頭のてっぺんが見える。彼女が動くたびに彼女の襟足がサラサラ揺れる。
「気にしますよ!お姉さん大人じゃん!」と言い返すと、彼女はふっと悲しげな表情になって「大人か・・・」と呟いた。そういえば、女性は年齢を気にする人が多いと前にお母さんから聞いたことがある。誤解されてしまったかもと思い、慌てて「あのっ、おばさんって意味じゃなくてお姉さんって意味で言ったつもりで!すみません!」と訂正すると、あははと豪快に笑ってから「全然気にしてないよ!」と明るく返してくれた。
「あの、お姉さん。」しばらくの沈黙を壊すために意を決してそう話始めると突然、「そのお姉さんって呼ぶのやめろよ!さっきまで後悔ちゃんって呼んでくれてたじゃん!」とお姉さんが立ち上がった。「え?」僕が目を丸くしていると、「10歳の今を生きているキミと18歳の頃に死んだわたしだったらどっちが偉いと思う?」とまくし立てた。
彼女のその一言がかなり僕の心に引っ掛かる。
「たとえ亡くなっていたとしても18年生きてたことに変わりはないし、僕が年上を敬いたいってだけで。」と返すと「じゃあ、呼び方戻して。命令。」と言いながらベンチに腰かけた。
「あの、おね、後悔ちゃんが亡くなったのって18才の時なんだよね?」ベンチに座り直しながらそう質問すると「そうだけど、それが何?」と不機嫌そうな返事が返ってきた。「なんで亡くなったの?病気とか?」ずっと疑問に思っていたことを思い切って聞いてみる。「あ~っ。」っと明らかに表情を歪めた彼女。もしかして聞かれたくなかったのかな?でも、彼女のこと知りたいし。そんな思いをこめて彼女の目を見つめる。すると、彼女がゆっくりと口を開いた。
「自殺だよ。」
〈次回予告〉
後悔ちゃんが亡くなった理由を知った友陽は-