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優しい家族と、たくさんのもふもふに囲まれて。〜異世界で幸せに暮らします〜  作者: ありぽん


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88意地悪する人達は、お父さんとお母さん達がやっつけるよ!

「旦那様、ザクス様は予定通り、街の裏側へ。こっちは任せろと。」

「分かった。」

 お父さんはアシェルとお話したあと、僕を抱っこしました。それでね、大切なお話があるんだけど、今とっても忙しいから、ゆっくりお話し出来ないから、よく聞いてねって。僕はコクンて頷きます。

 今ね街の人達や、その人達のお友達の魔獣をいじめる、悪い人達がいっぱい、この街に来てるんだって。今聞こえてる音や、さっきの大きな音も、その悪い人達が意地悪して、街を攻撃してる音なんだって。そんな悪い人達がいるの?あっ、リク君大丈夫かな?

「かあしゃん、リクくん、だいじょぶでしゅか?」

 お母さんがお父さんのお顔見ました。

「ユーキ。これからお父さんとお母さんは、助けてって言ってる、街の人達や魔獣達を助けに行くんだ。それと、街で悪いことする人達を捕まえて、お仕置きしないといけない。」

「とうしゃんも、かあしゃんも、わるいひとと、たたかうでしゅか?」

 僕がそう言ったら、お父さんが頷きました。お父さん達悪い人達と戦うんだ。あんな大きな音で、街の人達や魔獣いじめてる人達、もしかして、とっても強いのかな?

「マシロもエシェットも、とってもちゅよいでしゅ!とうしゃんといっしょ、わるいひとたちと、たたかえましゅ!」

「ああ、そうだな。でも、マシロもエシェットも、お父さんがお仕事頼んだんだ。私たちのお家に入って来た、悪い奴らを倒すお仕事だ。この家の中にも、たくさんの人が居るだろう?」

 そっか。メイドさんとか、使用人さんとか、料理人さんや、お庭を綺麗にしてくれる人、お家にもたくさん人がいるもんね。

「お父さん達は外を、マシロ達はお家の中を守って、悪い奴らを倒すんだ。お父さん達が外に行ってるあいだ、ユーキはアシェルとマシロ達の言うことよく聞いて、お家で静かに待ってられるか?」

 マシロ達と、アシェルと一緒。うん大丈夫だよ。でも…。やっぱり少しだけやだな。一緒にいたいな。

「とうしゃん、かあしゃん、すぐかえるでしゅか?」

 僕がそう聞いたら、お父さんがにっこり笑って、早く悪い人達捕まえて帰って来るって。お父さんもお母さんも、皆んな強いの知ってるだろって。

 そうだった。皆んな強いんだ。この前の黒服の悪い人達も、たくさん倒して、皆んな捕まえちゃったもんね。そんなお父さん達だもん。すぐに悪い人達倒して、帰ってきてくれるよね。

 あとね、この前からお家のお庭にいた、騎士さんや冒険者さんも皆んな、悪い人達を倒しに行ってくれてるんだって。

「みんなでしゅか?しゅごいでしゅね。」

「な、だから、お父さん達も頑張って早く帰ってくるから、皆んなの言うこと聞いて、大人しく待っててくれるか。」

「はいでしゅ!ぼく、まってるでしゅ!」

「良し!」

 お父さんが頭なでなでしてくれました。お母さんが、僕のカバンの中に、おやつと折り紙入れておいたから、それで遊んで待っててねって。でもおやつはアシェルが食べてもいいよって、言ってからだって。あと、1番お気に入りのうさぎのぬいぐるみ、持ってなさいって。

 僕がぬいぐるみ抱っこしたら、お部屋出て、1階まで降りました。それから今まで入ったことないお部屋に入りました。休憩するお部屋くらいのお部屋で、置いてある物も一緒でした。机とソファーです。お父さんが僕をソファーに下ろして、カーテンを閉めました。それから、お父さんとお母さんが僕の頭をもう1度なでなでして、行って来ますって。

「とうしゃん、かあしゃん、がんばるでしゅ!ぼく、まってるでしゅよ!」

 お母さんが頷いて、最初にお部屋出て行きました。

「アシェル、頼んだぞ。決めた通りに。」

「勿論です。お任せください。」


 お父さんがお部屋出て行きました。頑張ってね!お外ではずっと、いろんな音がしてます。でも、さっきの1番大きな音がした時よりも、少し静かになったかな?窓の外から声が聞こえてきたけど、なんて言ってるかは分かんない。多分お庭にいた、騎士さんか冒険者さんだと思うんだけど。

 いろんな音聴いてたら、僕、眠くなってきちゃった。アシェルが寝ても良いって言ったから、僕はマシロベッドに寝転がります。シルフィーとうさぎさんのぬいぐるみ、ぎゅうって抱っこして寝ます。なんか安心するから。アシェルがソファーに置いてあった、毛布をかけてくれました。僕はすぐに眠っちゃいました。


<アシェル視点>

「聞きたい事があるのですが?気配だけで、敵か味方か分かるのですか?」

「ああ、分かるとも。殺気が違うのだ。まあ、我にしか分からんだろうがな。」

 襲う者と、それを対処しようとする者。それぞれが違った殺気を出していると言うことか。どちらにしても、ユーキ様を守るのに、これ以上にない守りだろう。


 それにしても、死黒の鷹狩りが、あんなに大規模な盗賊の集団になっていようとは、誰が思っただろうか。報告が来た時は最初耳を疑った。前の報告でその数はおよそ100人から200人と予想されていた集団は、その予想を超え、400人を優に超えるくらいの大集団だった。しかも、魔獣の数も相当な数だ。

 ザクス様が我々に力を貸してくださり、本当に良かった。それに、オリビア様の声掛けで集まってくれた冒険者にも感謝しなければ。

 マシロベッドでスヤスヤ眠るユーキ様を見て、少しだけ心が落ち着いたが、すぐに気を引き締める。カーテンの隙間から外を見た。医療班と、交代で休憩しに来た騎士と冒険者が、この部屋から少し離れた所に見える。それほど医療班は慌てていない。と言う事は、まだ状況としては良い方だろう。これが重症人ばかりで、大騒ぎをしているならば、いよいよ危なくなって来た、と言う事だ。

 そうなれば、旦那様に言われた通り、行動しなければいけない。ユーキ様を守るために。



 

 

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