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死神の魂刈り  作者: しゃけ
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第二話 隠れた能力

 俺が持つ全財産はこつこつためてきた、金貨1枚と銀貨60枚だ。


 銀貨1枚が銅貨100枚と同じで金貨1枚は銀貨100枚と同じ価値なのだ。

 

 もともとこのお金は、王都からも追い出されたとき様なのだが、想像しているようなことが無かったので、この際に使ってしまおうという事だ。


 市場をしばらく歩いていると一軒の武器屋を見つける。

 俺はその店の脇にある一振りの剣に目を奪われる。

 その剣は薄く細長い、まるでレイピアを思い浮かばせるような剣だった。そんな不思議な剣だったが、俺にはそれ以外の武器を選ぶということはできなかった。


「すみません、この剣を買いたいのですが」

「お客様、その剣でよろしいのですか?この剣は呪い武器なのですが」


 その言葉を聞いた瞬間なぜ、俺がこの一振りを選んだのかが分かった。自分と同じような武器に惹かれたのだろう。


  呪い武器はその名の通り、呪われたスキルと同じように呪われている武器の事を指す。俺が惹かれたというのは、ほとんどの呪い武器はスキルと同じく強力だがデメリットがある。しかし、呪われたスキルを持つものはほとんどの呪い武器のデメリットを受けずに済む。


「ああ、俺はコイツがいいんだ」

「分かりました。銀貨25枚になります。ありがとうございました」


 俺はすぐに銀貨を払い剣を受け取る。すると、声が聞こえる。


『僕を選んでくれてありがとうございます。これからよろしくお願いします』

「こちらこそよろしくな」


 これも呪い武器の特性の一つである生きているといもので、喋る事ができるのだ。


『実は僕、呪い武器の中では特殊で呪われたスキルを持つ人でもデメリットを受けてしまうんです』

「そうか、じゃあその内容を聞く前に、まず名前教えてもらえるか」

『僕の名前は、シュテルクストと申します』

「そのまま読むと少し長いから、『シュテル』って呼んでいいか?」

『はい、それで構いませんよ』


 これからの相棒の呼び方が決まったところでデメリットの内容を聞く。


『それでは、僕の特徴を、良いところからいきますね。僕の良いところは武器としての切れ味と、今の段階ではこの形態しかないんですが、これからノワール様と一緒にいると形態が増えます。デメリットの部分ですが、僕を使う人からステータスをもらわないと、切れ味の低下、最悪の場合は僕は死んでしまいます。』

「なるほど、ていうか何で俺の名前を知ってるんだ」

『それは、私が呪い武器なので、使用者の心を読むことができるのです。』

「呪い武器ってそんな特徴があったんだな。シュテルのステータスをもらうって自動的に持っていかれるのか?」

『いえ、使用者の方が許可した場合のみです。あと、言い忘れていましたが形態が増えるというのはもらったステータスの量で増えます』

「じゃあ、死んでしまうというのはどういう事なんだ?」

『死んでしまうというのは、武器が完全に壊れるという事です』

「細かい説明ありがとな。次は、シュテルの鞘でも買いに行くか。」


 シュテルからの説明を聞き終えて、知識が深まったところで鞘を売っている店までたどり着く。せっかく、これからともにする仲間になったのだから、鞘はオーダーメイドにしたいなと思いつつも、店内に気に入る鞘が無いか探す。

 ある一つの鞘が目に入ったところで、シュテルが声を上げる。


『ノワール様、僕、あれ、あの鞘がいいです』


 突然シュテルが、声を出したことに驚きつつも鞘の前に向かう。鞘の値段はそこまで高くなく、俺からしてもいい感じの見た目だ。真っ黒な見た目に白のラインが横に入っている。


「ほんとにこれでいいのか?だって鞘って剣にとっての家みたいなもんだろ?」

『ノワール様、僕はこれがいいです』


 シュテルに再度そういわれ、店主に声をかける。店主はすぐにこっちの方に来てくれた。


「こちら、銀貨20枚になります。ありがとうございました。」


 早速、買ったばかりの鞘にシュテルを入れる。


「シュテル、どうだ?」

『かなり居心地はいいですよ!』

「よし、それでは今から魔物を狩りに行くか」

『おー』


 * * *


 初の魔物戦は、王都の近くに生息している中で最弱のスライムに決める。

 念のため自分のステータスを確認しておく。この世界は、自分のステータスは自分で見ることができるのだ。他人のステータスは《鑑定》スキルを持っていないとみることはできないけど。


・ノワール・モルテ

 体力…74

 筋力…97

 魔力…61

 俊敏…82

  運…13

 スキル…死神


 これぐらいのステータスがあればスライムぐらいは倒せるはずだ。しかし、なぜだろう。本来あるレベルの欄が無いのだ。不思議に思いつつも相棒に声をかける。


「シュテル行けるか?」

『はい!問題ないです』


 相棒に確認を取り、スライムに切りかかる。呪い武器のシュテルの切れ味は予想よりもよく、一撃でスライムを倒すことができた。それと、同時に無機質な声が頭の中で聞こえてくる。


『死神スキルの発動条件を満たしました。死神スキルの効果を表記いたします』

『死神スキルが発動します』

『ステータスに体力+17、筋力+9、魔力+12、俊敏+10、運+2が加算されます』


 なんだこの声は!ステータスが加算されます?疑問に思った俺はステータスをもう一度開く。


・ノワール・モルテ 

 体力…91

 筋力…106

 魔力…73

 俊敏…92

  運…15

 スキル…死神


 なぜかステータスが上昇している。レベルがないこともあり状況が飲み込めないでいると相棒が考えを教えてくれた。


『ノワール様、恐らくですが、《死神》スキルはレベルの恩恵が受けられなくなる代わりにステータスを奪うというものなのではないでしょうか?スキルの詳細を見ればわかると思うのですが』


 相棒の言葉を聞き、スキルの詳細を見れるようになったことを思い出し、スキルの詳細を表示させる。


 死神…生き物の魂を欲し、喰らった魂の力を奪うことができる。定期的に魂を喰らわねば自我が保てなくなり、人でも魔物でもすべての生物に襲い掛かり魂を喰らう。


 呪われたスキルは強力だと思っていたがここまで強いものだとは思っていなかった。


 このスキルは誰にもばれないようにしなくては

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