559黒服達と黒いモヤモヤの塊
霧の精霊お兄さんがいきなり走り始めました。すぐにアンドレアスがお兄さんを追いかけます。マシロがしっかり掴まれって言って、僕はギュッとマシロの毛を掴んで、後ろからハロルドが支えてくれて。リュカ達はマシロの毛の中に潜ったり、僕の洋服の中にもぐったり、あとはハロルドが抱えてくれたり。
みんながしっかりマシロに乗ったのを確認したら、結界を張ってマシロも走り始めました。走りながら、しっかり結界が張れてよかったってマシロが。ちゃんと使える魔法と使えない魔法があるみたいです。
『今、何が起きているか分からんが、どんどん魔法を使った方が良いかもしれん。今は使えなくとも、突然使えるようになる場合もある。それでもし帰る事ができたら』
『そっか、安定してないって事は、もしかしたら安定する瞬間もあって、その時に魔法を使えれば、もしかしたら魔法が使えるかもしれないもんね。良し! 僕やってみるよ』
モリオンがうんうん頷いて、それからオー!!ってやりました。マシロのお毛々に隠れながらやってるから、お手々だけちょっと見えたよ。それから周りからもお手々だけ見えて、みんなもオー!!ってやったみたいです。僕はオー!!だけ言いました。だって今はお手々が離せないもん。
少し走ると、バリバリ、バシッ!! バリバリバリッ!! 凄い音が聞こえてきました。
『追いつくぞ! ハロルド、気をつけろ!!』
先に走って行っちゃってた、霧の精霊お兄さんとアンドレアスが止まったみたい。僕達ももう追いつくよ。
そして大きな木の間を通って、目の前に出てきた物を見て、僕もみんなもビックリ。
お兄さんとアンドレアスが、あの悪い黒服の人達と戦っていて、あの大きな音はアンドレアス達が戦っている音でした。黒服達は全部で30人くらい? うじゃうじゃ居ました。
『マシロ!! あのくろふくでしゅ! わるいひとたちでしゅ!!』
『大変! いっぱい居るよ!!』
『ハロルド! 行けるか!』
「ああ、任せろ!」
『ディルが魔法を使えない可能性もある、気をつけろ!』
すぐにハロルドがマシロから下りて、アンドレアス達の方へ走っていきます。そして走りながられ剣を持って、そのまま黒服達の所に飛び込みました。一気に3人の黒服が飛ばされて、2人はすぐに立ったけど、1人はぐったりした後、ばたんって倒れたよ。僕もみんなも拍手です。
ハロルドがマシロから下りてから、マシロがすぐに僕をおしっぽで支えてくれたし、今はマシロが動いてなかったから拍手できたんだ。すごいねハロルド、すぐに1人倒しちゃったよ。もう2人はふらふらしてて、すぐに攻撃ができないみたいだし。
『ねぇねぇマシロ、あれ何かななの?』
ピュイちゃんが霧の精霊お兄さんが戦っている方を見ました。あのねここへ来る前に、とっても大きな音がしていたでしょう? あれはアンドレアス達が戦っている音だけじゃなかったんだ。
とっても大きな黒いモヤモヤの塊があって、そのモヤモヤに雷みたいなパチパチしている物が。それはモヤモヤの塊だけじゃなくて、塊の周りにもパチパチ、バチバチ出てたよ。
『マシロ、見たことある?』
『いや、我も初めて見た。しかし…、おそらくあれが本体ではない』
『どう言う事?』
『あの中に、何かが隠されている感覚がするのだ』
『あの精霊と黒服達の行動もおかしいよね』
ホプリンがそう言いました。霧の精霊お兄さんは黒服を攻撃して、黒服達もお兄さんを攻撃。それから黒服達はあのモヤモヤの塊に、交代で手をかざして何かをしていて。それをお兄さんが攻撃して止めて、モヤモヤを守ってるの。
僕あのモヤモヤの塊は、とっても悪い物だと思ってました。だって真っ黒でモヤモヤでバチバチ雷で。前にもいっぱい悪い黒いモヤモヤ見たけど、あれにとっても似てたから、悪い物だって思ったの。でも霧の精霊さんは、モヤモヤの塊を守っていて、黒服達が攻撃してるんだもん。今までと違うモヤモヤなのかな?
『ちがう、あれは確かに精霊が守っているように見えるが、あれを守っているのではなく、その中の物を守っているのだ。そして黒服達は、あのモヤモヤに力を与え、中の物を奪おうとしている』
中? マシロ中が見えたの? 僕がマシロに聞いたら、なんとなく中から、特別な何かの気配がしたんだって。それから黒服達からモヤモヤの塊に、魔力が流れているのが見えて。
『おそらく黒服達の目的は、あの中の物だろう。だが精霊が結界を張っているからな。すぐには奪えないでいる』
霧の精霊お兄さんの攻撃で、今までモヤモヤの塊に力を流していた黒服達が、1度全員モヤモヤの塊から離れました。黒服達とお兄さんの間にアンドレアスが入ります。
「行け、ここは任せろ! ユーキの元へ行きたいのだろう? その間ここは私達が守る」
アンドレアスがそう言ったら、お兄さんがビュンッ!!って、すぐに僕達の所にとんできました。
『すまん、頼みがある! 力を貸してもらえないか!』
僕ね最初、マシロにお話しをしているって思いました。でも違ったんだ。




