480初めての?
う~、早く寝たいようぉ。僕はお父さんのことをパシパシ叩きます。
「疲れて寝て帰って来ようとしたんだが、なかなかぐっすり眠れなくてな。ぐずってるんだ」
「ああ、そういう事ですか。実は坊っちゃんに頼みたいことがあったんですが、これではダメそうですね」
「何だ? ユーキに急用か? なら私が代わりに聞くが」
「いえ、きっと坊っちゃんに直接言った方が、喜ぶと思うので、明日朝食の時にでも」
「そちらがそれで良いならいいが」
「そこまで急用というわけでもないので。それよりも早く寝かせて上げてください」
「そうか。ああ、今日の夜はこちらの食堂で夕飯にするからよろしくな」
「はい」
お話終わり? やっとパパ達のお声が聞こえなくなって、僕はしょぼしょぼお目々を開けます。うっすらと何か見えて、それが離れて行ったら、お父さんが歩き始めました。
それでお部屋に着いたら、僕はベッドに座って、たぶんお母さんがお洋服を着替えさせてくれて。そのままゴロン。おやすみなさい。
起きたのは夜中でした。僕、冒険した日は、夜中にお目々が覚めることが多いです。それからおしっこに行きたくなって、お腹も空いて。マシロが近づいて来て、僕はマシロの頭をなでなでしながら、もう片方のお手々でお父さんのお顔をペシペシ。お父さん、おしっこ洩れちゃう。
前に冒険に来たとき、この前また会った、あの怒られた冒険者のおじさんに、僕おトイレでなんか分かんないけど、怒られちゃったでしょう。またああいう冒険者さんが居るかもしれないから、僕1人で、おトイレに行っちゃっダメって。行くときはお父さんかハロルド達、アシェルと一緒のお約束したんだよ。
「ん? 起きたのか?」
「とうしゃん、おちっこ。それと、おなかすいたでしゅ」
「ああ、分かった。じゃあトイレからだな」
急いでおトイレに連れて行ってもらう僕。おトイレから出てきたら、ハロルド達がトイレの前に居ました。おトイレの前で何してるの? それにお酒持ってる?
「よし、大丈夫だな」
僕が出て来たの確認して、ご飯食べるお部屋に戻って行くハロルド達。あんまり飲むと、明日僕達がお酒攻撃しちゃうよ?
お部屋に戻ったらディル達が起きてて、それからアシェルがご飯をご用意しててくれました。サンドイッチとスープ。おトイレに行ってお目々が覚めた僕。でもご飯を食べたらまた眠くなってきて、ご飯食べ終わったらすぐにまた寝ちゃいました。
次の日の朝。ご飯を食べたら今日もギルドに行きます。それからお道具屋さんにも。ご飯を食べるお部屋に行って、お宿のおじさんの美味しいご飯をモグモグ。
それで最後のフルーツを食べてる時でした。僕達の所にお宿のおじさんが来ました。
「坊っちゃん、おはようございます。良く眠れましたか?」
「うん!!」
「そうですか。それは良かった。実は坊っちゃんにお願いがあるんですが」
お願い? お宿のおじさんが僕にお願いだって。何だろう? おじさんのお話聞いて、ディル達が果物を口に入れたまま集まって来ます。それでお母さんに怒られて。
「はは、来たのが少し早かったですね。また食べ終わった頃お伺いします」
そう言っておじさんは、お料理する所に戻って行っちゃいました。お母さんが僕達を見て、それからジョシュアお兄ちゃんを見てため息です。
「もう、あなたのせいで、ユーキちゃん達がだんだんはしたなくなってきちゃったわ。あなたもいい歳なのだから、ユーキちゃん達のお手本になってもらわないと」
「ご馳走様! 兄さん先にギルドに行ってるからな!」
ジョシュアお兄ちゃんは一気に残りのジュースを飲んで、ご飯のお部屋から出て行っちゃいました。
「ジョシュア! もう、あの子ったら」
少しして食べ終わった僕達。さっきのジョシュアお兄ちゃんのこと思い出して、残りのジュースを一気に飲もうとします。コクコク、コクコク。う~ん、全部飲めませんでした。ディル達も。
「ユーキちゃん、みんなも、ジョシュアのまねしようとしたでしょう。ダメよまねしちゃ。他の場所でお行儀が悪い事ばかりしてたら、もう来ないでくださいって、言われてしまうかもしれないわよ」
でも、お兄ちゃんはいつもやってるよ。ねぇ、ってみんなで言います。そしたらお母さんまたため息です。それでお父さんが笑って、お母さんに睨まれて、すぐに笑うの止めてピシってしてたよ。
お宿のおばさんがお皿をお片付けして、おじさんがまた僕達の所に来ました。手にギルドの依頼書とおんなじ紙を持ってます。
「実は坊っちゃん方に、依頼したい事がありまして。前回のように、キノコをたくさん採って来てもらえないかと」
「お、ユーキ、みんなも初めての指名依頼だね」
アンソニーお兄ちゃんがそう言いました。指名依頼? 何だろうそれ? おじさんが依頼書を僕に渡してきて、みんなでそれを見ます。
依頼書はいつもとおんなじみたい。文字がたくさん、それから絵が描いてあって。キノコの絵が5個描いてあります。
お父さんが僕の近くに座って、一緒に依頼書を見ました。上から順番に依頼書を読んでくれます。でも最初からいつもと違いました。いつも最初は子供ギルドから、冒険者の皆様にお願いって書いてあるんだけど…。
「宿屋の店主から冒険者ユーキ、また冒険者ユーキの仲間に依頼をお願いする」
ね、いつもと違うでしょう?
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いつもご愛読ありがとうございます。
大変遅くなりました。今日より更新再開いたします。お待たせして、申し訳ありません。
待っていたただいていた間、温かいお言葉、本当にありがとうございます。
まだ全快ではないのですが、かなり具合が良くなりました。
毎日更新は無理かもしれませんが、なるべく更新出来たらと思っております。
これからもよろしくお願いしたします。
ありぽん




