550本物ハロルドと不思議なお花
僕達は勢いよくハロルドの方へ走って行きます。
「わ、わわ!? 何だ!? ユーキか!」
ハロルドにみんながくっ付いて、色々攻撃。でも腕をお怪我してるかもしれないから、腕の所は攻撃しないで、それからいつもより強くない攻撃をします。
「ちょ、ちょっとまて!! 本当にユーキ達なのか! うわっぷ!?」
マシロが下がれって言ったから、すぐにマシロの所に下がった僕達。ぷにちゃんの泥攻撃がハロルドのお顔半分に当たって、ハロルドは立ったまま、じとっとした顔でた僕達を見てきました。
「何かいつもより威力が小さくないか? もしかして時々ユーキ達が会う、偽物と同じようなやつじゃないだろうな」
シュプがお水攻撃でハロルドの顔にお水をかけます。オエってなるハロルド。う~ん、本物のハロルドかな? 良く分かんないや。
「おい、これ以上やると、いつも以上にお前達におやつ取っちまうぞ! ほれ」
ハロルドが僕の鞄をとってこようとしました。急いで逃げる僕達。そうしたら途中でハロルドが木の枝に当たって、お顔に線がついちゃったんだ。ディル達がハロルドの周りを周りながら大笑い。僕もマシロのしっぽに包まれながら笑っちゃいました。そうしたらハロルドも笑い始めて。
「イテテテ。はっ、俺はこんな知らない場所で何をやってるんだか。ハハハハハッ」
あっ、いつもの優しいお顔で笑ってるハロルドだ!! 偽物さんみたいに変なお顔じゃない。僕はマシロに本物のハロルドだって言います。マシロも偽物はこんなお菓子を取ろうとしたり、枝にぶつかるなんて馬鹿しないだろうって。
『まぁ、まだ完全には信用できんが』
最後の方、マシロが何て言ったか分かりませんでした。
ディルがすぐにハロルドの腕のお怪我を治してくれます。マシロが何で腕をお怪我したのか聞いたら。さっき真っ白で何も見えなくなった時、僕達みたいに途中で落ち始めたハロルド。それでその時に何かが腕にぶつかって、真っ白だったから何にぶつかったのか分かりませんでした。それでここにきて腕を見たらやっぱりお怪我してたって。
ここに着いてからハロルドも、僕やお父さん達の事を探していました。でも誰も見つからないし、声も全然聞こえなくて。このまま探し続けるか、それとも森から出る事を考えるか。色々考えてたら、僕達が突撃してきたって。
「マシロ、ここが何処だか分かるか? 俺はおそらく来たことがない森だと思うんだが。俺が今引っかかった枝。それにこの木。他もだが見たことがない物ばかりだ」
『我も分からないのだ。それに匂いも気配も感じん。お前の近くまで来て、ようやく感じたのだ』
「そうか。なら兄貴達がここへ来ているか分からないな。これからどうするか。ここへ来た可能性のある奴らを見つけてから、皆で外に出るなりした方が良いのか。それとも先に外へ出るか」
『エシェットから渡されたあの石はしっかり持っているな?』
「ああ、ここへ来てすぐに確認した」
「もしかしたらそれが必要になるかもしれん」
マシロとハロルドがお話しを始めて、僕達はマシロ達から離れないように、僕は毛を握ったまま、マシロに寄りかかって座って。みんなもマシロの毛の中に戻ったり、へばり付いたり。
僕が座ってるちょっと向こう、小さな水色のお花が咲いていました。僕はたぶんまだ見たことがないお花です。たぶん? キミルにどんなお花か聞いてみよう! キミルを呼んだら、お毛々の中からキミルがお顔を出して、ディル達もお顔だけ出して。
少ししてキミルが変なお顔したんだ。それからお花の匂いしないし、力を感じないって言ったの。
僕今動けない、みんなも動けないし、でも花の事も知りたいし。どうしようかってお話ししてたらハロルドが気づいて、ささっとお花を摘んで渡してくれました。
みんなでお花の匂いを嗅ぎます。そうしたら本当にお花の匂いがしませんでした。良い匂いも変な匂いも、くさ~い匂いも何もしません。
『花だけど、花じゃないみたい。それに花も草も木も、僕、植物だったら何でも、力を感じるんだ。生まれてくる時に力がいるし、もちろん咲いている時は元気な力を感じて。消えるまで力を感じるんだよ。でもこの森は全然力を感じないの』
キミルはマシロのお毛々から出てきて、僕が持ってるお花の所に。それからお花におでこをくっ付けて、お目々を閉じました。何か調べてるのかな? 僕もみんなも静かに待ちます。少ししてお目々を開けたキミルが、やっぱりダメだって言いました。
『全然分からないや。僕どんなお花でも咲かせてあげられるけど、このお花のことは全然分からないから、咲かせてあげられない。たぶんこの森のお花全部だと思う。お花だけじゃないよ、草も木も全部ダメ』
そのお話しを聞いた時でした。僕のお手々に乗ってたお花が、すぅって消えちゃったんだ。それで元の場所にお花が咲いて。僕もみんなもビックリです。
「マシロ! おはな、もどったでしゅ!!」
『主、我は今ハロルドと大事な話しをしているのだ。少し静かに…』
『マシロ!! 花が同じ場所に戻ったんだよ!!』
『消えたと思ったら、同じ場所に咲いたんだ!!』
マシロが振り返ります。そしてじっとお花を見ました。




