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処女作品

様々な意見お待ちしております

 ある日なにも無い空間に物質が生まれ、星が生まれ、生命が生まれた。

一つはこれからどのような幸せが訪れるのかを思い喜び、もう一つはこれから起こるであろう無限の悲劇に涙を流し、思いを馳せる。やがてこの二つは星に命を吹き込み一つとなった。これがこの世界に伝わる世界の始まりでありそこから派生した様々な教義が現在の教えとなっている。今も新たな教義が、世を回っている。


 今回はそんな魑魅魍魎が跋扈している世界にいる一人の幸せと、悲劇の物語。




○○○




「すまん、金貸してくれ!!!」


 俺は今同じ冒険者仲間である槍使いに、金貨を肩代わりしてもらうとせがんでいる最中である。自分はそこそこ良いランクの冒険者であり、プライドもあるが今回はそんなことも言ってられない。

 なぜなら、自分が生まれ育った孤児院が魔物の襲撃を受け半壊になり修繕費が馬鹿にならないくらい必要になっているからだ。幸い死傷者は数名で済んだのだが、建築物は半壊状態になっている。


「ごめん、無理」


 槍使いが言う。しかし、これは予想していたことだった。いくら冒険者仲間であろうと多額の金銭の受け渡しは必ずトラブルが起こるため、物好き以外のほとんどの冒険者は避けていく。

 多額の金銭を前にしたリーダーが何かと理由をつけてパーティーの金を集め夜逃げするという話は冒険者間での笑い話の一種だ。槍使いには俺がそのような人物だと捉えられていたのだろう。


 そして俺はもう一人の冒険者仲間である騎士に金貨をねだった。


「おねがいします。お金を少しでもいいんで貸してください」


 槍使いが自分との言葉使いに違いがありすぎると少しばかりの協議をしてくるが無視をする。


「孤児院の再建にお金が必要なんです!!お願いします」


 騎士は少し困った顔をしながら了承のうなずきを返す。そこで槍使いが騎士に向かって、こいつに金は預けないほうがいいと横やりを入れてくる。それに対し俺はムカつきながらも表層は冷静を保ったまま騎士に話しかける。


「ありがとう。早速で悪いんだけど孤児院に金を渡そう」


「了解した。私が責任をもって孤児院に寄付金を納付してこよう」


 騎士はそういうと懐から金貨がずっしり入った袋を取り出し、机の上に乗せた。そして、俺の金をもって席を立とうとする。しかし俺はそれに待ったをかけ、自分の分は自分で持っていくと主張するように自分の金貨の入った袋を持つ。

 金をとられる危険性もあるからだ。そして席を立とうとすると先ほどまでそこにいたはずの槍使いの姿が見つからない。


「「まさか!!」」


 袋を開けるとそこには銅貨がびっしりと詰まっていた。そう槍使いがあの一瞬でネコババしたのである。


 俺たち二人は周りを見渡すが、人が多すぎて見分けがつかない。急いで冒険者組合から急いで出る。組合を出るとそこには城門を潜り町の外へはい出る槍使いの姿が見れる。パーティーの中で一番素早い槍使いを捕まえられるはずもなく、止める術もない。


 俺と騎士は夜な夜な槍使いが隠れていそうな場所を手当たり次第探す。しかし、どこにもおらず、重く苦しい雰囲気が騎士との間で漂う。槍使いに誘われ当時、そこいらではかなり有名だった槍使いと、騎士との3人で冒険者パーティーを組んで3か月、俺と騎士はあんまり会話はしてこなかった。

 

 会話を盛り上げていたのは槍使いであり、もしかしたら槍使いはそれに嫌気がさし、逃げ出したかったのかもしれない。会話がない状態が続く中、騎士が声を発する。


「パーティーを解散する」


 発された言葉は俺が予想していた通りの言葉だった。しかし、その発さられた言葉は余りにも短く、余りにも重すぎる言葉だった。なぜか、それはお金を効率的に集める手段を失うということであり一人でお金を集めなくてはいけないということになるからだ。一人でクエストを進めようにもあまりにも時間がかかりすぎる。

 

 もう一度騎士に声をかけてせめて今日の夕暮れ時まで一緒にクエストを受けてくれないかと考えていると。いつの間にか冒険者組合の前に戻っていた。そこにはすでに騎士の姿は無い。魔法を使ってどこかへ行ったのだろう。

 明日には孤児院の解体作業が始まる。俺はなけなしの金を使い孤児院の土地だけでも買うため、国営役所にいくことにした。


「次の方どうぞ。Bランク冒険者さんの主人公さんですね?こちらの土地契約書にお名前と魔力と血をお願いします。ハイ、ありがとうございます。お次はこちらの書類のほうをですね...」


 これにより俺は晴れて孤児院だった場所、俺の思い出の場所であった土地を買うことに成功した。すでに魔法解体業者はいなくなっており無残な瓦礫のみがあるばかり。

 孤児院の面影がきれいさっぱりなくなる位解体してくれた業者に感謝するべきか否か心の中で考えていると、男神と女神の像の瓦礫に目がいった。


 これはもともと信仰の対象である2神を偶像としている教派である孤児院で俺が幼いころからずっと同じ場所に置いてあったものである。

 しかし、あるものが足りていないことに気が付いた。元々、男神の像と女神の像が持っていた一つの水晶玉みたいなものがあるのだが、それがない。


「あった‼」


 30分ほど探して見つけたのは懐かしき水晶石。 


「まじかよ」


 孤児院にあった思い出がすべて打ち壊され、せめて水晶石でも残っていて欲しいとと願ったが、そこにあったのは真っ二つにきれいに割れている水晶石だった。しかし、割れた側面の一点が異様にキラキラと光っている。


 孤児院がなくなった影響で日の光が直接反射しているかと思ったが、今は夜明け寸前だ。異様な雰囲気を出すそれに近づいていくとそれは一つの指輪のように見えた。


「なんでこんなところに指輪が?」


 そんな風に考えているといつの間にか指に先ほどの指輪がはめられていた。驚きながらこれはやばい奴だと俺の感が叫んでいるが、いくら力を籠めようと抜けない。これは呪われのものだと冷静に考え、ほかの人に指を切り捨ててもらおうと顔を上げるとそこには真っ黒い空間が広がっていた。


 これは俺を恨む誰かの罠だったのかと考えていると、向こうに光っているのを見つけた。


 それは今さっきまで浴びていた朝の光に代わるような暖かな光で俺を包みこみ、昔路地裏に捨てられおびえて過ごしていたあの日のような夜の光の鋭さで俺を突き刺す。そこには俺が探し求めていた水晶石があった。しかし、見上げるほど大きい。


「なんだこれ...」


 その巨大な水晶石には俺が今まで使用してきた魔素の総数が赤ちゃんに見えるほど、ありえないくらいの魔力が込められていた。ここまでくると誰が来ても自分はかなり危険な場所にいると考える。ここからどのように出るか考えていると突然、水晶石から光の柱が俺に飛んできた。


 これはやばい!!


 自分が持っているすべての魔力を使用し魔法障壁を起動する。魔法障壁に阻まれた柱は光が霧散し消えていった。俺が安心したのもつかの間、視界が白いっぱいになるほどの光が発生し、俺の意識は消えていく。意識が消える寸前俺は自分が死ぬんだなと悟った。




○○○


 


 そんな事件から、この星が恒星の周りを1000周くらいした時間が経過し、だれもがその事件を忘れていたころ。主人公は目を覚ます。


「んーーー」


 久々にこんなに気持ちよく寝れた、さて今日はどんな依頼を受けようかなと考えていると、自分の中にありえないくらいの魔力があることに気が付く。そして今まで起きたことが夢ではないことを理解し、周りを見渡すとそこには小さい水晶石があり、洞窟にいることが分かった。


 よくわからないが家に帰ろうとし、水晶石をもって洞窟から出ようと水晶石を触ると俺の中で何かが変わった。


 そんな違和感を感じながらも洞窟から外に出ようとするが外に出れない。外に出ようとすると障壁のようなものがあり、出れないのだ。石や草などを投げると外に出るため、自分だけが外に出れないようだ。今度は洞窟の壁を削り外に出ようとするが異様に魔力が込められており、削るのに時間がかかる。


「どうしたもんかなぁ」


 このままだと助けがする前に餓死してしまう。そして、助けが来るかもわからない。途方に暮れているとモンスターが少し向こうから魔力の動きを感じた。前の俺はかなり近くに来ないと魔力の動きを感じれなかったのだが、今の自分は自分でないよな感覚があるため、納得してしまう。


 その魔力の正体は魔物であった。ウサギ型の魔物であり、そいつは俺めがけて突進してきた。


「武器!武器がない!」


 意識を失うまで持っていたはずの俺の獲物である銃はなくなっており、素手の状態で魔物と対峙しなければいけないようだ。体術の心得は多少はあるものの対人用であり、魔物相手にはほとんど通用しない。魔力で身体強化を行い、突進をよける。


 しかし、ウサギ型魔物は突進の勢いを殺さないように緩やかな曲線を描きながらカーブしてくる。俺はそれをよけきれずもろに食らう。


「グハッ‼」


 魔物の魔力のこもった一撃はたとえベテラン冒険者でも命を落とすことはあり、武器のリーチや防具で防ぐことが鉄板である。


 その一撃を食らったことにより体は宙に浮き、洞窟の壁に飛ばされる。しかし、俺は攻撃を食らう直前に後ろに飛んだため勢いを殺すことに成功した。


 次の一撃が来る前に耐性を立て直さないといけないと思い、顔を上げるがそこには洞窟の壁に突き刺さっているウサギ型魔物がいた。俺は安どのため息を漏らしながらウサギ型魔物を殺すと。


『ダンジョンレベル1上昇。現在レベル1です。』


 突然の他者の声に驚きはしたがどこかで納得していた。どうやら俺はダンジョンマスターになったようだ。


「ということはこの水晶石がダンジョンの核か」


 ダンジョンは様々な系統があり、天空のダンジョン、深海のダンジョン、王宮のダンジョンなどが有名である。ダンジョンにはその系統にあった魔物が徘徊しており、それを倒すことで部位を落とすのだ。本来の魔物は死んだらそのままになるのが、ダンジョンではある一定の部位を残し後は瞬時に蒸発してしまう。

 

 ダンジョンの核には相棒がおり、多種多様な種族が選ばれる。ダンジョンによって召喚されたものはモンスターと呼ばれており、ダンジョンの外にいるものは魔物と呼ばれている。


 竜族、ドラゴン族、龍族などがよく選ばれている。それはなぜかただ単にダンジョンの核を見つけるのが得意だからであり、キラキラしたものに目がないということだ。逆にスライムやウサギも選ばれることもある。


 これらは竜、ドラゴン、龍族とは違い知能が高くないためダンジョン核にある情報が相棒にインプットされるのである。


 それが今回は俺だったということだ。どうやらダンジョン核にオレはダンジョンの相棒として知能が足らないと判断されたようだ。


 「じゃあ、早速やってみるか」


 そうこれからインプットされた情報をもとにダンジョンを作成しようとする。ダンジョン核が破壊されるとどうやら自分も破壊されるようで、ダンジョン核を守るために防衛拠点を作成しなければいけないようだ。それがダンジョンであり、相棒でもある俺の役割だ。


 ダンジョンに侵入してくる敵はすべて排除するべき敵であり、何人たりとも生きて返してはいけない。生きて帰ったものはその情報をもとにあらたな侵入を行ってくるからだ。だから殺す。至極単純な話である。


 自分の中での認識が書き換わっていくのを感じながら俺はダンジョン核の奴隷になり下がったんだなと感じるひと時であった。


「でもなぁ、インプットされた情報は最初の説明だけなんだよなぁ」


 ため息をつきながらどうするか考える。そうどれをそうすればいいか何にもダンジョン核から説明されていないのである。ダンジョンがどのようなもので、どのような仕事をしているかの説明はあるが肝心などのようにダンジョン核を防衛していくかがインプットされていないのである。


「ま、最初はモンスターを召喚しますかね」


 先ほど退治したウサギ型魔物のような魔物がいつ襲ってくるか分からない。なるべく対応できる札は持っておいたほうがいいし、気を紛らわすためにも使える。こんな洞窟で死ぬまで一人とかはごめんだからな。そして、鍬と水を召喚し、薬草を育てることにする。


 スライムも生物だし食べ物が必要だからだ。幸い少量のため、そこまで大量に育てなくていいが見たところ回復草なので育てておいて損はないと考えた。さらに簡易用トイレを設置し肥料にできるように密封した場所も作った。完全には密封できていないが間にスライムを挟めば匂いは気にならないだろう。

  

 そしてスライムのリーダー格に召喚したスライムにまとめ役をお願いする。付与するにもDPを使うため今は一匹でいいかな。


「そして大切なのは隠し通気口を作っておくことだな」


 そう火攻めなどに対抗するためである。俺は長らく眠っていたが、その間にも世界大きな発展を遂げているだろう。ダンジョンのこともあらかた調べ、俺やモンスターが外へ出られないもの知っているはず。ならば火攻めや、水攻めといった攻撃をしてくる可能性だってあるはずだと考える。


 この隠し通気口は、こぶしが入らないくらいの大きさの穴をあけ、魔力鉄を召喚し俺の魔力を常に流し続け固定する。今の俺の魔力は前の俺と比べ明らかに増えているだろうし、外せることはなかなかないだろう。後は草木を被せることでカモフラージュが可能である。


「結構きついな」


 そう今の一連の召喚作業でダンジョン核に溜まっていた魔素を使用してしまったのである。ほとんど通気口にもっていかれたが環境を整備するのは大切だと自分の中で納得する。


「さて、どうやって魔素を貯めようかな」


 そう魔素確保の方法は魔物をダンジョン内で殺すこと。そうすれば一定の部位だけ残して後は蒸発、もとい吸収される。そのほかにはダンジョンで作ったものをダンジョン核経由で各国の商人ギルド、冒険者ギルド、国に発送される。


 しかし、冒険者などがダンジョンを攻略するとダンジョン内にあるすべての物資を好きなようにできるため、ダンジョン攻略はまさに冒険者や国にとって一獲千金の夢なのである。


 ダンジョンからしか手に入らない、アダマンタイト、ミスリル、ヒヒイロカネなどがあり皆血眼になってダンジョンを探し、情報を集め、攻略しようとするのだ。そう考えていると、外から鳴き声が聞こえる。


「これはゴブリンが威嚇するときに発声する鳴き声かな?」


 俺にとって聞きなれたその鳴き声は、個であれば大した強さを持たないが集団になるにつれて脅威が増していく厄介な魔獣だった。ゴブリンはよく物語などで小さく書かれているが本来は大人と同じくらいのサイズで、身長150-180くらいの大きさである。


 ダンジョンの入り口近くで何やら騒いでいるそれらは俺に気が付くと、親の仇のように走ってやってくる。俺は魔力を少しずつ展開しダンジョンの中に戻りながら人数を数える。


「大人が4人子供が2人。6人かな?」


 俺はスライムに足止めを命じ、相手がスライムに夢中になっている間に魔力隠蔽で存在を薄くし、背後に回り、子供を2人殺す。蒸発もとい吸収されたことを確認し、スライムと俺で残った4人を挟み撃ちにする。

 

 3人がこちらにやってくるが、武器を持っていないのですぐにダンジョンに吸収させることができた。残り1人はスライムに絡まれ窒息死しており、スライムが意気揚々に死骸を食べているが、すぐにダンジョンに吸収されてしまう。


「よし、これで新しいモンスターを召喚できる」


 そう言って俺は新たなモンスターであるゴブリンを召喚した。そこには子供のゴブリンが10人ほど召喚されていた。そのうちの1匹にリーダーを任せることにした。召喚されるモンスターは必ず生態が一番幼い状態でかつ、ある程度一人でできるようなものを召喚する。


 モンスターと魔物の違いはダンジョンの外に出られないことと、ダンジョン核とその相棒である俺に絶対服従であるということだ。


「じゃぁ、まずお前らが生活するうえで必要なものを各自ダンジョン内から集めて生活してくれ」


「ギャギャッ」


 そういうとゴブリンたちが衣食住をそろえるために動き出した。


 それから魔獣が魔獣が来てはそれを撃破、撃退し魔素を貯め。ゴブリンやスライムとの訓練を重ねた。そのうちのリーダー格のゴブリンは溜まった魔素をふんだんに使用し正宗、スライムにはビックという名を付けた。


 正宗には刀を持たせてどのように使用するのか説明した。この二人には俺と訓練を行う中、自分たちの種族をまとめ訓練を行うよう指示している。


 俺は自分の周りの環境の整理と、ゴブリンたちの生活環境改善に取り組んでいる。正宗経由できれいにするように伝えているがゴブリン達の価値観でのキレイは俺のキレイとはかけ離れたものであり、それを改善する必要があると感じたからだ。


 そんな時ひと際目立つ魔物が現れた、それは一見してみればただの大きい角を持った鹿であり、森でよく見るもろである。


 しかし、その角が異様な雰囲気とともに魔素をまとっている。それは魔物のしるしであり、ダンジョン入り口付近で訓練を行っている正宗たちゴブリンに向かって魔法を使用しようとしている合図だからだ。


 今から正宗に合図を出しても間に合わない、正宗たちは無視して鹿を倒そうと俺の冷たい部分が言う。

 

 しかし、今ここで正宗たちを殺してしまえば俺は一生後悔するだろうと考え、日々ためていた魔素を消費し鹿型魔物と正宗たちの間に魔素吸収型ゴーレムを多重展開した。正宗たちは驚きながらも状況を察したらしくゴーレムの後ろに隠れる。


 そして鹿型魔物が魔法を展開し、轟音がダンジョンの中に鳴り響く。それは雷がすぐ近くに落ちたかのような光とともにダンジョン全体を光に染めた。


 光が収まり、視界の確保ができるようになるとともに正宗たち、ビックらが即座に鹿に攻撃を行う。相手は身体強化魔法を展開しておりなかなか味方の攻撃か届かない。


 そんな中味方のゴーレムが前線。しかし、なすすべなく、破壊され土に還っていく。


 俺は後ろで指揮を行いつつ攻撃できる機会があればけん制要員として、魔法を打っていた。


「さて、どうやって倒すかねぇ」


 鹿は魔法による強化を行っており、そっとやちょとの攻撃では歯が立たない。いまゴブリンが持っている剣では100回切っても身体強化魔法を貫通することは不可能だろう。スライムはどうか、ビック達に何か策はないか聞いてみるとあの角をどうにかすればいいのではないかといわれる。


「たしかに、あの角を杖のかわりにして魔法を発生させている可能性もある。だけど問題なのは角じゃなかった場合なんだよねー」


 角を折れば魔法を発生させることなく倒すことは可能になるが、もし角ではなかった場合どうなるか。誰に見ても悲惨な結果になること間違いなしだろう。


「だけどもうこれにかけるしかないんだよね」


 すでにゴーレムはいなくなっており、俺の魔法で何とか牽制しているだけであるからだ。このまま魔法を打ち続けてもいいが、なんかの拍子で一気に来るかもしれない。そんなことを考えていると、鹿が動いた。


 速度重視の身体強化を行い、防衛の要である俺を倒すために一直線に向かってくる。今の鹿を止めることのできる馬力を持つものはおらず、モンスターを生み出す魔素もなくなった。


「しゃあない、俺が受けるしかないかな」


 俺は覚悟を決め鹿の突進を身体強化を用いて止める、角をもって折ろうとするが雷魔法を発生させられ、俺は意識を失った。意識を失う直前、最後に見えたのは正宗が角を切り、ビックが角を折る光景だった。

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