600シユルースの心配?
シユルースは精霊の石さん心配? どうして? 僕は首をこてん。ディル達もこてん。だって精霊の石さんは黒服達に取られなくて、今も僕のお体の中にいるよ。だから大丈夫。それに僕に霧のお邪魔魔法教えてくれたり。
『きっと、それが心配なんだよ』
『精霊の石はシユルースの石だけどさ、ユーキの事が大好きでしょう? だから取られちゃうと思ったんじゃない?』
どうして? 精霊の石さんはシユルースの石さんでしょう? 僕、黒服達みたいに取ったりしないよ。ちゃんと後でお返しするもん。ぷんぷん怒る僕に、シユルースがもっと困ったお顔をしました。
『いや、別にユーキが取るとは考えていない。ちゃんと返してくれると分かっている。私が心配しているのは精霊の石の方だ』
精霊の石さん心配? でも僕が石さんを返すって、今シユルース言ったよね。ん? シユルースは僕のお体を見ながら話し始めました。
今までずっと一緒だったシユルースと精霊の石さん。さっき黒服達が壊しちゃった所に、ずっと精霊の石さんは居て、シユルースが守っていました。でもね、ずっと一緒にいたのに、僕達みたいにお話ししたことがなかったんだよ。
僕は精霊の石さんと、ちゃんとお声は聞こえないけど、でもお話ができます。それからディル達も、ディル達が精霊の石さんに何か聞くと。精霊の石さんはふわふわ浮いてお話ししてくるでしょう。
今までシユルースはふわふわのお話しも、1度もした事がなかったんだ。だから僕達がお話ししてるのを見て、とってもビックリしたの。お話しする程、僕達が好きになったのかって、それもビックリして。
あと僕が霧の魔法を使ったのにもビックリ。僕もビックリだったけど、霧の魔法2つも精霊の石さんが教えてくれたもんね。お話しまでもビックリだったけど、力を貸すほど、そんなに僕が好きなのかって。
さっきまではビックリばっかりだったシユルース。でも歩いているうちに、今はちょっと心配になっちゃいました。
えと、精霊の石さんが僕達が好きで、シユルースの所に精霊の石さんが帰って来なかったらどうしようって。僕が返すって言っても帰ってこなかったら? そう思ってらとっても心配になって、だから僕のことをチラチラ見てたんだって。
僕は精霊の石さんに聞いてみます。ちゃんとシユルースの所に帰るよねって。そうしたらすぐにお胸から出てきた精霊の石さん。シユルースの周りをふわふわ何回も回ったあと、シユルースのお胸の前で止まりました。
『ね、ちゃんと帰るよね?』
リュカが聞いたらふわふわ揺れる精霊の石さん。ほらちゃんと帰るって。
『そ、そうか、良かった』
シユルースがとってもホッとしたお顔したよ。そうしたら横からくって笑うお声がして、見たらマシロとハロルドが何かニヤニヤしていました。何で?
『これで落ち着いて動けるな』
「心配しなくったって、それはお前の石だろう?」
すぐに精霊の石さんが僕のお胸に戻って来て、そのまま進み続ける僕達。
そうだ!! 僕、大切なこと忘れてました。精霊の石さんがシユルースの所に帰っちゃう前に、やってみたい事あったの。精霊の石さんにお願いしようと思ってて、忘れちゃう所だったよ。
僕ね、霧のお邪魔魔法2つ教えてもらって。でもそれは精霊の石さんが僕のお体の中にいたからできたでしょう? 精霊の石さんが帰ったら、もう魔法はできないはず。
僕は今お水の魔法しかできません。これからもいっぱい練習したら、またできるかもしれないけど。
だからもしこの結界から出られたら、もう1回だけ魔法やりたいんだ。最後にモコモコ人間になりたいし。
それからもう1つお願いです。モコモコ魔法でうさぎさんのお耳できるか聞きたいんだ。それでもしできたら、モコモコ人間でうさぎさんのお耳をつけて歩きたいの。お洋服でうさぎさんのお洋服持ってるけど。それと違うモコモコで、僕やってみたいです。
『主、何をニヤニヤしているのだ?』
「えとあとで、せいれいのいししゃんに、おねがいあるでしゅ!」
『お願い? どんな願いだ?』
「えへへ、ないしょでしゅう」
「また、余計なこと考えてるんじゃないのか? 俺はこれ以上、ユーキ達の面倒に巻き込まれたくないぞ。今だってこの格好…。はぁ」
この格好? モコモコ面白いでしょう? ディル達が僕がマシロに内緒って言ったから、何するんだって小さなお声で聞いて来ました。マシロ達には内緒だけど、ディル達は一緒にやりたいはず。だから僕も小さなお声でディル達に、うさぎさんのお耳のお話しをしました。
『わぁ、僕やりたい!』
『キミルも!!』
『ぷにちゃも!』
うん、まだぷにちゃん今日はお話しできてる。このままお話しずっとできたら良いね。
『もうおしっぽとか、体のモコモコはうさぎだもんね。あとはお耳だけ』
『でも結界を破ってお外に出たら、みんなすぐに逃げなくちゃだからね。う~ん。取り敢えずシユルースにお家に来て貰えば? そうしたらマシロ達に結界を張ってもらって、それからお願いしてみるとか』
『それが良いかも。今のうちにちょっとお願いしておく?』
『精霊の石に聞けば良いんだもんな。精霊の石、話があるぞ』
ディルが精霊の石さんを呼んだら、すぐにお胸から出て来てくれました。それから僕達は、アンドレアスが入ってきた結界の所に行くまでに、精霊の石さんとたくさんお話ししたよ。小さなお声で。
マシロとハロルドが、じとってお目々して、僕達を見ていました。楽しいお話しだから大丈夫!
いつもご愛読ありがとうございます。ありぽんです。
今日で『優しい家族と、たくさんのもふもふに囲まれて。〜異世界で幸せに暮らします〜』600話を迎える事が出来ました!!
これも皆さんの応援のおかげです。本当にありがとうございます。
書き始めた頃は、ここまで長く続けられるとはまったく思っておらず、
良くここまで続けてこれたと。
これからもユーキとちびっ子達の話は続きます。
皆様に楽しい話しをお届けできるように頑張りますので、これからもよろしくお願いします。




