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幕末京都の御伽噺  作者: 鏑木桃音
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亥の子餅

とばしてしまった話をやっぱり必要なので割込み投稿します。

10月2日亥の刻(22時)

亥の月亥の日火鉢を出す日。

亥の月亥の日亥の刻亥の子餅。

亥の月亥の日亥の刻に亥の子餅を食べるのは健康と子孫繁栄を願う風習である。

葛の葉が、亥の子餅を三つ持ってきた。これを火鉢で軽くあぶって、食べると美味しいの。

葛の葉と槐と三人でひとつずつ分けあう。

「何餡が入っているかしら」清子はそっと黒文字をいれる。

「私は胡麻餡です。葛の葉は?」

「小倉餡。」

「槐は?」

「柿餡です。」

「お前様、半分交換こしよう。」

「いいですよ。」


「ねぇ葛の葉。私、祇園社から帰って来る時の記憶がないの。乱闘騒ぎの中逃げ出して、それから記憶があいまいで、葛の葉が私に何かを言ったような気がするの。何って言ったか覚えている?」清子は亥の子餅を食べながら考える。

「覚えておらん。忘れたいから忘れているのだ。ならば忘れておればよい。」葛の葉は清子からもらった胡麻餡の餅を頬張りながら答える。

「もう、教えてくれればいいじゃない。記憶がないって落ち着かないものよ。知らない自分がいるみたいで。」

「大したことではないから吾も覚えていない。もう良い子は寝る時間じゃ。それを食べたら歯磨きをして寝ましょうね。」と葛の葉。

「もう、何その言い方は。」清子は頬を膨らませる。

槐は火鉢にかかった鉄瓶から白湯を湯呑みに注ぐ。

「さあ、これを飲んだら歯磨きをして寝ましょうね。」

「もう、槐まで。」






ほのぼのpartではありません。少々怖い話です。3つあれっ?と思ってください。本当にあれ?かどうかはわかりません。

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