460お父さんはいつも怒られてるよ
僕はお父さんにいらない紙を貰いました。お父さんやお母さんはいつも冒険に来るとき、紙とペンをもって来てます。冒険のときに気づいた事とか、新しい道が出来てたら、それを地図に書いたり、いろいろ書くことがいっぱい。僕はまだその練習はしないんだ。
それで書いたけど、もう使わない紙があるか聞いて、お父さんがカバンの中をゴソゴソ。5枚紙を貰いました。なんかペンでぐちゃぐちゃ描いてあります。
「書くのに失敗してな。それにもう必要のなくなったものは、あとで間違わないように、そうやって、分かるようにしておくんだ」
ほんとに? 僕はお父さんをじっと見ます。ディル達も。
「何だ?」
だって、お父さんは時々、僕と一緒にお絵描きしてくれるんだけど、時々全然違う絵を描くの。この前僕はマシロの絵を描いたんだけど、その時お父さんも一緒にお絵描きしてくれて、そしたらお父さんが書いたマシロは、羊さんみたいだったんだ。
それから別の日は、僕はうさぎさんの絵を描いたのに、お父さんはうさぎさんがおさるさんみたいに。お父さん折り紙の時にも、うさぎさんがおさるさんになってたよね?
「ふふ、さぁ、ユーキちゃん、早く遊ばないと、どんどん遊ぶ時間が減っちゃうわよ」
お母さんに言われて、みんなで慌てておままごとの場所に戻ります。
「オリビア、ユーキ達はどうしたんだ?」
「いいのよ、あなたは気にしなくて。さぁ、ユーキちゃんのおままごと見てみましょう」
僕は側にあったテーブルにちょうどいい、平らでちょっと大きい石の上に紙を置きます。それでハンコの代わりに小さな石を用意して。あと紙と一緒に、お父さんに貸してもらったペンも置きました。
モグラさんが何してるのって。だからお父さんのお仕事の説明します。お父さんはいつもいっぱい、いろんなことが書いてある紙を読んだり、自分で書いたり。それからその後にちゃんと確認しましたのハンコを押すって。ハンコは今ないけど、依頼書に押してあるハンコ見せてあげました。
「ほかにも、いろんなはんこあるでしゅ」
「お花とか、ドラゴンとか。色々だよ」
「カッコいいのも可愛いのも、いっぱいあるなの!」
説明が終わったら、おままごとスタート。先ず1枚目の紙は真剣に読んでるお父さんのまね。2枚目は真剣に書いてるお父さん。
「なかなかよく見てるじゃないか」
「ふふ、これからよ」
3枚目になった時、僕はお手々を止めました。それでフラッて立って、お部屋から出るまね。あっちにふらふら、そっちにふらふら。それからお茶を飲むまねや、ホプリン達と遊んで。
『チュキィ? ちゅき?』
「仕事は? まだ残っていると」
「えと、これもとうしゃんのまねでしゅ」
「そうそう、もうちょっと見てて。これからボク達の出番だから」
リュカ達がお部屋に入るまねをします。ガチャって自分で言ってドアを開けて、それで僕を見てプンプン怒りながら近づいてきました。
「旦那様! 予定ではまだ資料のチェックをされているはずですが?」
「ああ、でしゅう」
「いっぱいあるなのぉ、すぐに終わらないなぉ!」
「いまは、おやしゅみでしゅ」
「休憩をしている暇はないはずです! 今すぐお部屋にお戻りください!」
リュカ、キミル、ピュイちゃんがアシェルのマネしてお父さんの僕を怒ります。それから僕の洋服をみんなが引っ張って、僕は紙が置いてる所に。それでダラダラ残りの紙を見たり、書いたり。
「…何だ、あれは?」
「ふふふ、やっぱり。いつものあなたそっくりじゃない」
「私はあんなにすぐ休憩には行かないぞ。それにゴロゴロもしないし」
「あら、本当かしら?」
「ああ、しないさ。しないとも」
お父さんが何かブツブツ文句言ってます。お父さんそっくりでしょう? みんなはアシェルそっくり。
僕たちを見てたモグラさんが不思議な顔してます。
『ちゅきぃ?』
「何で怒られたの?と」
僕はいつものお父さんとアシェルのことお話しました。そしたらモグラさんが、モス達もダラダラしてると怒られるって、アース達に。
時々モス達は、洞窟にある僕達と一緒に遊ぶ、特別なお部屋に遊びに来るんだけど、遊びに来るとずっとそのお部屋ダラダラ。それで全然帰らないんだって。最初はアースもストーンも怒らないけど、だんだん怒って来て、何時も最後には2匹に怒られて、ゆっくりダラダラ大人の森に帰るんだって。あとね、お部屋に居る時は、ご飯とかアース達に持ってきてもらうんだよ。
『ちゅきぃ、チュキィ』
「この頃お腹が出て来たと。運動しないともっと太って、カッコいい姿が、カッコ悪くなっちゃうと」
カッコいいのに、カッコ悪くなるのはダメダメだよ。運動? ならエシェット達と戦えば良いんじゃないかな。お父さん達みたいに訓練するの。そしたら運動になるでしょう?
「ふむ、それも良いかもしれないな」
僕は紙を全部お片付けして、お父さんに渡します。お父さん変な顔して僕のこと見てました。これでお父さんとアシェルのマネは終わり。次はお母さんのマネです。




