459モグラさんの知りたい事
「なにして、あそぶ?」
『チュッキィ?』
「ユーキ達はいつも何をして遊んでいるのか聞いているぞ」
えっとねえ、僕達はいつもおままごとしたり、追いかけっこしたり、絵本読んだり、「ぴょん、クル、ぽん」したり、う~ん色々。
僕がそう言ったら、おままごとなあにって。だからくろにゃんに闇の中に入れておいてもらった、おままごとのお道具出してもらって、みんなでおままごとしてる所、モグラさんに見てもらう事にしました。
僕達がおままごとでやってるのは、いつも僕達がお家でやってること。朝起きて、ご飯食べて、それからお父さんのマネしてお仕事してみたり、お昼食べた後はお昼寝して、その後はお母さんのマネして森の見回りに行ってみたり。パパパってやってみました。
『チュッキィ!』
「面白いと」
モグラさんはいつも洞窟の中。時々お外にも行くけど。それに僕達みたいに、冒険しに来る子とたまに遊ぶけど、みんな冒険しに来てるでしょう。だからあんまり遊べないんだって。
そのせいでお話する時間ないし、お話出来てもマシロやエシェット達みたいに、お話分かってくれないから、ちゃんとお話できなくて。僕達人のことで聞きたい事あっても聞けなかったって。
だからおままごとしながら、僕達の事色々教えてほしいって。
うん、僕なんでも教えるよ! ディル達もうんって。みんなでおままごとすることにしました。そしたらお父さんが、
「ここでおままごとか? 冒険しなくて良いのか?」
って、だって、モグラさんはおままごと知りたいんだよ。それに僕達はいつでもおままごとできるけど、モグラさんは違うでしょう?
あと、おままごとでお母さんのまねするんだけど。お母さん時々森を調べに行きます。それで悪い魔獣さんとかやっつけて。だからそれのまねして、この洞窟の中調べるまねすれば、冒険とおんなじでしょう?
「あなた、ユーキちゃんはあの魔獣のこと、ちゃんと考えてるのよ」
「そうか」
お父さんが僕の頭をなでなでしました。
よし、おままごと開始! 最初に起きるところから。起きる所は僕達もモグラさんも一緒。ちょっと違うのは、モグラさん達はお外が明るくなったの見なくても分かって、ちゃんと朝起きられるの。凄いね。だって、洞窟だよ。お外見えないんだよ。僕はお外見えて明るくなっても、なかなか起きられないのに。何で明るくなったの分かるの?
次は朝のご飯です。みんなに並んで座ってもらって、僕が料理人さんね。それからホプリンがアシェルのまね。他のみんなはお父さん達のまね。
近くに落ちてた小さな石を少しづつ僕がお椀に入れて、そのお椀をホプリンがみんなの前に運んでくれます。
『チュッキィ?』
「ああ、そうだ。人間はこういう食器というものを使ってご飯を食べるんだ。面倒くさいだろう? 我々のようにそのまま獲物を食べてしまえば楽なのに。だが、味付けはなかなかだ」
モグラさんはいつも、虫さんとか葉っぱとかお花とか食べてるんだって。あっ、そうだ!! 僕は荷物の置いてある場所に行きます。それでカバンをゴソゴソ。お母さんがどうしたの?って。
「えと、モグラしゃんにおかち!」
「あれ、食べて大丈夫だったかしら? ちょっと待ってユーキちゃん。あなた! マシロ達も」
お母さんがお父さん達を呼びます。それでモグラさんが僕が出したクッキー食べられるか確認しました。
「我はそんな事考えた事なかったからな。たまに人間達の残していったものを食べていたな。それから酒も」
エシェットは、時々森に冒険者さんが置いていったご飯とかお酒とか、食べたり飲んだりしてたんだって。マシロは魔獣を食べて、ルトブルはお魚さんや、時々海を流れてくる木の実、それからカメさんルトブルの時に、自分のお背中に生えてる木から落ちて来た木の実ね。他にもみんな色々食べてました。
「別に大丈夫だろう? もともとあのモグラの種類は何でも食べる雑食性のはずだ。ここのモグラはどうか分からんが、我が居た森では同じ種類のモグラが、何でもかんでも食べていたぞ」
「それは大丈夫なのか?」
「まぁ、具合が悪くなったら、ディルに治してもらえば良いだろう」
僕はクッキーをもって、モグラさんの所に戻ります。それでクッキーを置いたお皿をモグラさんの前に置いて、クッキーの説明…をマシロにしてもらいました。
説明が終わったら、モグラさんがそっとクッキーを両方のお手々で持って、じっとクッキーを見たあと、ちょっとだけサクってお口に入れました。
サクサク、サクサク。クッキーの噛む音が聞こえて、飲み込むモグラさん。すぐにもうひと口食べます。それを飲み込んだら、またすぐにひと口。
そんな事してたら、あっという間にクッキーがなくなっちゃいました。それでお口の周りをお手々で綺麗に拭いた後、ニッコリ笑って。
「チュッキィっ!!」
って叫びました。
「こんな美味しい物を食べたのは初めてだと。それよりもお主、体の具合が悪くなったとか、そうだな、気持ち悪くなったとかはないか?」
『ちゅきぃ?』
「そうか。なら良い」
エシェットがクッキーもう少しあげても良いって。だから他の味のクッキーもあげました。それもすぐに食べちゃうモグラさん。
朝のご飯のマネは、モグラさんはクッキーのご飯になりました。モグラさん、次のお父さんのお仕事のマネするときも、ずっと美味しかったって言ってたよ。
やっとモグラさんが少し静かになって、僕のお父さんのマネを見ます。今度は僕がお父さんで、リュカがアシェルなの。あとはピュイちゃんとかキミルもアシェルのマネ。アシェルがいっぱい。
「何か嫌な感じだな」
「あら、あなた。面白そうじゃない。ユーキちゃん達に、いつも私達がどう見えているか、確認するチャンスよ」




