二つ目の友情
これは、僕が出会った不思議なお姉さんのお話
〈前回のあらすじ〉
公園で不思議なお姉さんを見つけたよ!
「ところで少年、名前は?」足をバタバタさせながら(靴の動きでなんとなく分かる)そう聞いてくる彼女。「天野 友陽です。友だちの友に太陽の陽で友陽です。お姉さんは?」自ら名乗ってからそう聞き返す。僕も名乗ったのだからお姉さんも名乗るべきだろう。そう目線で訴えると、彼女が僕から目を反らした。
「忘れちゃった。」僕から目を反らしたまま遠くを見てそう答える彼女。先ほどまで楽しそうだったのに今は悲しそうだ。思わずえ?と呟くと「最後に名前呼ばれたのいつだろ~。」と言って伸びをする彼女。「友陽、素敵な名前だねぇ。」そう言ってにこにこと笑う彼女が取り繕っているように見えて「じゃあ、後悔ちゃんね!Tシャツに書いてあるし!」と呼び名を提案した。彼女は目を一瞬見開いた。
彼女の見た目(足首が透けていること)や発言からなんとなく彼女がこの世の者ではない気がしている。思いきって「後悔ちゃんは何者なの?」と質問してみると、フフッと笑ってから「キミの想像の通りだよ!」と答える彼女。どうして僕の考えていることが分かるんだろう?と思っていると、「キミの視線や態度でなんとなく分かるよ~。」と言われた。
「そういえば!さっき僕に向かって見えるのか聞いてきたけど、見えない人もいるの?」ともう1つの疑問をぶつけると彼女は笑顔でうん!とうなずいてから「見える人に出会うのって大変なんだよ~。それに、見えても無視する人とかもいるからさ。」と説明してくれる。