表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/13

プロローグ

「お父さん、お母さん。今日は折り入って話があるんだ」


 僕は夕食のテーブルで食事に手をつける前に、お父さんとお母さんの顔を交互に見ながら言った。


 黒髪で短髪、キリッとした顔つきに鍛えられた身体をしているお父さん。

 金髪長髪で、柔らかい金色の眼をしているお母さん。


 そんな二人の息子として生まれた僕は、黒髪の中に少量の金髪が混じり、顔付きはお父さんに似て、眼だけはお母さんに似ているとよく言われた。


「どうしたんだ改まって」

「そうよ。わざわざ改まらなくても、ロゼのためなら人類を滅ぼしてる最中でも聞くわよ」


 なんだよその例え。

 怖すぎるよ。


「おいおい母さん。そしたら俺まで死ぬことになるだろぉ?」

「あら、もちろんアナタは別に決まってるじゃない。だって私はアナタに夢中、なんですもの」

「ま、母さんに殺されるなら俺は本望だけどな!」

「アナタ…………!」

「ちょいちょいちょい!! 僕の話の腰を折ってイチャつかないでよ!」


 隙を見せたらすぐこれだ!!


 親がイチャついてる姿を見せられる息子(ぼく)の身にもなってよ!


「もちろんお母さんはロゼの事も愛してるわよ!」

「父さんだって愛してるぞ!」

「あ、僕も…………じゃなくてさ! 僕は真剣な話をしたいんだよ!」

「アナタ聞いて……! ロゼが……私の可愛いロゼが『僕もお母さん大好き!』って返してくれないの! 反抗期かしら……!」

「何年前の話を……」

「心配するな! 俺達の可愛い息子に限って反抗期なんてあるわけないだろ!! な、ロゼ!」

「いや話聞けや!!」


 一向に話が進まないよ!

 いい加減、僕のペースで話させてくれ!


 …………って、なんで2人とも人生に絶望したような表情になってるのさ。


「反抗期よ…………完全に反抗期だわ……」

「一体どこのどいつが俺達のロゼをこんな風にしやがったんだ……! こうなったら……」

「そうね……」



「「世界を滅ぼすしか…………」」



「親バカやめろおおおおおお!!!!」



 綺麗な満月の夜に、僕のツッコミが響き渡った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ