519コロコロ転がるドラゴンさん?
『そうか!! 俺たちの食糧を運んできてくれたのか!!』
『ああ。これ以上問題が大きくなると、絶対に魔獣と人間との間で衝突が起きるからな。双方に死人が出る可能性がある。そうなるとユーキが悲しむからな』
『ユーキとはその人間の子供か』
『おお、我の大切な主だ』
『お前のような存在が、人間と契約しているとは』
『ふん、お前だって分かるだろう。主の力を、存在を』
『ああ、そうだな。それにしても助かった』
『それじゃあ先ずはお前達用の食糧からだ。と、その前にユーキ達がお前と話したそうにしているからな。こっちに呼ぶぞ、良いな?』
『ああ』
『ユーキ、来て良いぞ!』
やっとお話し合いが終わったみたいです。エシェットが僕を呼んだからすぐにみんなで見て走って行きます。エシェットの隣に立ったら、ウインドドラゴンさんにご挨拶。
「ユーキでしゅ!! よろしくでしゅう!」
『俺はディルで…』
全員がお名前を言った後、今度はウインドドラゴンさんがご挨拶してくれました。それから僕にご飯を持って来てくれてありがとうもしてくれたんだ。僕嬉しくてニコニコです。でも…。
僕はドラゴンさんに聞いてみました。他の魔獣さん達は何処にいるのかって。だってくろにゃんもエシェット達も、いっぱい魔獣さんが居るって言ったのに、今ここにはドラゴンさんしかいません。
そうしたら他の魔獣さん達は今、別の場所にいて、みんなここに戻ってきてる所だって。あのね、最初ドラゴンさん達は、エシェットや僕達が近づいてきて、それで逃げなくちゃって思ったの。
エシェット達はとっても強いでしょう。ドラゴンさんは僕達が少し遠くにいてもそれが分かったから、強い魔獣さん達に、他の魔獣さん達に逃げるように伝えてってお願いしました。それでみんなが伝えに行って。
初めて会うから、僕達がいじめに来たと思っちゃったみたい。僕達が悪い人じゃないって分かったから、今みんなに戻ってきて良いって、今度は小鳥さん達に伝えに行ってもらってるから、もうすぐここにみんな集まってくるって。
うん。僕達みんなの事いじめたりしないよね。みんなでねぇ~ってします。その時でした。誰かの叫んでるお声が、僕達の横の方から聞こえてきました。それで少しして、茶色い塊が木と木の間から転がり出てきたよ。茶色い丸い塊? 塊が何か叫んでたんだ。
『イザック大丈夫!! 僕心配ですぐ戻ってきたんだ!!』
その茶色い塊はそう叫びながら、ドラゴンさんの後ろを転がって、向こうの方まで行って、木にぶつかって止まりました。あの茶色い塊何だろう? じっと茶色い塊を見つめます。
ん? お羽? エシェット達みたいなドラゴンのお羽かな? それからあれはおしっぽで。すぐに茶色の塊が動き始めました。
わわわ!! やっぱりドラゴンさんだ! エシェット達みたいに大きくないけど、茶色いドラゴンさんが、モゾモゾ動いて立ち上がったの。マシロが2匹くらいの大きさです。
『いてててて、また失敗しちゃった…』
小さいドラゴンさんがすぐに黙って、僕達を見てきました。それで叫んでお空に飛んでいったんだ。でもすぐに戻ってきて。転がりながら地面に下りてきました。それで今度はウインドドラゴンさんの横を転がって、ドラゴンさんの後ろの方の木にぶつかって止まったの。それで急いで起き上がって、大きな木の後ろに。何で木の後ろ?
「なにしてるでしゅか? ころころ、でんぐりがえし?」
『あぁ~、あれはな。隠れているつもりなんだ』
ん? 隠れてる? かくれんぼ? でもおしっぽもお羽も、それからお体も。ほとんど木から出ちゃってるよ?
僕が考えてたら、ウインドドラゴンさんが茶色いドラゴンさんの方に歩いて行きました。それで何かお話しした後、そっとドラゴンさんが木の後ろからお顔を出してきて僕達を見てきて。でもすぐにまたお顔隠しちゃったの。
『はぁ、大丈夫だと言っただろう。彼らはオレ達に食糧を運んできてくれたと。伝言が間に合わなかったか? そっちにも送ったはずだが』
『伝言? しらないよ。だって僕イザックが心配で、隠れながら戻ってきたんだ』
うん、僕達ご飯持って来たんだよ。その時でした。今度は別の方からドシドシ、のすんのすん。足音が聞こえてきて。木の間から、魔獣さん達がゾロゾロ出てきました。
「ふわわ!! まじゅうしゃんいっぱい!!」
僕が見たことがない大きなウシさん魔獣でしょう。それから猫さん魔獣に、マシロみたいなワンちゃん魔獣? クマさん魔獣もいるし、猿さん魔獣もいます。あとあと、他のドラゴンさんも。小鳥さんが伝えに行って、戻ってきた魔獣さん達だって。
『本当に居るわ』
『俺達を襲いに来たわけじゃないって言ってたけど、本当だろうな?』
『イザックが落ち着いているから本当なのだろう。まぁ、あそこで隠れているシールのことは分からんが。いつも通りの怖がりが出ているだけだと思うがな』
魔獣さん達がゾロゾロこっちに集まってきます。それを見たウインドドラゴンさんも僕達の所に戻ってきて。でも隠れてるドラゴンさんは、木の後ろから僕達をチラチラ見たまんま。
ウインドドラゴンさんが、魔獣さん達に僕達のことをお話します。最初ちょっと変なお顔をしてた魔獣さん達。でもお話しが終わったらみんなニコニコになりました。
良し、ご飯の準備! いっぱい持ってきたからね、ご飯で僕達潰れちゃうといけないから、真ん中を開けてみんなで輪になって。
『よし、出すぞ』
くろにゃんが影を広げました。




