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優しい家族と、たくさんのもふもふに囲まれて。〜異世界で幸せに暮らします〜  作者: ありぽん


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533その後の妖精の国と今後について(アンドレアス視点)

 私は今妖精の国へ来ている。ルッコがいなくなりその捜索とまた調査をしたが。結局ルッコを見つけることも、何か手がかりを見つけることも出来ず。そして原因を突き止める事も出来なかった。

 

 そんな時に、妖精の国から妖精が訪ねてきて、完全に全ての修復が終わったと伝えに来た。妖精の国が復活した。あれだけボロボロだったのに、こんな短期間に全てが修復出来るとは。

 これは彼らの、ユーキ達のおかげだ。あれだけの力を借りる事ができて、我々が、妖精王がどれほど助かったか。しかしユーキ達が帰った後も、修復する物は多く残っていて。それなのに短時間で修復したと言う事であれば、どれだけ妖精王は無理をしたのか。


 ユーキに力を貰ったとはいえ、今妖精王はかなり弱っているはず。様子を見に行かなければと思い、私は里をクムースに任せると、すぐに伝えに来てくれた妖精と共に、妖精の国へと向かったのだ。


 案の定、妖精王は伏せっていた。あれほど無理はするなと言っておいたのに。だが、妖精王が弱っている今でも、妖精達は元気に活動しているところを見ると、あの時のような弱り方でないようで少しは安心した。私が働きすぎだと言えば、お前もなと返され。お前の代わりは居ないのだぞと注意した。私の場合は変えが効くからな。

 妖精王が酒を用意する。具合が悪いのなら、静かに寝ていれば良いものを。仕方なく少し付き合うことにした。そして霧の話になったのだが。


『で、霧の件はどうした?』


「調査中だ。つい最近も1人行方不明になった」


『そうか…。そんな時にこちらを心配してもらって悪いな』


「どちらも大事だろう?」

 

『私も一応、森にいる妖精達の様子を確認したんだけどね。霧については分からなかった。ただ、原因不明の霧といよりは、安定していない霧という感じがしたな』


「安定していない霧。確かにな。私もこの前霧に入ったが、そんな感じがしたな」


 そう、霧は確かに発生しているのだが、霧の中にいる感じがしなかったのだ。こうサラッとした感じというのか。しかし体に纏わりつくような感覚になる事も。あんな霧は私も初めて経験する。


『それで、どうするつもりなんだ?』


「それを今考えている」


『私が自由に動ければ、手伝ってやれるんだが。流石に今はここから出れそうになくてね』


「当たり前だろう。無理をして、すぐに動けるようになるはずだったものが長引けば。また妖精達にあの攻撃をされるぞ」


『はははっ、それは困るね』


 笑い事かと思いながら、あの日の出来事を思い出す。ユーキ達が妖精達に、あれを教えた時の事を。まさかあれほど強力な攻撃だったとは。ユーキ達が教えたものを、妖精達は毎日ではないが、練習を欠かさないらしい。そう、あのお酒攻撃だ。あれは小さな者達ができる攻撃の威力ではない。


 しかし悪い事ばかりでもないのか? 確かに最初は余計な攻撃を覚えてと思っていたが。お酒の時以外に、妖精王があまりにも無理をしそうになった時にも、妖精達は攻撃をしようとするらしい。それについては私も賛成だ。妖精王はすぐに無理をするからな。


『王様、寝てる?』


『お話ししてても、寝ながらお話し…』


 ちょうどお酒攻撃の話しをしている時だった。妖精達が様子を見に来た。そして妖精王と私の前に置かれたお酒を見て、やって来た妖精達の顔つきが変わった。そしてすぐにお酒攻撃の態勢に。


『ま、待て! 1杯しか、しかも少ししか飲んでいない。彼が来たからな。何も出さないわけにはいかないだろう!』


『ダメなものはダメだよ!!』


『少しでもダメ!!』


『飲んで良いのはアンドレアスだけ!!』


 妖精達は私を見てお酒攻撃の態勢はやめたものの、妖精王の前に置かれていたコップを回収。そしてコップに残っているお酒をどうしようとウロウロした後、池に持っていくと言い、外へ出ていった。池には酒好きのカエルが住んでいる。そのカエルにあげるのだろう。

 最後に出て行こうとした2人の妖精が、窓の所で一旦止まり、また確認しに来るからと言い残し出ていった。


『はぁ、まったく。何回も確認しに来なくても、私は大人しくしているだろう』


「色々あって、お前の事が心配なのだ」


『心配ならあの攻撃をやめてくれないだろうか』


「それは無理だろうな』


 もう1度大きなため息を吐く妖精王。


『それで話を戻すが、本当にこれからどうするつもりだ?』


「少し外の様子を見てこようと思う。我々のエルフの里の周りだけで起きているできごとなのか。それとも人間達の方にも異変が起きているのか。彼らの所にも行こうかと。あのお酒攻撃を教えたな」


『そうか。…それならば』


 妖精王が手を軽く叩くと、我々の間に物凄い量の木の実と果物が。ユーキ達に届けてくれと言ってきた。妖精の国が完全に元に戻り、さっき実ったばかりの物だと言う。私はすぐにそれを特別な生地で包む。自由に大きさを変えられるもので、たくさん物を包んでも小さくする事ができるのだ。もちろん元通りに出す事が出来る。


「確かに預かった。そろそろ私は行くが、本当に無理だけはするな」


『分かっているよ。せっかく彼に助けられた命だ。大切にしなければ』


 見送りは良いと言い、私は里へと戻った。私がいない間霧は出なかったようで安心したが。さぁ、彼らに話しを聞きに行こう。何か些細な事でも良い。解決できるような何かが分かれば。

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― 新着の感想 ―
[一言] 更新、お疲れ様です(#^.^#) 妖精達は心配性になったようですね(o・`Д´・o)!!
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