521みんなニコニコ。バリバリ、ボリボリ。
『ユーキ、楽しかったか?』
「うん!!」
「そうか、良かったな。私は少し疲れたよ。ハハハ…」
今僕達はお家の近くの森の上を飛んでいます。本当はすぐにお家に帰るはずだったけど。今日はとってもお天気が良くて夕日が綺麗だから、途中から飛んで帰ろうってエシェットが。
ザクスさんとクインさんにご飯を届けて、たくさんお菓子を貰って。ザクスさんと今度遊ぶお約束をしたら、すぐに僕達はイザック達の所に戻りました。戻ったら僕達がご飯を運んだ場所には、たくさんの魔獣さん達が集まってて。木の実と果物のお山の周りにも、魔獣さん達が集まってたよ。
ぞうさんやキリンさんに似てる魔獣さんとか、あっ、小さいカメさん魔獣もたくさん居ました。カメさんルトブルの爪くらいの大きさの亀さんでしょう。僕のお手々くらいの大きさのカメさんでしょう。小さいカメさんはとっても可愛かったです。
あとあと、ルーリアもいっぱい居ました。それでねホプリンが喜んでいっぱいのルーリアの中に入って行っちゃって。何処にいるか分からなくなっちゃって。僕ちょっと慌てちゃいました。
お名前を呼んで、それからホプリンは僕とお友達になって、おしっぽが他のルーリアよりも、ちょっと大きくてもふもふだから。そのおしっぽを探して。
見つけたのはぷにちゃんでした。ぷにちゃんはポンポンポンッてルーリアの頭の上を飛んで行って真ん中まで移動。真ん中のルーリアの頭の上で止まりました。少ししかたってなかったのに、ホプリンは真ん中まで移動してたんだ。
ホプリンはぷにちゃんを頭に乗せたまま、ピョンピョン跳ねて、果物のお山のてっぺんに。それでごめんねって叫んでました。ふぃ~。良かった見つかって。
それからもうご飯を食べ終わった魔獣さん達が、順番に僕達にありがとうしに来てくれました。僕達はまたまたにっこりです。みんなご飯いっぱい良かったね。僕達が魔獣さん達とお話ししてるうちに、エシェット達もイザックとお話し。これからの事をお話ししてたみたいです。
そしてそのお話が終わったら僕達の帰る時間。その時にエシェットが夕焼けを見ながら帰ろうって言いました。僕、夕焼け見るの大好き。お家の屋根から見るのも好きだけど、エシェットに乗ってみる夕焼けも大好きです。でもお父さんはみんなが驚くからあんまり乗っちゃダメって。もっとお空から見られたら良いのに。
『さて、そろそろか。木に隠れながら飛ぶのは終わりだ。外に出るぞ』
バサッ!! エシェットがお羽を大きく広げます。そうしたら今までは木の間や、ちょっと上を飛んでいたんだけど、完璧に森が見える所まで上がって。
「ふあぁぁぁ!! きれいでしゅう!!」
『本当だね。とっても綺麗!!』
『ぷゆゆゆゆん!!』
『ぷにも綺麗だって』
「本当に今日の夕焼けは綺麗だな」
僕はハッとしました。こんなに綺麗な夕焼け、お母さんやお兄ちゃん達も見たいはず。僕はエシェットの背中をパシパシ。それから急いでお家に戻ってって言いました。
「かあしゃんとにいしゃん、つれてくるでしゅ! はやくしないと、きえちゃうでしゅ!!」
『ならば一瞬で家へ戻ろう。くろにゃん!』
くろにゃんの影に入って、お家のお庭につきました。リュカ達が急いでお母さん達を呼びに行ってくれます。僕だと遅いから。それですぐにお母さん達が走ってきました。またまたくろにゃんでさっきの場所まで移動します。
「あら、本当にいつもより綺麗ね」
「確かに。でもリュカ達が慌てて飛んで来たから、何かあったのかと思って焦ったよ」
「モリオンは後でお煎餅って言いながら来たぞ」
そうだ。お煎餅まだ食べてない。飴だけ舐めて、そのあとはバタバタしてたから、お煎餅食べてる時間がありませんでした。僕は慌ててカバンの中からお煎餅を出します。それからみんなにお煎餅を配って。
「あら、ユーキちゃん、みんなも。今からお煎餅を食べるの? おやつの時間は過ぎているわよ」
「えとえと、でも、ゆうやけがきれいで、みながらたべたくて」
『天気の良い日に、お庭でお菓子を食べるのと一緒だよね』
『綺麗な夕焼けを見ながら食べたいよね』
「ふふ。分かったわ。お煎餅といっても、その小さなお煎餅1枚だけだものね」
ふぅ、良かったぁ。急いでお煎餅の袋を破いて、みんなで並んで綺麗な夕焼けを見ながらお煎餅を食べます。うん! とっても美味しい。
『おい、我の背中に煎餅のカケラを落とすなよ』
『美味しいねぇ』
『いつもより綺麗な夕焼け。お煎餅もいつもよりも美味しく感じるよ』
『おい、聞いているのか?』
バリバリ、パリパリ。
『おい!』
『ほら、エシェットちゃんと飛んで!』
『もう1回、向こうから飛んでなのぉ!』
『だから我の話しを…』
今日は魔獣さんもたくさんご飯が食べられてニコニコ。それからザクスさん達にもご飯を届けて。街の人もニコニコだってザクスさんが。僕達も綺麗な夕焼けを見れて、お煎餅も食べられてニコニコ。
美味しいご飯やお菓子がないのはダメダメだもん。それからみんながニコニコじゃないのもダメダメ。みんなのダメダメがなくなって良かったぁ。
あっ! 明日も良いお天気だったら、またみんなで夕焼けを見にこようよ。今度は別のお菓子を持って。何が良いかなぁ。クッキー。小さいケーキ。う~ん。後でみんなで考えなくちゃ。
バリバリ、パリパリ。
『おい、本当に溢すなよ!!』




