67マシロとエシェットは凄いよ
途中で休憩しながら、馬車は進んで行きます。カージナルまで3日かかるみたい。お馬さん休ませたり、僕も居るから、ゆっくり街に帰ります。
夜は、林や小さい森の中で、僕とお母さん、シルフィーとディルとリュカで馬車に寝ました。お父さんと他の人達は、お外で寝ます。変な人達や、魔獣に襲われないように、見張りするからだって。
マシロが、自分とエシェットが居るから、大丈夫だって言ったら、お父さん達の訓練にもなるから良いんだって。
あとね、1度お父さんが、マシロとエシェットの事、凄く怒りました。怒ったのかな?なんか頭押さえて、文句言ってました。
旅のご飯は、僕が前に食べた、あの硬いご飯が普通だけど、僕にはまだ早いってお母さんが、森に食べ物探しに行こうとしたら、マシロとエシェットが、場所が分かるから、自分達が行って来るって。
帰ってきたマシロ達が、持って帰って来た魔獣見て、お父さんが叫びました。
「な、何だ、これは!!」
「おお~、しゅごいでしゅね。おおきいでしゅ。」
マシロ達が持ってきた魔獣は、とっても大きい熊さんと、とっても大きくて長いヘビさんでした。でも僕の知ってる熊さんとヘビさんじゃなくて、どっちともおっかないキバが生えてて、熊さんの方は、大きな鳥さんみたいな爪が付いてました。
「何でこんな魔獣が、こんな小さな森にいる!」
「いや、この森ではないぞ。ちょっと行った少し深い森の方だ。我々なら、すぐに行き来出来るからな。食糧がいるのだろう。大きい方が良いではないか。」
「どうしてそんな所まで行ったんだ!それに大きければ良いってもんじゃない!見ろ、馬車の御者が、気絶したじゃないか!」
ぎょしゃってなあに?って聞いたら、馬車を運転する人のことだって。そっち見たら、ノアさんが御者さんの事、支えてました。
「だが、どちらも旨いのだぞ。」
お父さんが2人に、一生懸命に説明します。
2人の捕まえて来た魔獣はね、普通の人には絶対、倒せない魔獣なんだって。とっても強い冒険者さんも、あんまり倒しに行かないって。倒しに行くときは、たくさんの人が集まって、倒しに行くんだけど、それでもお怪我する人がたくさんいるって。
そんなに強い魔獣、倒しちゃうなんて、やっぱりマシロとエシェット凄いね!僕が2人を褒めてたら、
「ユーキ違うんだ。確かに凄いんだが、父さんが言いたいのは、そう言うことじゃないんだ。」
そう言って、お父さんが自分の頭、ガシガシ掻いてました。ん?凄いんだよね?ならやっぱり拍手だよね。僕はもっと拍手です。
チラッて、お母さんの方見たら、お母さんとアメリア、ニコニコ物凄い笑顔でした。
「はあ、それにしても、これをどうするか。解体するにしても、時間がかかり過ぎるぞ。だからといって、そのまま置いといても、また気絶する人間が居るかも知れんし。本当にどうするか。」
「何だ。解体するのに困っているのか?なら、ほれ。」
エシェットが手を上げた瞬間、風が吹きました。ちょっと目瞑っちゃった。それでね、目開けたら、魔獣がバラバラになってました。
「ありゃ?まじゅう、ばらばらでしゅ。エシェットが、したでしゅか?」
「ああ、我が風の魔力で、バラバラに解体した。どうだ?これで問題あるまい。さあ、ご飯つくってくれ。」
その後も、お父さんとエシェット達は、なんかお話合いしてました。お母さんがほっときましょうって言って、魔獣のお肉を少し持ってきて、ノアさんとお料理始めました。オリバーさん達は、残った魔獣のお肉をどうするか、お話し合いです。
夜ご飯は、マシロとエシェットのおかげで、パーティーみたいになってました。倒れちゃった御者さんも目が覚めて、一緒にご飯です。
ご飯食べた後、ちょっと離れた所で、お父さんが、御者さんとお話して、御者さんがなんか頷いてました。戻って来たお父さんは。大丈夫って。あの御者さんは何十年もオルガノおじさんの所で働いてる人で、とっても信用出来る人だからって。
何かご飯食べるだけなのに、皆んな大変そうだね?
次の日、目が覚めて、馬車のお外に出たら、昨日の魔獣のお肉が無くなってて、その代わり、たくさんの木の箱が置いてありました。それから、木のタイヤが付いた、大きな台も置いてありました。全部夜に、マシューさんとリアムさんが作りました。木でこういうの作るの得意なんだって、凄いね。
「ぼくも、ちゅくれましゅか?」
「はは、ユーキにはまだ早いかな。もう少し大きくなったら、作り方教えてやるからな。俺たちも8歳から、作り始めたからな。だから8歳になるまでは待ってろ。な?」
マシューさんはそう言って、箱の中を見せてくれました。中には昨日の魔獣のお肉が入ってました。よく見ると、箱の後ろに、魔獣のお肉の残りが。食べられない所だから、他の魔獣が、血の匂いで寄って来ないように、これから燃やすんだって。
リアムさんが火を付けて、燃やして終わったら、お父さんが水をかけて終わりです。ちゃんと火消さないと、火事になっちゃうからね。
台の上に箱を積み上げて、それをお馬さんが引っ張ります。
さあ、街に向かって出発です。今日の夕方に、街に着く予定です。もうすぐお家に帰れる。皆んなと一緒に居られる、僕の大好きな場所。
早く帰って、お兄ちゃん達に、アシェルに逢いたい!




