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セバスチャンと正宗の2人に魔法を教えている最中、セバスチャンの方は俺のイメージが伝わっているのだが、正宗には伝わっていないようなのだ。
なぜなのか考えていると、セバスチャンから声が掛かる。
「教養の差ではないででしょうか?」
「たしかにな~、学校でも作るか?ここに」
そこには植林したばかりの気が植えられている場所であり十分なスペースもある。
しばらくセバスチャンと話し合た結果、ここに小規模ではあるが学びやと図書館を作成することにした。ゴブリン達に頼んで基礎がしっかりした学び舎と図書館を作成してもらおう。
学び舎には最初、正宗たち精鋭部隊が入りある程度俺のイメージが伝わると判断したところで前線に戻ってもらい、俺が魔法の教育を行う。これが一番効率出来だと思う。
教師を務める程、頭のいい奴はここには俺とセバスチャンぐらいしかいないし、俺は常に防衛拠点にいなければならない。そして、俺の伝令であるセバスチャンはダンジョン各所へ俺の命令を運ぶため、一定の場所に固定されるようなことはしたくない。
俺とセバスチャンが悩んでいると後からスライムが出てきた。
「それならば儂に任せてもらおうかのぉ。こう見えて儂、物事を教えるのが得意でのぉ」
そこにいたのはスモールスライムのビックであった。
「じゃあ、教師はビックに頼もうかな。お願いね」
「任された!」
そうして教師が決まる。だがどうやって教えるか。今はダンジョンの力を使ってなんの苦労もなくコミュニケーションを行うことが出来ているが、この先その特典が続くとは限らない。
ならば最初は言葉の読み書きから始めるとするか。俺はそのほかにも学びのためになるよな本などを召喚し仮の図書室に保管していく。
「ただ、本が入れられているだけの棚だけど、これからどんどん大きくなるだろうし、もう少し作っておくか」
そうして仮ではあるが学び舎と図書館が完成した。ここで吸収した知識を元にダンジョン防衛を頑張ってもらいたいものだ。そしてその知識を防衛だけではなく色々なものにあてはめ、効率化してほしいものだ。将来校長になるであろう俺は台本はこのくらいでいいだろうと考え、防衛拠点に戻っていく。だろう。