454アースが居ない? ストーン達も?(前半ユーキ視点 後半アンソニー視点)
「さて、ぷにが選んだ依頼をやりに、ストーンが居る洞窟に行くぞ。ストーンが居る洞窟はどれだ?」
僕は洞窟が書いてある場所を指します。
「そうだ。だが洞窟に行くまでに、前回アースに会って遊んだ場所を通るから、そこに寄ってから洞窟に行こう。アースが待ってるかもしれないからな」
アースいるかなぁ。お土産持って来たよ。洞窟でぷにちゃんが選んだ依頼書やってからだけど、その後なら遊べるし。一緒に冒険も良いよね。
僕はお父さんと地図を見ながら、アースと初めて会った場所に。僕ね会えると思ってたからニコニコ。みんなもニコニコ歩いてました。でも…。
アースと会った場所についても、アースはいませんでした。誰も居ないの。小さな魔獣さんもいないんだよ。お花はいっぱい咲いてるけど。
「アース、いない」
「あら、ユーキちゃんが来たことに気づいて、ここで待っていてくれると思ったのだけど」
「マシロ、アースどこいるでしゅか?」
「来たときから気配がしない。てっきり久しぶりに会いに来る主を驚かそうと、気配を消して隠れていると思ったのだが」
「どうもこちらの森にはいないらしいな。どれ我が向こうを見て来てやろう。ここに居ないとしたら、大人の森の方で大人の相手をしているのかもしれんからな。くろにゃん」
エシェットがくろにゃんに乗って、影の中に消えて行きました。僕達はエシェット達が帰って来るまで、ちょっとだけお休み。
お水を飲んだり、あの元気になるアメを舐めたり。
少ししてエシェット達が帰って来ました。
「やはり向こうの森に居たぞ。それとアンソニー達と一緒だった。今日はこちらには来られないらしい。次の冒険の時には必ず会いに来ると言っていた。ストーンとモス達もだ」
え~、みんなお兄ちゃん達と一緒に居るの!? 何で? 僕会えるの楽しみにしてたんだよ!
僕はブーブー。みんなもブーブーです。
「しかたないわ。アース達も時々は大人の相手をしなくちゃいけないのよ。たまたま今日がその日だったのね。(どうしてアンソニー達と居るかはあれだけど、きっとお兄様が原因ね)」
「次は会いに来るって行っただろう? 今日はこのまま冒険して帰ろうな」
もう! 楽しかった冒険がちょっとだけしょんぼりです。絶対次の冒険のときは会いに来てね。絶対だよ。
僕達はすぐに洞窟に向って歩き始めました。
*********
「フィオレート様、アンソニー様方をあのようにお運びするのはどうかと」
「フィオレートおじさん、移動するときは言ってください!」
「うえっ、ちょっと酔っちゃったぜ」
「すまない、久しぶりの大物だと思ったからね。でもまさか彼らもユーキの友達だったとは。本当にあの子は面白いね」
『おいアンソニー、この男は誰だ?』
もう、みんな勝手に動くんだから。特にフィオレートおじさん。
森を入って少しして、僕達が探していた魔獣が現れて討伐しようとしたとき、僕達の冒険の様子を見てたフィオレートおじさんが突然。
「アンソニー、ジョシュア、依頼は中止です。アシェル、君は勝手にリリースにつかまってきてくださいね。行きますよ!」
そう言ったと思ったら、自分はサッとリリースに乗って、僕達はリリースに掴まれて、アシェルはリリースの足につかまって、森の奥の方に向って飛び始めたんだ
リリースが飛んでいるんだから、そんなに揺れることはなかったけど、それでも掴まれての移動で、ジョシュアじゃないけど僕も少し酔っちゃったよ。
しかもどんどん森の奥に行くのは良いけど、どう考えても僕達のレベルじゃ行っちゃいけない場所まで飛んできちゃって、さらに奥に進むなんて。
それで見えてきたのは、見覚えのある大きなドラゴンとヘビ。そうアースとストーンだった。アース達の真上にさしかかり、あ~、ユーキ達がしょんぼりしてるだろうな、なんて思った僕。
そんな事を思ってた僕の耳に、フィオレートおじさんの声が。
「久しぶりの大物ですね、腕がなります」
その言葉と共にリリースは急降下を始め、アース達の前に降りる寸前、僕とジョシュアは草むらに投げ下ろされて、フィオレートおじさん達はもうアース達に攻撃してたんだ。
僕達の前で繰り広げられる激しい戦い。フィオレートおじさんがどれだけ強いか知ってる僕は、アース達が簡単に負けるはずがないって分かってるけど、それでも怪我をする可能性はある。もし怪我をしたままユーキ達に会いにいったら?
僕やジョシュアは勿論止められないけど、アシェルだって止められるか。何とかフィオレートおじさん達を止める方法を考える僕。でも、あのレベルの戦いを止める方法なんてある?
「ユーキが大人の森に居るって言えば、止まるんじゃないか?」
「え?」
「あんなにお互い興奮してたら、そう簡単に止められないし、周りの気配を感じてる場合じゃないだろう? だからユーキのことが気に入ってるアース達、ユーキのことに興味津々なおじさんに、ユーキって言えば、何でここに居るんだって、ユーキを探して思わず止まるんじゃないか?」
そんな簡単な事で?
僕やアシェルの答えを聞かないまま、ジョシュアはフィオレートおじさん達の攻撃に、巻き込まれないギリギリまで近づいて、
「あれ? ユーキ!! 何でここに居るんだ? ここは大人の森だぞ!!」
わざとらしく大きな声でそう叫んだ。
ピタっ!!
え? まさかホントに? フィオレートおじさん達の動きが一瞬で止まったんだ。




