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優しい家族と、たくさんのもふもふに囲まれて。〜異世界で幸せに暮らします〜  作者: ありぽん


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570ちゃんと開いたモヤモヤの塊

 それは我等が、改めてこれからの事について話し合いを始めて、少し経った頃だった。

 モリオン達の話しに、確かに主ならば、主の魔法ならば、あの周りを囲っている闇の魔法を消す事が出来るかもしれないと、かなり威力を抑えて魔法を使わせた。が、力が弱かったのか、それともやはり魔法自体が効いていないのか、闇魔法は消えることはなく。


 主が少々しょげてしまったが、こればかりはやってみない事には分からなかったからな。それにこれ以上魔法の威力を上げて、奴等に今こちらに来られても困る。後でアンドレアス達に魔力を貸すことで、また主は張り切るだろうから、それまでは少し待っていてもらおう。

 

 そう考えながら、アンドレアス達と話し合いをしていたのだが。まさか諦めていなかったとは。話し合いの最中にハロルドが「は?」と声を出し、精霊の石がある方を見ていて。まったく、話し合いの最中に余所見とはと怒ると、早く向こうを見ろと言われ。そしてハロルドが走り出す。


 我はちょうどその時、精霊の石の方に背を向けていたのだが、目の前にいたアンドラスも何故か走り始め。振り返るとそこには、闇の魔法の周りに並んでいる主達の姿が。そして何故か闇の魔法に両手をかざしていて。


 さっきチラッと見た時は、ただあの周りをグルグルと回っていただけだったのに、何故今そんな事をしているのだ。まさかまだ魔力が体の中に残っていて、それで魔法を使うつもりか? だが先程確かに溜めた魔力は全て使ったはずだ。


 我も皆から一瞬だけ遅れて主の方へ。もし魔力が少し残っていて、下手に魔法を使われたら。本人は小さい魔法ができると思っているかもしれないが。主だからな、もし強い魔法を放ってしまったら。


『主!! 何をしている! 手を下げろ!!』


 だが一瞬動きを止めた主だったが、その後すぐに大きく息を吸い込み。間に合わなかった。そう思いながらも主の所へちょうど移動した瞬間。主はこう叫んだ。


「モヤモヤ、ひらけでしゅう!!」


 は? ハロルドではないが『は?』と思わず声に出しそうになった。主に続きディル達もモヤモヤ開け!!と同時に叫び、後ろではハロルドがまた『は?』と言っているのが聞こえた。


 周りが一気に静まり返る。もちろん何かが起こるわけもなく、今度は後ろに居るハロルドの笑いを堪えるくぐもった声が聞こえ。

 何故そんな『モヤモヤ開け』何て事を言ったんだ? まったく、魔法を使わなくて良かったが、今は何もしないで、静かにしている事は出来ないのか?


 我は主に戻るぞと声をかけた。がその時、主がぼそっと『穴』と言い、そして我の方に手を伸ばしてくると、ずっと前を向いたまま、手が届く範囲で我の顔や方をパシパシと叩いてきて。


「マシロ、あな、あいたでしゅ! ぽちって!」


 穴? 言われて主が見ている方を見る。と、そこには確かに闇魔法の囲いに小さな穴ができていた。


      *********


 大きく息を吸い込んだ僕。思いっきり叫びました。


「モヤモヤ、ひらけでしゅう!!」


 それからみんなも一緒に。


『『『モヤモヤ開けぇ!!』』』


 って叫びました。それと同じくらいにマシロが僕の横に来て、僕の洋服を咥えて引っ張ります。待ってマシロ、今どうなるか見てるから。僕達が叫んだ後、周りはし~んってなって、誰も何も言いませんでした。でもすぐに後ろから変なお声が聞こえて。ハロルドの変なお声、『グクっ』って。ハロルド、静かにだよ。


 その後すぐ今度はマシロが、戻るぞって言ってきました。待って、まだ開けしか言ってない。他にも色々考えたから、それを言ってみるから待ってって。僕はマシロにそう言おうとしました。その時。


 ん? あそこ。今まであんな黒い点あったっけ? モヤモヤの塊、全部が真っ黒に青色とか紫色だけど。その中に今までなかった、ちょっとだけ薄い黒の点を見つけました。あれ何だろう? 僕はじっと薄い黒い点を見つめます。


 そうしたら、少しだけその薄い黒い点が大きくなったんだ。穴が開いてる感じです。マシロが戻るぞって言って僕の洋服をぐいぐい引っ張ってるから、僕はマシロにも穴を見せようと思って。


「マシロ、あな、あいたでしゅ! ぽちって!」


 横にいるマシロの事をパシパシ叩きます。そうしたらすぐにマシロの『は?』ってお声が聞こえました。

 

「マシロ、あなでしゅ」


『確かに穴に見えるな』


「にょっ!?」


 僕ビックリです。小さな穴が急に広がり始めたんだ。さっきの霧の精霊お兄さんの魔法みたいなの。渦が段々と広がって、大きな丸になったやつ。それみたいに、どんどん広がり始めて。

 そしてどんどん広がった穴は、ハロルド達がするする通れるくらい、大きくなりました。それから広がった穴の中も、さっきと同じだったよ。白いモヤモヤ霧が見えました。


『もしかして開いた? 誰も、マシロ達魔法使ってないよね、今は僕達が開けって言っただけで』


『じゃあやっぱり…』


『ユーキ! 誰の言葉に反応したか分かんないけど、ちゃんとモヤモヤが開いたよ!! 凄い凄い!!』


 開いた? ふおお、ふおおおお!! 


「やったでしゅう! ひらいたでしゅう!」


 僕達はみんなでぴょんぴょんジャンプをして、それからみんなでやったぁっ!ってしました。

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― 新着の感想 ―
[一言] 更新、お疲れ様ですm(_ _)m マシロ達、ヒヤヒヤしたでしょうねf(^ー^;
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