現状整理と今後の方針
読んでくださった皆様ありがとうございます。
マイペースに更新しますので暖かい目で見守っていただけると嬉しいです。
筋トレと座学を繰り返す毎日に、ようやく体が慣れてきた。
初めはクロエのスパルタ教育に絶望しかけたが、今では筋肉痛がない日が不安になるほどだ。
気づけば、訓練の合間に魔力操作の練習をする余裕すら生まれていた。
そんな折、ふと今までのことを振り返り、今後の方針を考えてみることにした。
現状の整理をしてみよう
六属性はすべての属性に適性がある。
自分には火や水、木といった分類がないため、どの魔力も扱える可能性がある。
ただし、それは"可能性がある"だけで、実際にどの程度使えるのかは未知数だ。
現時点では、属性や能力の発現に執着せず、焦らずにじっくり取り組んでいくべきだろう。
走り込みと筋トレには、体力作り以外のメリットがある。
クロエは、これをただの基礎鍛錬とは言わなかった。
考えてみれば、走り込みは単なる持久力の強化ではなく、魔力を内側に圧縮する訓練の側面もあるのかもしれない。
実際、クロエが指導するトレーニングは「魔力を外に出さずに制御する」ものばかりだった。
つまり、魔力の流出を抑え、圧縮することが鍵なのではないか?
得意なことを伸ばすほうがいいだろう。
過去の経験から確信していることがある。
不得意なものを伸ばしても、せいぜい人並みにしかならない。
努力すれば秀才にはなれるかもしれないが、天才にはなれない。
特にこの世界では、"並"では生き残れないのは明らかだ。
それならば、他の要素を補えるほどの"武器"を見つけ、それをとことん鍛えるほうがいい。
現状の自身の強みは
審判の部屋を壊した人間は、歴史上、自分以外にいないと聞いた。
もしこれが"特殊な力"によるものなら、ここを伸ばすのが最適なはずだ。
しかし、問題は自分がどれほどの魔力を持っているのか、正確に把握できていないことだ。
比較対象がないため、壊した時の"大量のエネルギー"がどれほどのものなのか、数値化できない。
だが、一つだけ確信していることがある——魔力を内に蓄える容量が、人より圧倒的に大きい ということだ。
そして、もう一つ。
自分は、その魔力量を"自然に抑え込めている"。
普通なら大量の魔力を持つ者は、それをうまく制御しなければ魔力漏れが起きる。
しかし、自分にはそれがない。つまり——圧縮する力が、人より優れている可能性が高い。
審判の部屋を壊したメカニズムを自分なりに考えると
あの時、なぜ審判の部屋は壊れたのか。
まだ確証はないが、一つの仮説がある。
「弓の弦を引き絞り、一気に解放したような状態になったのではないか?」
自分の魔力が、一瞬で収束し、爆発的に放出された のだとしたら……。
もし、それに方向性 を持たせることができれば、それは強力な攻撃手段になり得るのではないか?
今後の方針 ひとまず、今日整理した考えをもとに、明日クロエに相談してみよう。
自分の魔力をより効率的に圧縮する方法があるのか、そしてそれを戦闘で活かせるかどうか。
クロエなら、何かしらのヒントをくれるはずだ。
何も考えず鍛えるだけだった日々に、一つの目的ができた気がした。